そよかぜから-映画

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遥かなる山の呼び声

2006年08月19日 | 人間/社会派ドラマ


1980年 日本 124分
■2006.8.18 BS2
■監督 山田洋次
■出演 高倉健(田島耕作) 賠償千恵子(風見民子) ハナ肇(虻田太郎) 渥美清(人口受精士-近藤) 武田鉄也(弟-勝男) 畑正憲(獣医) 吉岡秀隆(風見武志) 木ノ葉のこ(弟嫁-佳代子)

《story》

「美しくも短い北国の夏・・・
     その出会いと別れ・・・」

北海道東部、釧路にある酪農の町、中標津。風見民子は、夫に先立たれ、子どもと二人で何とか牧場を守っていた。激しく雨が降る夜、一人の男が、道に迷って納屋にでも泊めてもらえないかと訪ねてきた。その男の名は田島耕作といい、次の日、食べられるだけでいいから、この牧場で働きたいと言うのだった。牧場での経験があり、できぱき働く耕作を民子は不安ながら雇うことにした。一人息子の武志は、馬の乗り方を教えてもらうなど、耕作にすぐになついた。耕作は、警察に負われている過去があった。2年前に借金を苦に自殺した妻の通夜の席で、金貸しの男が「自殺じゃなく事故死だったら保険がおりるのに」と暴言をはいた。カッとなった耕作は、その男を殴り殺してしまう。警察から追われ、この地へたどりついたのだった。2ヶ月たち、耕作と民子、武志はまるで家族のよぅに親しくなっていった。しかし、祭りの夜、警察は耕作を発見する。そして、パトカーで牧場にやってくるのだった。

◎いつもの「男はつらいよ」のメンバーがいっぱい出てくるけど、山田洋次の映画は安心して見ることできる。パターンも見え見えだけど、わかっていても、見てしまい、感動がある。
耕作はみたいにまじめに一生懸命働く人が、たとえ殺人を犯したとしても、きっと逃げ回ることはないだろう。つかまりたくない、という理由が見あたらない。そうならなければこの物語は始まらないのだけど、きっと暴言を吐いたこんな最低の男のために、妻も自分も壊されていくことががまんならなかったのではないだろうか。

吉岡秀隆も大好きな俳優の一人だ。「北の国から」は全部見たし、最近では「四日間の奇蹟」「AIWAYS 三丁目の夕日」など、頼りない演技が好きだ。いつも困っていて、何かを抱えていることが身体全体ににじみ出ている。それでいて、優しい笑顔で人に接する。目の前の困っている人を無視できない。そんなイメージ。
「男はつらいよ」では、最初の満男役の子は、いつも知らんぷりでただいるだけだけど、彼の満男は周りの人の会話にきちんと反応している。笑ったり、不思議そうな顔をしたり、目が動いている。

ラストの列車の中の場面、民子と太郎が乗り込んできて、「待ってる」と二人の会話で告げるところ、そしてそれを聞いて思わず目頭を押さえる耕作。心に残る場面だ。

「幸福の黄色いハンカチ」を思わせるような場面がいくらかあった。武田鉄也が、この牧場までやってきた道筋など。刑務所に入る高倉健、それを待つ賠償千恵子、この映画のあと「幸福の黄色いハンカチ」に続くのかなとつい考えてしまった。



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