■2007年 日本 132分
■2008.2.16 TOHOシネマズ緑井
■監督 山田洋次
■出演
吉永小百合(野上佳代) 浅野忠信(山崎徹)
檀れい(野上久子) 志田未来(野上初子)
佐藤未来(野上照美)
坂東三津五郎[10代目](野上滋)
中村梅之助[4代目](藤岡久太郎)
戸田恵子(野上照美=大人)
大滝秀治(野村医師)
笑福亭鶴瓶(藤岡仙吉) 《story》
「何もなくても、母の手があった。悲しくても、母の胸があった。」
「あなたがいたから、すべてを愛せる」
昭和15年の東京。父と母を「父べえ、母べえ」と呼ぶ、娘たち。仲むつまじく生活していた野上家に戦争の影が差し始めた。ドイツ文学を研究していた父べえが、戦争に反対しているということで警察に連れて行かれる。不安いっぱいの野上家に、優しい人々が訪れる。父の教え子である山崎は面会できるように奔走する。山ちゃんは野上一家にとって大切な人となる。父の妹の初子、はちゃめちゃな藤岡おじさん。父とのつながりは毎日のように書く手紙。昭和17年1月、太平洋戦争が勃発し、時代は戦争の渦の中へ・・・そこに一通の手紙が届く。それは父の死を知らせるものだった。さらに、野上家を支えてきた山ちゃんのもとにも一通の手紙が届いた。それは・・ 忘れてはならない時代
正しいことが言えない時代。本当はいつの時代でも戦争が正しい選択だなんてあり得ないのに。人を殺すことがいいことだなんて絶対にあるはずがないのに。隣の国が攻めてくるからと軍備を整える。たとえ攻めてきても、もし対抗すれば、泥沼に入るだけ。戦争しないで解決できる道が必ずあると思う。人を殺さないで進むことができる方法があるはずだ。
悲しいかな、しんどい時代だからこそ、結ばれる家族や人々の心もあるのかもしれない。一生懸命に生きていて苦しい中でお互いを大切にしているからこそ、人のつながりが深く強く感じられるのかもしれない。苦しい時代、戦争はなくても人々を苦しめるものはいっぱいある。いつの時代でも、人々の生活や心をむしばむ問題は山積みだ。懐かしく思うのは、家族のつながりであり、人を想う心だ。戦争だったかではなく、今も求めていいのはあたたかい家族の姿。現代の問題にもきっと立ち向かっていける人と人とのつながり。自分の心の中に大きく育てていかなければいけない。 公式サイト「母べえ」