我々のハンドル・ネームも一種のペンネームですね。
古今東西のペン・ネームや筆名・号の薀蓄、集めてみました。
●赤川 次郎(あかがわ・じろう)
・あまりにも単純明快な名前。ペンネームみたいですが本名。
●阿久 悠(あく・ゆう)
・本名:深田公之(ひろゆき)
・「悪友」のもじり
●芥川 龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ)
・本名と同じ。
・筆名・号の数は五十は越す。「立田川雄之介」「餓鬼(がき)老人」など
●浅田 次郎(あさだ・じろう)
・本名:岩戸康次郎(いわとこうじろう)
・30歳にして初めて新人賞の予選を通過した作品の主人公の名前が「浅田次郎」。初めての予選通過がとても嬉しくてそのままペンネームに。
●阿佐田 哲也(あさだ・てつや)
・本名:色川武大
・麻雀狂で「朝だ、徹夜(だ)」というのは有名な話。
●安部 公房(あべ・こうぼう)
・本名「きみふさ」の有職読み【成功した人の名前を音読みする】して他人の顔をもった。
・“あべこーべー”の世界を描いた作品がSF「工房」からも。
●有栖川 有栖(ありすがわ・ありす)
・本名:上原正英
・通学の途中に目にとまった「有栖川宮邸跡」の碑がペンネームのヒントとなる。
●泡坂 妻夫(あわさか・つまお)
・本名:厚川昌男(あつかわ・まさお)
・ペンネームは本名のアナグラム(暗号の一種‥文字の入れ替え)
●池田 満寿夫(いけだ・ますお)
・本名同じ。
●池波 正太郎(いけなみ・しょうたろう)
・本名同じ。
●伊丹 十三(いたみ・じゅうぞう)
・本名:池内岳彦(いけうち・たけひこ)、
・最初は、父、伊丹万作(映画作家)と宝塚を作った小林一三と合わせて伊丹一三としていた。
・その後、マイナスをプラス思考に変えて「一」から「十」の「伊丹 十三」と改名。
●五木 寛之(いつき・ひろゆき)
・本名同じ。旧姓:松延(まつのぶ)
●井上 ひさし
・本名:内山 廈(ひさし)
・初期のペンネームに、原稿が早いというアピールのために「原公林(げんこうはやし)」→「林原公一(はやしはらこういち)」とか原稿の直しが早いという意味で「風早直志(かざはやなおし)」と名乗った。
●井上 靖(いのうえ・やすし)
・本名同じ。
●宇能 鴻一郎(うの・こういちろう)
・本名:鵜野廣澄
・推理小説を書くときのペンネームは「嵯峨島昭」(探しましょう)
●内田 康夫(うちだ・やすお)
・本名同じ。
●江戸川 乱歩(えどがわ・らんぽ)
・本名:平井太郎
・エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)から採った。
●遠藤 周作(えんどう・しゅうさく)
・本名同じ。
●大江 健三郎(おおえ・けんざぶろう)
・本名同じ。
●大橋 巨泉(おおはし・きょせん)
・本名:大橋克巳(かつみ)
・大学時代からジャズに傾倒し、俳号として使っていた「巨泉」をペンネームにしてジャズ評論家となる。
●大佛 次郎(おさらぎ・じろう)
・本名:野尻清彦
・鎌倉の大仏の裏に住んでいたことから。大仏を太郎とするなら、自分は次郎にあたると考えた。
●海音寺 潮五郎(かいおんじ・ちょうごろう)
・本名:末富東作(すてとみ・とうさく)
・高校教師が小説を書くなど許されない時代で筆名が必要だった。筆名をあれこれと考えているうちに眠ってしまい、紀州の浜辺で寝ている夢を見た。すると、どこかで「海音寺潮五郎、海音寺潮五郎」と呼ぶ声がした。起きて、これなら誰かわかるまい思い筆名とした。
●梶原 一騎(かじわら・いっき)
・本名:高森朝樹(たかもり・あさき)
●川端 康成(かわばた・やすなり)
・本名同じ。
●菊池 寛
・本名:寛「ひろし」だが、有職読みをして「かん」に。
●北 杜夫(きた・もりお)
・本名:斉藤宗吉
・トーマス・マンに耽溺していた宗吉はマンの小説『トニオ・クレーゲル』から「杜二夫(とにお)」としてみた。変だから、と「二」を外して「杜夫」にした。姓は東北大医学部出身で「北の杜」から採ったとも。
●北大路 魯山人(きたおおじ・ろさんじん)
・本名:北大路房次郎
・号は「福田大観」
●京極 夏彦(きょうごく・なつひこ)
・本名:大江勝彦
●桐生 操(きりゅう・みさお)
・リヨン大学に留学中だった堤幸子がパリ大学に留学中に知り合った上田加代子との間に作った共同ペンネーム。
・「当初は、私たちの名前を並べて記していたんですが、ある編集者さんに、“これじゃ、なんだか研究書みたい”と言われて、では名前を考えようと。そこでせっかくなら中性的で、響きもきれいな名前を、というわけで“桐生操”になったんです」
●源氏 鶏太(げんじ・けいた)
・本名:田中富雄
・平家より源氏が好きだった。「鶏」は字画が好きだった。
(紀田『ペンネームの由来事典』には鶏肉が好きだった説も)
●小泉 八雲(こいずみ やくも)
・本名:ラフカディオ・ハーン
・小泉は妻セツの姓を採った。
・「八雲」は『古事記』の「八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を」から。
●小松 左京(こまつ・さきょう)
・本名:小松 実
●今 東光(こん・とうこう)
・本名同じ。
●早乙女 貢(さおとめ・みつぐ)
・本名:鐘ケ江秀吉
・「若い娘に金や品物を貢ぐ」ということで
●堺屋 太一(さかいや・たいち)
・本名:池口小太郎
・先祖の堺商人の屋号が「堺屋」だった。「太一」は本名の「太」を採った。
●佐賀 潜(さが・せん)
・本名:松下幸徳
・祖父が佐賀・鍋島藩士で父が「潜八」だが何よりも「探せん」
●坂口 安吾(さかぐち・あんご)
・本名:坂口炳吾(へいご) 「炳」は「明るい」という意味
・「無頼派」として知られるが、中学生時代、身勝手さに怒った教師が「自己に暗い奴だから炳吾よりも暗吾と名乗れ!」と黒板に書かれたことがあり、後に反省して「暗吾」を「安吾」に変えた。
●さくら ももこ
・本名:三浦美紀(みうら・みき)
・私はすみれの花が大好きだったので、すみれにしようかなと思ったのだが、ふと「さくら、もも」と書いてあるのを見て、さくらももこにしたらいいんじゃないかとひらめいた。この名前なら、苗字も名前も花だし、どっちで呼ばれてもカワイイし、女の子らしいし、春の明るい感じもするし、なんかわくわくする。
●笹沢 左保(ささざわ・さほ)
・本名:笹沢 勝(まさる)
・奥さんの左保子さんから採った。
●里見 (さとみ・とん)
・「名前は目をつむって電話帳を指さして適当に決めた」「でもトンの方は?」「だからトンと指さしたのさ」という俗説(巖谷大四の説)を本人は否定している。
●ジェームス 三木
・本名:山下清泉(きよもと)
・先輩のディック・ミネに芸名を依頼したのだが、「これから税務署に行くから忙しい」と断られた。そこでめげずに「ゼームショイク」→「ジェームスイク」と考えて現在の名前にした。
●重松 清(しげまつ・きよし)
・本名:重松 清
・「田村章」や「岡田幸四郎」ら20近いペンネームがあります。
●獅子 文六(しし・ぶんろく)
・本名:岩田豊雄
・百獣の王「獅子」、「文豪」(文五)を上回る「文六」になろうとしたためというのは伝説らしい。
・「四四、十六」のもじり。
●柴田 錬三郎(しばた・れんざぶろう)
・本名:斎藤練三郎
・長兄は剣太郎、二兄は大史郎、そして練三郎だったが、4人目を自分で創造して狂四郎と名づけた→『眠狂四郎』
●司馬 遼太郎(しば・りょうたろう)
・本名:福田定一
・歴史家の司馬遷に「遼か」及ばないという謙遜から
●城山 三郎(しろやま・さぶろう)
・本名:杉浦英一
・結婚後独立してもった家の住所が名古屋の城山だった。転居が三月だから「三郎」となった。
●高木 彬光(たかぎ・あきみつ)
・本名・高木誠一
●滝沢 馬琴(たきざわ ばきん)
・本名:源 興邦(おきくに)
・本名の他に34も名前を持っていた。例えば「曲亭馬琴」など。
●太宰 治(だざい・おさむ)
・本名:津島修治
・初めて「太宰治」の筆名を使ったのは東奥日報に寄せた短編「列車」でだった。 当時、ある記者が「太宰施門のまねだろう」と聞くと「いや、ボクのは天神様の太宰府の太宰だ」 と答えたという話が有名。
・由来については他説もあります。
●俵 万智(たわら・まち)
・ペンネームではなくて本名同じ。
●都筑 道夫(つづき・みちお)
・本名:松岡巌(まつおか・いわお)
・「続き見てよ」というのは俗説?
●テリー伊藤
・本名:伊藤輝夫
・テリーは「輝夫」に因む。
●直木 三十五(なおき・さんじゅうご)
・本名:植村宗一
・「直木」は「植」を分解して反対にした。
・33歳のおりに直木三十三にしたが、後に三十五で落ち着いたというのと『平凡社百科事典』のように31歳のおり三十一を用い始めたという説も。なぜか「三十四」は飛ばした。
●永井 路子(ながい・みちこ)
・本名:黒板擴子(くろいた・ひろこ)
●夏樹 静子(なつき・しずこ)
・本名:出光(いでみつ)静子
・五十嵐静子のペンネームも。
●夏目 漱石(なつめ・そうせき)
・本名・夏目金之助
●西村 京太郎(にしむら・きょうたろう)
・本名:矢島喜八郎(やじま・きはちろう)
・「西村」は尊敬する先輩の名前、「京」は東京生まれで「太郎」は長男だから。
●新田 次郎(にった・じろう)
・本名:藤原寛人(ひろと)
・出身地の上諏訪角間新田(しんでん)出身の次男という意味。
●畑 正憲(はた まさのり)
・本名:畑 正憲(せいけん)
●半村 良(はんむら・りょう)
・本名:清野平太郎(きよの・へいたろう)
・バーテンをしていた新宿のバーに来たイーデス・ハンソンさんに惹かれてつけたというのは有名な話。本人がこれを否定しているエッセーもどこかに。
●樋口 一葉(ひぐち・いちよう)
本名:樋口なつ 戸籍上は「奈津」
・「一葉」というのは達磨が乗って渡海した蘆(芦)の一葉にちなんだもので、達磨には「お足(銭)がない」という洒落。
●平賀 源内(ひらが・げんない)
・号に鳩渓(きゅうけい)・風来山人・福内鬼外(ふくうち・きがい)・貧家銭内(ひんか・ぜにない)など。
●二葉亭 四迷(ふたばてい・しめい)
・本名:長谷川辰之助
・「くたばってしめぇ」と父(江戸詰の尾張藩士だった)に言われたことからとされる。
●星 新一(ほし・しんいち)
・本名:星 親一
●正岡 子規(まさおか・しき)
・本名:正岡常規(つねのり)
・滝沢馬琴は名前が戒名も加えて35というが、子規は日本一多いペンネームの持ち主と言える。子規は雅号だけで百あまりある。
●松本 清張(まつもと・せいちょう)
・「きよはる」だが、有職読みをして「せいちょう」とした。
●村上 龍(むらかみ・りゅう)
・本名:村上龍之助
・芥川龍之介に似ているのを憚って一字に。
●森 鴎外(もり・おうがい)
・本名:森 林太郎
●森村 誠一(もりむら・せいいち)
・本名同じ。
●山口 誓子(やまぐち・せいし)
・本名:山口新比古(ちかひこ)
・「ちかひこ」を分割して「誓+子」とした。
●山岡 荘八(やまおか・そうはち)
・本名・藤野庄蔵
・婿入りの前の姓だった「山内」の「山」と「庄」の本字「荘」を活かした。
●山口 瞳(やまぐち・ひとみ)
・女性的な名前だが本名
●山田 風太郎(やまだ・ふうたろう)
・本名:山田誠也(せいや)
・停学処分を受けたとき、仲間と「雨、霧、雷」と暗号で呼び合い、自分は「風」だったことから。最初は「かぜたろう」としていた。
●山手 樹一郎(やまて・じゅいちろう)
・本名:井口長次
・山手線沿線に住んでいたので「山手線一郎」にしようとしたら反対があって「樹」にした。
●山村 美紗(やまむら・みさ)
・本名同じ。
●夢枕 獏(ゆめまくら・ばく)
・本名:米山峰夫。
・獏は夢を食べるから。
●横溝 正史(よこみぞ・せいし)
・本名は同字で「まさし」
・他にも十七のペンネームがあります。
●金田一耕助の由来
・風体は劇作家の菊田一夫がモデル。
・名前も当初は「菊田一○○」と付けようとしていたという。だがこれは菊田に失礼だろうということで取り止めた。そこで吉祥寺に住んでいた頃、たまたま隣組に言語学者の金田一京助の弟がいたことから「菊田一」に近い苗字である「金田一」を取り、名前も「京助」をもじって「耕助」と付けたという。
●吉川 英治(よしかわ・えいじ)
・本名:吉川英次(ひでつぐ)
・他に十九のペンネームがあります。
・単行本の発行の際、著者名に本名の「英次」を用いたのだが、新聞広告で「英治」と誤植されたのがきっかけ。その後は「英治」に一本化に。
●渡辺 淳一(わたなべ・じゅんいち)
・本名同じ。
★マンガ家のペンネーム クイズ
『読み方が難しいマンガ家のペンネームを並べてあり、読み方を当てるというクイズだ。「答え」の後ろを反転させると答えが分かる』
http://denchu.ktplan.net/diary/diary-2006-07-3.html#2006_07_22
参考にしたHP
http://www.kv-jp.com/column/170.php
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%F3%A5%CD%A1%BC%A5%E0
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/
ウィキペディア(Wikipedia)ほか
古今東西のペン・ネームや筆名・号の薀蓄、集めてみました。
●赤川 次郎(あかがわ・じろう)
・あまりにも単純明快な名前。ペンネームみたいですが本名。
●阿久 悠(あく・ゆう)
・本名:深田公之(ひろゆき)
・「悪友」のもじり
●芥川 龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ)
・本名と同じ。
・筆名・号の数は五十は越す。「立田川雄之介」「餓鬼(がき)老人」など
●浅田 次郎(あさだ・じろう)
・本名:岩戸康次郎(いわとこうじろう)
・30歳にして初めて新人賞の予選を通過した作品の主人公の名前が「浅田次郎」。初めての予選通過がとても嬉しくてそのままペンネームに。
●阿佐田 哲也(あさだ・てつや)
・本名:色川武大
・麻雀狂で「朝だ、徹夜(だ)」というのは有名な話。
●安部 公房(あべ・こうぼう)
・本名「きみふさ」の有職読み【成功した人の名前を音読みする】して他人の顔をもった。
・“あべこーべー”の世界を描いた作品がSF「工房」からも。
●有栖川 有栖(ありすがわ・ありす)
・本名:上原正英
・通学の途中に目にとまった「有栖川宮邸跡」の碑がペンネームのヒントとなる。
●泡坂 妻夫(あわさか・つまお)
・本名:厚川昌男(あつかわ・まさお)
・ペンネームは本名のアナグラム(暗号の一種‥文字の入れ替え)
●池田 満寿夫(いけだ・ますお)
・本名同じ。
●池波 正太郎(いけなみ・しょうたろう)
・本名同じ。
●伊丹 十三(いたみ・じゅうぞう)
・本名:池内岳彦(いけうち・たけひこ)、
・最初は、父、伊丹万作(映画作家)と宝塚を作った小林一三と合わせて伊丹一三としていた。
・その後、マイナスをプラス思考に変えて「一」から「十」の「伊丹 十三」と改名。
●五木 寛之(いつき・ひろゆき)
・本名同じ。旧姓:松延(まつのぶ)
●井上 ひさし
・本名:内山 廈(ひさし)
・初期のペンネームに、原稿が早いというアピールのために「原公林(げんこうはやし)」→「林原公一(はやしはらこういち)」とか原稿の直しが早いという意味で「風早直志(かざはやなおし)」と名乗った。
●井上 靖(いのうえ・やすし)
・本名同じ。
●宇能 鴻一郎(うの・こういちろう)
・本名:鵜野廣澄
・推理小説を書くときのペンネームは「嵯峨島昭」(探しましょう)
●内田 康夫(うちだ・やすお)
・本名同じ。
●江戸川 乱歩(えどがわ・らんぽ)
・本名:平井太郎
・エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)から採った。
●遠藤 周作(えんどう・しゅうさく)
・本名同じ。
●大江 健三郎(おおえ・けんざぶろう)
・本名同じ。
●大橋 巨泉(おおはし・きょせん)
・本名:大橋克巳(かつみ)
・大学時代からジャズに傾倒し、俳号として使っていた「巨泉」をペンネームにしてジャズ評論家となる。
●大佛 次郎(おさらぎ・じろう)
・本名:野尻清彦
・鎌倉の大仏の裏に住んでいたことから。大仏を太郎とするなら、自分は次郎にあたると考えた。
●海音寺 潮五郎(かいおんじ・ちょうごろう)
・本名:末富東作(すてとみ・とうさく)
・高校教師が小説を書くなど許されない時代で筆名が必要だった。筆名をあれこれと考えているうちに眠ってしまい、紀州の浜辺で寝ている夢を見た。すると、どこかで「海音寺潮五郎、海音寺潮五郎」と呼ぶ声がした。起きて、これなら誰かわかるまい思い筆名とした。
●梶原 一騎(かじわら・いっき)
・本名:高森朝樹(たかもり・あさき)
●川端 康成(かわばた・やすなり)
・本名同じ。
●菊池 寛
・本名:寛「ひろし」だが、有職読みをして「かん」に。
●北 杜夫(きた・もりお)
・本名:斉藤宗吉
・トーマス・マンに耽溺していた宗吉はマンの小説『トニオ・クレーゲル』から「杜二夫(とにお)」としてみた。変だから、と「二」を外して「杜夫」にした。姓は東北大医学部出身で「北の杜」から採ったとも。
●北大路 魯山人(きたおおじ・ろさんじん)
・本名:北大路房次郎
・号は「福田大観」
●京極 夏彦(きょうごく・なつひこ)
・本名:大江勝彦
●桐生 操(きりゅう・みさお)
・リヨン大学に留学中だった堤幸子がパリ大学に留学中に知り合った上田加代子との間に作った共同ペンネーム。
・「当初は、私たちの名前を並べて記していたんですが、ある編集者さんに、“これじゃ、なんだか研究書みたい”と言われて、では名前を考えようと。そこでせっかくなら中性的で、響きもきれいな名前を、というわけで“桐生操”になったんです」
●源氏 鶏太(げんじ・けいた)
・本名:田中富雄
・平家より源氏が好きだった。「鶏」は字画が好きだった。
(紀田『ペンネームの由来事典』には鶏肉が好きだった説も)
●小泉 八雲(こいずみ やくも)
・本名:ラフカディオ・ハーン
・小泉は妻セツの姓を採った。
・「八雲」は『古事記』の「八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を」から。
●小松 左京(こまつ・さきょう)
・本名:小松 実
●今 東光(こん・とうこう)
・本名同じ。
●早乙女 貢(さおとめ・みつぐ)
・本名:鐘ケ江秀吉
・「若い娘に金や品物を貢ぐ」ということで
●堺屋 太一(さかいや・たいち)
・本名:池口小太郎
・先祖の堺商人の屋号が「堺屋」だった。「太一」は本名の「太」を採った。
●佐賀 潜(さが・せん)
・本名:松下幸徳
・祖父が佐賀・鍋島藩士で父が「潜八」だが何よりも「探せん」
●坂口 安吾(さかぐち・あんご)
・本名:坂口炳吾(へいご) 「炳」は「明るい」という意味
・「無頼派」として知られるが、中学生時代、身勝手さに怒った教師が「自己に暗い奴だから炳吾よりも暗吾と名乗れ!」と黒板に書かれたことがあり、後に反省して「暗吾」を「安吾」に変えた。
●さくら ももこ
・本名:三浦美紀(みうら・みき)
・私はすみれの花が大好きだったので、すみれにしようかなと思ったのだが、ふと「さくら、もも」と書いてあるのを見て、さくらももこにしたらいいんじゃないかとひらめいた。この名前なら、苗字も名前も花だし、どっちで呼ばれてもカワイイし、女の子らしいし、春の明るい感じもするし、なんかわくわくする。
●笹沢 左保(ささざわ・さほ)
・本名:笹沢 勝(まさる)
・奥さんの左保子さんから採った。
●里見 (さとみ・とん)
・「名前は目をつむって電話帳を指さして適当に決めた」「でもトンの方は?」「だからトンと指さしたのさ」という俗説(巖谷大四の説)を本人は否定している。
●ジェームス 三木
・本名:山下清泉(きよもと)
・先輩のディック・ミネに芸名を依頼したのだが、「これから税務署に行くから忙しい」と断られた。そこでめげずに「ゼームショイク」→「ジェームスイク」と考えて現在の名前にした。
●重松 清(しげまつ・きよし)
・本名:重松 清
・「田村章」や「岡田幸四郎」ら20近いペンネームがあります。
●獅子 文六(しし・ぶんろく)
・本名:岩田豊雄
・百獣の王「獅子」、「文豪」(文五)を上回る「文六」になろうとしたためというのは伝説らしい。
・「四四、十六」のもじり。
●柴田 錬三郎(しばた・れんざぶろう)
・本名:斎藤練三郎
・長兄は剣太郎、二兄は大史郎、そして練三郎だったが、4人目を自分で創造して狂四郎と名づけた→『眠狂四郎』
●司馬 遼太郎(しば・りょうたろう)
・本名:福田定一
・歴史家の司馬遷に「遼か」及ばないという謙遜から
●城山 三郎(しろやま・さぶろう)
・本名:杉浦英一
・結婚後独立してもった家の住所が名古屋の城山だった。転居が三月だから「三郎」となった。
●高木 彬光(たかぎ・あきみつ)
・本名・高木誠一
●滝沢 馬琴(たきざわ ばきん)
・本名:源 興邦(おきくに)
・本名の他に34も名前を持っていた。例えば「曲亭馬琴」など。
●太宰 治(だざい・おさむ)
・本名:津島修治
・初めて「太宰治」の筆名を使ったのは東奥日報に寄せた短編「列車」でだった。 当時、ある記者が「太宰施門のまねだろう」と聞くと「いや、ボクのは天神様の太宰府の太宰だ」 と答えたという話が有名。
・由来については他説もあります。
●俵 万智(たわら・まち)
・ペンネームではなくて本名同じ。
●都筑 道夫(つづき・みちお)
・本名:松岡巌(まつおか・いわお)
・「続き見てよ」というのは俗説?
●テリー伊藤
・本名:伊藤輝夫
・テリーは「輝夫」に因む。
●直木 三十五(なおき・さんじゅうご)
・本名:植村宗一
・「直木」は「植」を分解して反対にした。
・33歳のおりに直木三十三にしたが、後に三十五で落ち着いたというのと『平凡社百科事典』のように31歳のおり三十一を用い始めたという説も。なぜか「三十四」は飛ばした。
●永井 路子(ながい・みちこ)
・本名:黒板擴子(くろいた・ひろこ)
●夏樹 静子(なつき・しずこ)
・本名:出光(いでみつ)静子
・五十嵐静子のペンネームも。
●夏目 漱石(なつめ・そうせき)
・本名・夏目金之助
●西村 京太郎(にしむら・きょうたろう)
・本名:矢島喜八郎(やじま・きはちろう)
・「西村」は尊敬する先輩の名前、「京」は東京生まれで「太郎」は長男だから。
●新田 次郎(にった・じろう)
・本名:藤原寛人(ひろと)
・出身地の上諏訪角間新田(しんでん)出身の次男という意味。
●畑 正憲(はた まさのり)
・本名:畑 正憲(せいけん)
●半村 良(はんむら・りょう)
・本名:清野平太郎(きよの・へいたろう)
・バーテンをしていた新宿のバーに来たイーデス・ハンソンさんに惹かれてつけたというのは有名な話。本人がこれを否定しているエッセーもどこかに。
●樋口 一葉(ひぐち・いちよう)
本名:樋口なつ 戸籍上は「奈津」
・「一葉」というのは達磨が乗って渡海した蘆(芦)の一葉にちなんだもので、達磨には「お足(銭)がない」という洒落。
●平賀 源内(ひらが・げんない)
・号に鳩渓(きゅうけい)・風来山人・福内鬼外(ふくうち・きがい)・貧家銭内(ひんか・ぜにない)など。
●二葉亭 四迷(ふたばてい・しめい)
・本名:長谷川辰之助
・「くたばってしめぇ」と父(江戸詰の尾張藩士だった)に言われたことからとされる。
●星 新一(ほし・しんいち)
・本名:星 親一
●正岡 子規(まさおか・しき)
・本名:正岡常規(つねのり)
・滝沢馬琴は名前が戒名も加えて35というが、子規は日本一多いペンネームの持ち主と言える。子規は雅号だけで百あまりある。
●松本 清張(まつもと・せいちょう)
・「きよはる」だが、有職読みをして「せいちょう」とした。
●村上 龍(むらかみ・りゅう)
・本名:村上龍之助
・芥川龍之介に似ているのを憚って一字に。
●森 鴎外(もり・おうがい)
・本名:森 林太郎
●森村 誠一(もりむら・せいいち)
・本名同じ。
●山口 誓子(やまぐち・せいし)
・本名:山口新比古(ちかひこ)
・「ちかひこ」を分割して「誓+子」とした。
●山岡 荘八(やまおか・そうはち)
・本名・藤野庄蔵
・婿入りの前の姓だった「山内」の「山」と「庄」の本字「荘」を活かした。
●山口 瞳(やまぐち・ひとみ)
・女性的な名前だが本名
●山田 風太郎(やまだ・ふうたろう)
・本名:山田誠也(せいや)
・停学処分を受けたとき、仲間と「雨、霧、雷」と暗号で呼び合い、自分は「風」だったことから。最初は「かぜたろう」としていた。
●山手 樹一郎(やまて・じゅいちろう)
・本名:井口長次
・山手線沿線に住んでいたので「山手線一郎」にしようとしたら反対があって「樹」にした。
●山村 美紗(やまむら・みさ)
・本名同じ。
●夢枕 獏(ゆめまくら・ばく)
・本名:米山峰夫。
・獏は夢を食べるから。
●横溝 正史(よこみぞ・せいし)
・本名は同字で「まさし」
・他にも十七のペンネームがあります。
●金田一耕助の由来
・風体は劇作家の菊田一夫がモデル。
・名前も当初は「菊田一○○」と付けようとしていたという。だがこれは菊田に失礼だろうということで取り止めた。そこで吉祥寺に住んでいた頃、たまたま隣組に言語学者の金田一京助の弟がいたことから「菊田一」に近い苗字である「金田一」を取り、名前も「京助」をもじって「耕助」と付けたという。
●吉川 英治(よしかわ・えいじ)
・本名:吉川英次(ひでつぐ)
・他に十九のペンネームがあります。
・単行本の発行の際、著者名に本名の「英次」を用いたのだが、新聞広告で「英治」と誤植されたのがきっかけ。その後は「英治」に一本化に。
●渡辺 淳一(わたなべ・じゅんいち)
・本名同じ。
★マンガ家のペンネーム クイズ
『読み方が難しいマンガ家のペンネームを並べてあり、読み方を当てるというクイズだ。「答え」の後ろを反転させると答えが分かる』
http://denchu.ktplan.net/diary/diary-2006-07-3.html#2006_07_22
参考にしたHP
http://www.kv-jp.com/column/170.php
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DA%A5%F3%A5%CD%A1%BC%A5%E0
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/
ウィキペディア(Wikipedia)ほか