受験生が知りたい!会計監査実務

若手会計士が会計監査実務の裏側を紹介。
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銀行への残高確認手続

2005年06月06日 | 会計監査実務
5月10日、鋼材メーカーのサンユウ(3月決算)の財務部長が、14億円の横領容疑で告訴されました。サンユウによると、財務部長は2002年10月から預金の引出しや借入の水増しで着服を続けており、3回目の決算で横領が発覚したことになります。

今回の事件は、監査法人の銀行残高確認の手続きの中で発覚したようですが、過去の決算において、財務部長が監査に必要な取引残高の確認書を銀行から入手し、偽造していたとのことです。(共同通信5月10日記事)

監査法人は、通常銀行に対し預金や借入金の実在性・網羅性に関する監査証拠を入手する為に、銀行への残高確認を実施します。当然これらの手続は監査人のコントロール下におかれ、発送前の宛名チェック・投函・回収に至るまで会計士が銀行から確認を得ることで、強い監査証拠になり得るわけです。
中には五、六百通の確認状を発送・回収することもあり、入所してすぐに担当する事も多い資金回りの監査手続のなかで重要な(だけど面倒くさい)手続と言えます。

前にも某監査法人で、銀行の残確を偽造して粉飾を隠そうとした不正が公になりましたが、横領等の粉飾の端緒を見逃さないように注意しないといけないですね。




監査法人採用準備室
管理人 あかさか

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