そよかぜから-映画

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トンケの蒼い空

2006年12月03日 | ラブロマンス/青春


2003年 韓国 103分
■原題「Mutt Boy」
■2006.11.26 wowow
■監督 クァク・キョンテク
■出演
   チョン・ウソン(チョルミン)
   オム・ジウォン(ジョンエ)
   キム・ガプス(チョルミンの父)
   キム・テウク(ジンムク)


《story》

「ろくでなしだけど、ヒーローになれる」

チョルミンは警察官の父と二人暮らし。一人で村をふらつくことから「野良犬(トンケ)」と呼ばれていた。チョルミンは、ある日、父から犬をもらい、その犬にもトンケと名付けかわいがった。チョルミンは高校でサッカー部に入ったが万年補欠。ある時サッカー部の先輩が、チョルミンの犬を食ってしまう。大喧嘩したチョルミンは高校を中退し、ぶらぶらした生活を送る。そこにMJKという高校中退したグループが決闘を申し込み勝ってしまう。それ以後、そのメンバーと仲良くなる。父親が、スリで捕まった少女を更生させるため、家に連れてくる。二人は次第に意識し始める。MJKの仲間の家が地上げ屋に会う。起こったチョルミンは対抗して暴力をふるい捕まってしまう。そんなチョルミンと父は対立していく。

この映画は何がいいたいのかなと考えてしまった。トンケの純粋な生き方・・・。疑問符が残る。すがすがしい生き方とは思えない。だらだらとしていて、どこか抜けている。正義感にはあふれていると思うが、何かすっきりしない思いがある。彼を動かしているものは何か。行き当たりばったりの思いのような気がしてならない。知恵がない間の抜けた行動しかとれない主人公が、それなりにがんばっていきているぞ、って感じかな。ラストの刑務所の中で戦うシーンなんて、どんな意味があるのだろう。そこで勝つことが何か価値があることなんだろうか。

国によって生活も文化もちがう。犬を食べることは、どうも受け入れにくい。日本でやっていることで、外国では受け入れられないこともたくさんあることだろう。でも、犬はやっぱり人のパートナーとしての、人に近い存在だよね。ウサギを食べたりするのと同じ感覚かな。

「蒼」はどんな意味なんだろうか。「青」は真っ青な澄んだ空を思う。でも、「蒼」は暗く冷たい漢字のする空。トンケと呼ばれた青年の暗い人生とも言うべきだろうか。さわやかさではない。まぬけな少年の暗い人生って言う意味かな。だとしたら、映画の雰囲気は確かに題に表れている。可哀想な少年の半生かな。特技と言えばけんかに強いこと。でも、それは自分を助けはしない。力はいつか無くなるもの。もしかしたらジョンエが彼を再生させるかもしれない、そんな終わり方だった。彼女に出会ったことが、チョルミンにとっては幸福なことかもしれない。それに、父親からも、母の死の理由を教えてもらった。今まで、父親も「可哀想」という気持ちから、遠目に見ていた息子の心に本気で語りかけた場面だった。「蒼」が「青」に変わっていく、さわやかな空に変わっていく、そんな期待をこめて・・・。

公式サイト「トンケの蒼い空」



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