■2006年 アメリカ 143分
■原題「BLOOD DIAMOND」
■2007.5.12 TOHOシネマズ緑井
■監督 エドワード・ズウィック
■出演
レオナルド・ディカプリオ(ダニー・アーチャー)
ジェニファー・コネリー
(マディー・ボーエン-女性記者)
ジャイモン・フンスー(ソロモン・バンディー-)
マイケル・シーン(シモンズ)
アーノルド・ヴォスルー(大佐)
カギソ・クイパーズ(ディア・バンディー-息子)
デヴィッド・ヘアウッド(ポイズン大尉)
ベイジル・ウォレス(ベンジャミン・マガイ)
ンタレ・ムワイン(メド)
《story》
「『自由』『家族』『真実』-彼らはダイヤにそれぞれ違う輝きを見た」
激しい内戦が続くアフリカ、シエラレオネ。ソロモンは一家は、漁師をしながら慎ましく生活をしていた。そこへ反政府軍RUFが乗り込んできた。彼らは村人を容赦なく撃ち殺し残虐の限りを尽くした。ソロモンは、裏口から家族を逃がした。捕らえられたソロモンは、ダイヤの採掘場に送られた。ある時、親指大のダイヤを見つけ、隠そうとしたところを見つかる。運良く政府軍がやってきて、捕らえられる。留置場で、巨大ピンクダイヤの話を耳にしたアーチャーは、ソロモンと家族を救い出すことを引き替えに、ピンクダイヤを掘り出しに行くことを約束。女性記者のボーエンの力を借りながら、現場へと近づいていく。100万人の難民の中に家族を発見する。しかし、長男のバンディーは反政府軍に捕らえられ、兵士に変えられていた。採掘現場で、ソロモンは息子を発見する。
訴えるものが
見る気がなかった映画だ。というよりよくわからなかった、知らなかった映画だ。ただのアクション映画だと思っていた。しかし、子どもにこの映画はいいよと言われた。「シエラレオネ」聞いたことがある国の名前。内戦があり、多くの人々が虐殺され、子どもたちも悲惨な目に遭っていることは知っていた。しかし、このダイヤとシエラレオネが結びつかなかった。解説を見て、「バベル」をやめてこちらを見ることにした。目が離せなかった。「ホテル・ルワンダ」「ルワンダ・流血の4月」「イノセントボイス」などに匹敵する真実があった。レオナルド・ディカプリオの演技も光っていた。アクションとは言えなかった。
特に少年兵を作っていく場面はいやだった。大人の道具として扱われる子ども、子どもの未来なんてひとつも考えていない大人。目の前の欲に飲み込まれる自分の姿。どうしたらこんな悲劇はなくなるのか、もうなくなることはないんだと絶望感がふくれあがる。でも、アーチャーがダイヤをソロモンにわたし、ひとり残るシーンは、未来に光を射した。もしかしたら、人はこんな小さな希望を糧に生きようとしているのかもしれない。絶望の方が大きいけど、そんな中で小さな希望を見つけることが生きる証なのかもしれない。人間として生きてきた証。ダイヤモンドなんていらない。人のために、その人の家族のために一生懸命になった人の生きた証ほど輝くものはないのだと・・。
公式サイト「ブラッド・ダイヤモンド」
『バッテリ-6』 あさのあつこ 角川文庫 【BOOK】
楽しみにしていた文庫本の発売。その日にすぐに買った。まずは子どもが先に読んだ。そして私が読んだ。大きな事件やハプニングがあるわけじゃない。登場人物の心理描写が続く。それでも児童文学だし、大人が読んでもおもしろい。むしろ大人の児童文学とも言えるかもしれない。難しい言葉がいっぱい出てくる。意味が分からない言葉もある「抗う」なんて使わない。小学校では習わない。出てくる人物たちはみんなさまざまなことを考察している。あんなに中学時代に考えただろうか。自分のことばかりで、いつも腹を立てていて、わがままで愛想がなく・・・嫌いだった巧さえ、なんだか丸くなっていつのまにか優しくなって人とつながっている。だからラストの球は生きていた。ひとり黙々と投げる巧だけど、依然と変わっていた。チームの中の巧になっていた。言葉に出して結びつくのではなく、自分に正直に生きることで、自然に結びついていく人のつながり。多くは周りの人間がすばらしいんだけどね。巧はこの新田に来たからこそ、こうなれたのだと思う。映画とは全然ちがっていた。あさのさんらしい終わり方。映画は、妥協したわかりやすい終わり方。どちらも好きだ。不器用な私はわかりやすい方がいい。