作文くんのB級英作文講座

大学受験レベルの英作文を誰でもすらすら書ける方法を伝授します。

第9回(形容詞の用法④)

2012-03-06 22:34:41 | 英作文のための英文法

【本日のお題】
最近は,英語を勉強するために海外に出かける学生が増えている。

【Generation】
MS① 勉強する:study
 Many students study English.(多くの学生が英語を勉強する。)
 →More and more students study abroad.(英語を勉強する学生が増えている。)
MS② 出かける:go
  海外に:abroad / overseas / to foreign countries
 Many students go abroad.(多くの学生が海外に出かける。)
 →More and more students go abroad.(海外に出かける学生が増えている。)

【Design】
 These days MS② so that MS①..

 MS①はMS②の「目的」を表している。目的を表す基本接続語句は so that だったよね。「最近」という表現は,文全体の文脈の中で考えなければならないものなので,【Design】の段階で入れて考えること。詳しい説明は【Check】の2で。
 these days は文末でもいいけど,so that 節しか修飾しないとも解釈できる。文全体を修飾するので,文頭に置いた方がいいだろう。

【Check】
Students who go to abroad are increasing to study English recently.

.go to abroad(×)→go abroad [overseas / to foreign countries]
 go to foreign countries のように前置詞で「~に」の意味を表すのが普通だけど,abroad は副詞で「外国に」という意味を表す。副詞には前置詞は不要。前置詞の意味合いを含んでいるからだ。overseas も副詞。(1)の there 「そこに」の使い方と同じ。
 (1) I stayed at the lodge last night.(昨晩は山小屋に泊まった。)
  → I stayed there last night .

2.to study English(×)→go abroad to study English
 表現そのものは間違っていないけど,位置がまずい。これだと,to study English は increase を修飾することになる。英語は語順がとても重要な言語。語順によって論理関係が決まってくる。論理関係を明確にするためには,生成したMSをどの順番にどのように並べるかがとても大切。

3.recently (×)→these days / nowadays
 「最近」という表現はよく出てくるので,ここでまとめておこう。「最近」を表す代表的なものは recently, lately, nowadays, these days。使い分けのポイントは「時制」。時を表す副詞語句は使える時制が限られている。
 recently:過去形,現在完了形
 lately:現在完了形  ※現在形や過去形は特殊。
 nowadays:現在形,現在進行形
 these days:現在形,現在進行形,現在完了形
 この文が過去のことを言っているのではないのは明らか。現在形を使うと,「英語を勉強するために海外に出かける学生が増えるのは,昔も今も将来も変わらない事実」という意味になってしまう。結論だけ言うと,現在進行形でも現在完了形でもいい。この2つの使い分けについては第6講をもう1度読み直して欲しい。
 文脈から使える時制を決定すれば,あとはどの表現を使うかのみ。現在進行形でも現在完了形でも使えるのは these days なので,これを使うのが無難だろう。

4.Students who go abroad are increasing(×)
 数・量の増減を表すのに increase や decrease をみんな使いたがるんだけど,使い方に制約があるんだ。

ポイント 数・量の増減は比較級で表そう!
 「海外に出かける人が増えている」を英訳すると,(3)~(5)のようになる。
 (2) People who go abroad are increasing.(×)
 (3) People who go abroad are increasing in number.
 (4) The number of people who go abroad is increasing.
 (5) More and more people are going abroad.
 (6) The time we spend in reading is decreasing in number.(×) 
   (読書に費やす時間が減っている。)
 increase を辞書で調べると,「〈大きさ・数・量などが〉増す」と書いてある。つまり,(4)のようにincrease の主語は大きさ・数・量などを表す語句でなければならないということ。(4)はキミたちが大好きな表現形式だけど,注意点がいくつかある。主語になる名詞を変える必要があること,the number of X のXにあたる名詞は無冠詞で用いること,動詞は主語 number に合わせて単数にすること,などなど。
 辞書には,「〈人・物などが〉〔~の点で〕(次第に)増える」ともある。これは,(3)のように人や物を主語で書いた場合は,最後に in number のような表現を必ずつける必要があるということ。ちなみに,(6)は,in number ではなく in amount を用いるべき。
 ここで,第8回の話を思い出そう。数量を表す形容詞は,〈形容詞+名詞〉の形で用いる!」基本形は,Many people go abroad. この many を比較級 more にするだけで,「(以前)より多くの人が海外に出かける」という意味になる。これだけでも「増えた」の意味合いは出るんだけど,(5)のようにmore and more にすることで,「ますます多くの~」という増加の感じをより鮮明に出せるんだ。ちなみに,「減っている」なら fewer and fewer や less and less にすればいい。1つ注意すべきは,比較級 and 比較級〉の構文は必ず現在進行形とともに用いるということ。

【Answer】
(a) These days more and more students are going abroad so that they will study English.
(b) These days more and more students are going abroad to study English.
(c) The number of students who go abroad to study English has been increasing these days.

 (b)は(a)のso that ~ を不定詞で書いたもの。so that の後に助動詞 will / may / can を使うのが原則なので,どの助動詞を使うのか,時制をどうするのかで迷った人は,(b)の形を使うとそのあたりをごまかすことができる。あえて現在完了形で書くなら(c)のようになる。この場合,more and more の形は使えない。

【Points】 形容詞の用法④
数・量の増減は比較級で表そう!
 ・ 「増える」:more and more 名詞
 ・ 「減る」:数えられる名詞→ fewer and fewer 名詞
       数えられない名詞→ less and less 名詞
 ・〈比較級 and 比較級〉の構文は必ず現在進行形とともに用いる。

 これまでと第9回の大きな違いに気づいただろうか?今回は【Design】を追加したことだ。「な~んだ」と思うかもしれないけど,ここが大事。第8回までは,すべてMSの生成レベルの間違いに関する話だ。キミたちが間違える大部分も,やはりMSの生成レベルでのもの。この一番の原因は英作文の基礎となる英文(短文)の暗記と練習不足。
 もう1つは,MSの合成レベルの話。複雑な合成が必要な問題を大学入試で出しても,対応できる受験生はほとんどいないことを,最近は各大学の先生も分ってきたようで,特に気にする必要はない。ただ,本日のお題レベルの基本的な【Design】はできなければ合格レベルには達しない。
 分らなければ先生にどんどん質問に行くことは大事だけど,自分の答案を先生に丸投げしてはダメ。辞書も全く調べずに自分の答案のどこがどう分らないかも整理しないで,ただ「全部添削してください」というのでは力はつかないぞ!中には生徒に代わって辞書やら参考書やらを調べてあげるという先生もおられるようだけど,そういう添削でレベルが上がっているのは先生の方で生徒じゃない。自分の答案のどこが分らないのか,どのレベルでつまづいたのかを自分でまず考えてから質問に行くこと。そのためにも,【Generation】と【Design】だけは必ず書いてほしい。

「ためになった!」と思う人はワンクリクックをお願いします。→

「英作文自己添削ソフト 作文くん」を使ってみる



最新の画像もっと見る