卒業生になりたい

師匠：ム、ここのところ、町でよく卒業生に出会うのぉ。

弟子：そうですね、卒業シーズンですから。




師匠：いや～昔からワシは卒業生を見ると、美しくていいのぉと思ってしまうんじゃ。

弟子：まあ、なんか青春って感じですよね。





師匠：いや、違う。

弟子：じゃあ、青春が終わってしまうはかなさが美しいとか？ちょっと詩人ですね。





師匠：バッカモーンッッ！何わけのわからんことを言っとるんじゃ！
　　　ワシはただ単純に一度でいいから袴をはいてみたいって思っとるんじゃ！！

弟子：師匠～っ　ただの変人じゃないですかっ。

もうすぐ桜開花

弟子：師匠、もうすぐ桜開花しそうですね。桜が咲くと一気に春が来ますよ。楽しみですね～

師匠：じゃが、春が来ると一気に雑草も生えだしてくるぞ。
　　　はぁ～、草取りが憂鬱で、花見どころじゃないのぉ～





弟子：そんな考え方じゃ、何にも楽しめないじゃないですか！！
　　　楽しいときは楽しんでくださいよ、ほんと天邪鬼なんだからなぁ

師匠：じゃあ、思い切って花見しちまうから、宴会の準備たのむのぉ！！

弟子：ちょっと、師匠・・・・

事故が心配で

師匠：昨日、近所で交通事故があったらしいぞ。

弟子：えぇ、そうだったんですか？
　　　　怖いなぁ。





師匠：そうじゃ、もしもワシが事故に巻き込まれたらと考えるだけで、怖くて外に出られん。




弟子：まあ、家の中にいたとしても、地震雷火事親父が襲ってくるかもしれないんで
　　　究極のはなし、どこも安心な場所なんてないですよ。

師匠：天災は怖いが、「親父」ってのは、家の中にいれば安全じゃぞ。





弟子：いや、師匠は大丈夫でしょうけど、私はよく被害にあってます。

師匠：バッカモーンッッ！！ワシが親父じゃと言うのか！！
　　　いつも辛らつな言葉投げかけられているのは、むしろワシの方じゃないかっっ！！！

帰郷した師匠

師匠：ムムム・・・

弟子：あれ、師匠なんか元気ないですけど、どうしたんですか？





師匠：ム、昨日久しぶりに生まれ故郷に帰ったんじゃが、どうも悲しくてのぉ。

弟子：久しぶりの故郷だったんで、懐かしくなっちゃたんですか？



師匠：バッカモーン！
　　　それもあるが、もっと悲しかったのは、今住んでいる奴らのワシを見る目じゃ。　　
　　　すれ違うもんがみな、誰こいつ？って目つきでワシのことを見るんじゃ。
　　　わがふるさとなのに、あんなに異邦人みたいな気分を味わって辛くないはずがないじゃないか。




弟子：いや、異邦人とかじゃなくて、ただ単に師匠の外見が怪しげだっただけでしょう・・・・・・

師匠：ワシは善良なる一般市民じゃよぅ！どう見ても！！！

この春挑戦したい新しいこと

師匠：ム～　やはり、これが今一番したいのぉ～





弟子：師匠、おはようございます。
　　　　おや、何をリストアップしているんですか？

師匠：ム、この春挑戦したいことを考えていたところじゃ。





弟子：うわ、いっぱいありますね！
　
師匠：ム、丸つけといたやつが、特に一番したいことじゃ。





弟子：えぇ、パイロットの資格っ！！！
　　　師匠、車の免許も持ってないんじゃ・・・

師匠：ム？　車両は、三輪車以外なんにも運転したことがないぞ。
　　　免許持ってないとパイロットになれんのか？

弟子：いや、分かんないですけど、免許取れる望みがものすごく低そうな・・・・・・