そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

包帯クラブ

2007年10月06日 | ラブロマンス/青春

2007年 日本 118分
2007.9.30 TOHOシネマズ緑井
■監督 堤幸彦
■出演
   柳楽優弥(ディノ=井出埜辰耶)
   石原さとみ(ワラ=騎馬恵美子)
   田中圭(ギモ=柳元紳一)
   貫地谷しほり(タンシオ=丹沢志緒美)
   関めぐみ(テンポ=本肴阿花里)
   佐藤千亜妃(リスキ=芹沢律希)
   風吹ジュン  岡本麗  大島蓉子  国広富之
   塩見三省  原田美枝子

 《story》

「あの包帯がなければ、ただの10代だったと思う」
「人生をあきらめてしまう、その前に」

「包帯一本巻いて世界が変わったら めっけもんや」

高校3年生のワラは、裕福ではないけど、就職を夢見るしっかりもの。不注意で切った手首をリストカッとだと誤解され、自分を安易なイメージで見ている世間に少し絶望していた。病院の屋上のフェンスに登っていたら、ディノという少年が声をかける。「手当や」と言って、手首から外れた包帯をフェンスに巻く。妙に心が癒されるのだった。次の日、親友のタンシオが失恋し嘆いているのを癒そうと、タンシオが座っていたブランコに包帯を巻く。このことを知ったタンシオのメル友ギモが、世の中の傷ついている人のために包帯を巻く「包帯クラブ」を作ろうと提案。サイトを立ち上げ、相談を受け包帯を巻いた写真を載せ始めた。さまざまなアイデアを考え、写真を載せ、感謝の反響を得るのだった。しかし、他人の心の傷を考えるたび、自分たちの心の傷も浮き上がってきた。ある日、偽善だという非難の書き込みがあり、さらに迷惑行為であると町中でも問題視され警察も動き始める。ワラたちが抱える親友の絆の問題、そしてディノの心の奥底にある暗い影。閉鎖に追い込まれた包帯クラブの仲間が、仲間のために包帯を巻く。

 単純だけど癒される
まるで子どもの「ごっこ」みたいだと思われそう。でも、こんな発想好きだな。大人の戦争ごっこより何倍もいい。包帯ひとつで世界が変わったら、どんなに素晴らしいことだろう。心の傷を負った人の気持ちになろうとするところが、単純ではないことを表している。今の世の中人の気持ちになって考えることが少なくなってきている。自分のことだけで精一杯。自分のことさえどうしようもなく、他人をどこかに追いやってしまう。包帯を巻こうとすることで人の気持ちに触れ、自分の心ともいつのまにか真剣に向き合うようになる。人間って自分を大事にしようと思ったら、人を大事にしなければいけないということがよくわかる。今、自分さえと思ってしまい、それが自分をどれだけだめにしているかを思い知らされる。包帯1本で世界は変わる。自分の世界が変わる。警察官が巻かれた包帯を外している場面は、現実を直視させられる。巻かれた包帯はとらなければならない。そうでなければ汚れ朽ち果て、散らかりゴミとなる。後始末も包帯クラブには必要だ。マンションの屋上に巻かれたたくさんの包帯。それをひとつひとつ片づけていく姿も真正面から見なければならない。これもひっくるめて人の気持ちにふれあえるのだと思う。こういう映画好きだけどなあ。

  公式サイト「包帯クラブ」


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