■2008年 日本 145分
■2008.8.1 TOHOシネマズ緑井
■監督 原田眞人
■出演
堤真一(悠木和雄) 堺雅人(佐山達哉)
尾野真千子(玉置千鶴子)
高嶋政宏(安西耿一郎) 山崎努(白河頼三)
遠藤憲一(等々力庸平) 田口トモロヲ(岸円治)
堀部圭亮(田沢善吉) マギー(吉井弁次郎)
滝藤賢一(神沢周作) 皆川猿時(伊東康男)
でんでん(亀嶋正雄) 中村育二(粕谷隆明)
螢雪次朗(追村穣) 野波麻帆(黒田美波)
西田尚美(安西小百合) 小澤征悦
《story》
「命を追った、あの夏」
「走り、叫び、書いた。新聞記者たちの激動の一週間。」
「・・・ジャンボが消えた?」
1985年8月12日、世の中は中曽根首相の靖国神社への公式参拝なるかという動きに注目していた。そこに大きな事件のニュースが飛び込んできた。東京発大阪行き524人の乗客を乗せた日航123便が墜落。北関東新聞の悠木は、この事件の全権を任され、指揮に当たる。佐山がすぐに現地に飛ぶ。しかし現地は山岳地帯で、佐山たちの必死の努力で一報が届いたのは深夜12時を回っており、輪転機の故障ですでに翌日の新聞原稿は送られた後だった。また、悠木の独断で一面の広告カットも幹部を怒らせた。そこに、墜落原因の密かな情報が入ってきた。裏をとるために佐山が動く。深夜1時15分、100%真実であるが、何かおかしいという連絡が入る。悠木はこの記事の掲載を遅らせる。他社の朝日がトップ記事で事故原因をすっぱぬいていた。北関東は二番煎じで翌日に事故原因の記事を載せた。社長の怒りを買い辞職。新聞記者人生は悠木の家族をも奪っていた。親友の息子の言葉で、ニュージーランドで暮らす息子を訪ねる悠木。
緊迫する新聞社内の様子がよくわかった
毎日が戦争状態だ。新聞を作るというのは大変な作業なんだと、今までも思っていたが、勤務時間も何もないとことん突き進むだけ。気が付いたら、自分の周りには・・・。明日の朝には、約30ページの新聞が、家のポストに届いている。今はコンピューターの時代だから、活字印刷ほど大変じゃないかもしれない。でも、毎日の新聞作りはあらためて大変な作業なんだということがよくわかった。スクープを他社に差をつけて取り上げることを目指す。地元の目線で記事を作る。一度、新聞社が取材に来たことがある。作品を前にみんなで写真を撮った。記事を読んで、何だか自分のではないような感じがした。遠くの別な出来事のような。テレビや新聞は、真実ではなく、見る者の心をどうもっていくかを考える。事実はちがうのに、小さなできごとを嘘のない程度に大きく飾りをつけて記事にする。新聞やテレビの出来事をすべて鵜呑みにしてはならない。
悠木や佐山の迫力には感動した。自分の足で登り、自分の五感で感じ、記事にする。一歩間違えば、先に私がいった事実をかけ離れた記事になるかもしれない。でも、目線がどうなのかが大事。取材をされるもの、その記事を見るものに何を伝えたいかが大事。いいことだけを並べても感動しない。記事を書く人たちが本気感じなければ。
あの判断力はすばらしい。躊躇せず、さまざまな場合をあらかじめ想定し、瞬間に道を決める。どうしよう、じーと止まって考える、そして動けなくなる私とは大違い。あの場には私はいられない。
公式サイト「クライマーズ・ハイ」