■2006年 日本 90分
■2007.5.19 シネツイン2
■監督 ウスイヒロシ
■出演
加藤ローサ(谷村愛) 菅野莉央(谷村夏美)
カヒミ・カリィ(真理子) 南果歩(母)
田中哲司(父)
松田洋治 峯村リエ 高谷基史
《story》
「11年前の大切な秘密を伝えるために、
今夜、彼女は目を覚ます」
「姉と過ごした奇跡の3日間。姉妹のかけがえのない夏がはじまる」
夏美は6年生。夏美の姉は、難病で11年間眠ったままだった。夏休みのある日、母の妹の真理子が、外国で事故にあったという知らせが届き、父母はすぐに向かう。夏美は姉の世話をしながら留守番をすることになった。その夜、奇跡が起こった。愛が目覚めたのだ。愛は19才に成長していたが、心は8才のまま。とまどう愛。そして無邪気な好奇心あふれる行動をとる愛に夏美は振り回される。愛は夏美をいいところに連れて行ってあげると言い、工場の地下の、使われなくなった地下鉄の駅に行く。そこにはきれいな澄んだ水が湧いていた。そして、その水には愛の秘密が隠されていた。次の日、再び愛は眠りについた。散らかった部屋の中で愛の絵日記が見つかった。澄んだ水の秘密が綴られていた。
伝えたいこと
人にはだれかに伝えたいことがあるものだ。愛が目覚めたとき、それは夏美に伝えたい気持ち一点だったと思う。だから、目覚めたことを誰にも知らせる必要はなかった。夏美にだけ会えればよかった。だからこそ、ファンタジーなのだと思う。だれかにあの時のことを謝りたい、お礼を言いたい、死ぬ前に話しておきたい、見せておきたい・・・そんなことが人にはあるものだ。ある意味、それが実現して伝えられることは奇跡に近い。誰にも言えぬまま、この世を去ってしまうことの方が多いのだろう。あのきれいな水のこと・・・・難病の恐ろしさから夏美を捧げようとしたこと・・・自分が生きてきたさまざまな思い、そして前しか見ることができない現代の夏美に、もっとさまざまな世界を見てほしかった。素直に受け止めたら、今、自分が残せるものをしっかり作っておきたいと思った。あんなきれいな水は教えられないけど、自分が美しいと思ったものをできるだけたくさん形にしたいものだ。映画鑑賞の記録もそのひとつ。
公式サイト「いちばんきれいな水」
『オデュッセイア』 恩田 陸 新潮文庫 【BOOK】
「ハウルの動く城」や「天空の城ラピュタ」を思い出した。まるで大きな宇宙船みたいな感じがする。自分の生活空間自体が移動するのだ。自分の住んでいる町そのものが動くのだ。夢のような話だが、動くことに何のメリットあるだろうか。さまざまな環境の場所に行けること。気ままに自然に任せて生きている様子そのものなのか。そんな町にあこがれている時代こそ、夢と希望があり、生きる力がみなぎっていた。生きるとは一人ではない。助け合って生きるのだ。でも、そんな町がじゃまくさくなるとき、自然を破壊し、環境をを壊し、いらいらして短気になり、人々は殺し合う。そんな人間の人間たちの生きる象徴なんだろう。ココロコは。
デジタルとアナログ
こんな絵本があった。どちらがいいかということではなく、それぞれの性質に合わせて、いいところがあるということだった。デジタルは、その瞬間を表す。7時20分、7時21分というふうに。でも、アナログは、なめらかな流れを表す。7時20分から21分まで針が流れるように動いていく。
デジタルの体温計は数字だけ。でも、水銀の入った昔ながらの体温計は少しずつあがる。都会はデジタル、田舎はアナログ。私はアナログがいいなあ。いきなり変わる数字や、点だけでできている絵や、0と1の組み合わせの意味不明なものより、なめらかに流れる時計が好き。なだらかな模様が好き。電子の世界より、小さな宇宙の世界の方が夢がある。デジタルの良さもあるけど、なんだかのんびりおっとり感じるアナログがいいなあ。
眼鏡が変わっても
眼鏡が壊れた。修理に出した。10数年前の眼鏡を引っ張り出してかけた。家族のものはだれひとり眼鏡のことを口にはしない。きっと眼鏡が変わったことに気づいていると思うんだけど・・・・関心ないしね。職場では、数人が気づいて声をかけてくれた。気づいて話題にしてくれないってさみしいね。古い眼鏡だから変に見えるだろうなと内心不安な気持ちでいるのに、何も反応がないって、やっぱり自分は影みたいな存在なんだなとさみしくなるよね。それだけ自分が気にするほど人は見ていないということなんだと思う。大事なのはそういう見かけじゃなく、何をして何を言うかなんだね。