なんというか‥‥ほんとにコメディでした。
こんな「The コメディ」という内容の芝居は、四季では珍しい気がする。
みんなが真面目にやればやるほどおかしくなる。
特に主人公プリンズリーの向いの部屋に住んでるハロルド(栗原英雄)は
プリンズリーに気があるゲイで、プリンズリーの婚約者キャロル(坂本里咲)や
恋人のクレア(八重沢真美)にやきもち焼くところが何とも‥‥かわいそうなんだけど笑える。
単純に、そのまんま「おもしろい」作品なので、
劇場初心者にも楽しめると思います。
細かいことを言うと、四季の母音法という発声法の為に
台詞をきちんと言うことを最優先にし、話の流れ、役のキャラクターより
「きちんと、はっきり台詞を言う」が優先される。
その為に、ちょっと違和感を感じることがあります。
今回は主役のプリンズリー・ミラー(石丸幹二)。
恋人が部屋を出て行き、間もなく若い女の子をものにし、婚約する。
元恋人が戻ってくると、元のサヤにおさまろうとする。
そんな軽々しいキャラクターなのに、丁寧に‥つまりテンポ悪くしゃべってると
「ちょっと違うなぁ~」って感じなんだよねぇ。
もうちょっとちゃらんぽらんで、いい加減な雰囲気だったらもっと似合うのに。
あと、キャロル役の坂本里咲さん。
「若い女の子」の役なんですが、ちょっと苦しいかなぁ~。
以前の「間奏曲」の時もそうだったのですが、
残念ながら「若い女の子」に見えにくい。
クレアの八重沢さんと対立する存在を際立たせる為にも、
もうちょっと若い女優さんの方がよかったような‥‥。
でも、きっと演技力でキャスティングされてるんだろうけどさ。
主役二人のイマイチ感は、内容のおもしろさで帳消しになるほど。
劇場まで行って、期待は裏切られない作品でした。