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還暦おやじの洋楽日記

シカゴ横浜公演(2016年1月15日)

2012年秋以来のシカゴの来日コンサートに行って来ました。前回の東京公演が思いのほか良かったのと、一昨年にリリースされた久々のオリジナルアルバム「Now」が上々の出来映えだったので、期待を胸に会場のパシフィコ横浜へ。それにしても今回のツアー会場は、大阪・刈谷・横浜・仙台の四ヶ所で、何だかとっても変則的な感じ。来日が決まったのも直前だったようだが、幸い早めに知ることができたので、1階席20数列目のわりと良い席が取れた。
会場は予想以上に盛況、観客の年齢層はさすがに高めで、40歳未満を探すのに苦労する。平均年齢は50歳前後とみた。昔は70年代シカゴファンと80年代シカゴファンの間に心情的な対立があったのではないかと思われるが、今となっては皆同じ、すっかりおじさんとおばさんになった。
開演予定時刻は19時、ほぼその時刻通りにコンサートは始まった。1曲目がなんと「イントロダクション」、続けて「クエスチョンズ67&68」と初期のナンバーをいきなり連発。生で聴いたのは40数年ぶりだなあ。「クエスチョンズ67&68」ではロバート・ラムが「ダケド、ドーデモイイサー」と一小節だけおちゃらける。
舞台に登場したメンバーは9人で2012年と同じラインアップと思われる。ウォルター・パラザイダーは今回も欠席で、レイ・ハーマンという人(演奏はパラザイダーより上手い)が代理を務める。ピーター・セテラのレパートリーはジェイソン・シェフ、ビル・チャンプリンのレパートリーはルー・パディーニが務めるというのは前回と変わらず。
「愛ある別れ」「アライブ・アゲイン」とヒット曲が続いたが「朝日よ輝け」なんて曲を取り上げたのは驚いたな。近作からはアルバムタイトル曲の「ナウ」が1曲エントリー。本当は最近の曲をもっと聴きたかったが。「コール・オン・ミー」のボーカルはシェフではなくルー・パディーニだった。前回、自分のオリジナルレパートリーを歌えなかったジェイソン・シェフだが今回は「ウィル・スティル・ラブ・ミー?」を自分のピアノ弾き語りで歌った。同じエレピを使って今度はロバート・ラムが「雨の日のニューヨーク」をアコギとコンガの伴奏で歌い、更にルー・パディーニが同じエレピで「ルック・アウェイ」を熱唱。この3曲の場面はしみじみとして良かった。そして「ぼくらに微笑みを」から始まるブキャナンのメドレーで第一部終了。
第二部はキース・ハウランドのギターソロから「追憶の日々」でスタート。「一体現実を把握している者はいるだろうか」「ビギニングス」といった初期の作品、「忘れ得ぬ君に」「君こそすべて」といった80年代のヒット曲を織り交ぜて進行し、「アイム・ア・マン」では前回と同じくドラムスとパーカッションのバトルで大いに盛り上がる。終盤は「素直になれなくて」「サタディ・イン・ザ・パーク」と代表曲が続き、「愛のきずな」の後半部のボーカルを珍しくキース・ハウランドが担当して、これがクロージング・ナンバー。
アンコールは、これもお馴染みの「自由になりたい」そして「長い夜」。コンサート終了は21時40分。途中、15分の休憩を挟んだから正味2時間半というところ。前回のコンサートが約2時間だったから、今回は曲数も多くボリューミーで、得した気分。

セットリストは以下の通り。コンサート時にいちいちメモした訳ではないが、この稿を書くにあたってネットで大阪公演のセットリストを参考にしたから大丈夫。演奏曲目・曲順とも同じであった。

<第一部>
1. Introduction
2. Questions 67 & 68
3. Dialogue
4. If You Leave Me Now
5. Alive Again
6. Wake Up Sunshine
7. Now
8. Call On Me
9. I've Been Searchin' So Long
10.Mongonucleosis
11.Will You Still Love Me ?
12.Another Rainy Day In New York City
13.Look Away
14.Ballet For A Girl In Buchannon
- Make Me Smile
- So Much to Say, So Much to Give
- Anxiety's Moment
- West Virginia Fantasies
- Colour My World
- To Be Free
- Now More Than Ever
<第二部>
15.Old Days
16.Does Anybody Really Know What Time It Is?
17.Hard Habit To Break
18.You're The Inspiration
19.Beginnings
20.I'm A Man
21.Street Player
22.Just You'n'Me
23.Hard to Say I'm Sorry / Get Away
24.Saturday In The Park
25.Feelin' Stronger Every Day
<アンコール>
26.Free
27.25 Or 6 To 4

今回は気合が入っていたのでプログラムも久々に購入。ロックコンサートのプログラムは中身がスカスカのものが多いが、これはディスコグラフィーや年譜、インタビューも掲載されて充実の内容だった。その年譜によればシカゴは今回が14度目の来日公演。僕が行ったコンサートの回数を数えたら今回が5度目だった。1972年は生まれて初めて行ったロックコンサート、1973年はたしか「さだ」と行ったのだな。その次は30年ぶりに2003年、そして前回が2012年。
考えてみるとシカゴは一度も解散せず、ずっとコンスタントに活動している数少ないロックバンド。ロバート・ラムはそれほどでもないが、ジェームス・パンコウもリー・ロクネインもすっかりじいちゃんになったし、若手だったジェイソン・シェフもおっさんになっていた。でもメンバー交替がうまく功を奏してダイナミズムを保った演奏を聴くことができた。今回のコンサートも満足の内容。また来たら、きっとまた観に行っちゃうな。

(かみ)
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