■2005年 日本 102分
■2006.7.31 シネツイン1
■監督 荻上直子
■出演 小林聡美(サチエ) 片桐はいり(ミドリ) もたいまさこ(マサコ) マルック・ベルトア(マッティ) ヤルッコ・ニエミ(青年トンミ) タリア・マルクス
《story》
「ruokala lokki」
「かもめ食堂、それはフィンランドのヘルシンキにありました」
「ハラゴシラエして歩くのだ」
フィンランドのヘルシンキという小さな街に「かもめ食堂」という小さな店がオープンした。日本からやってきたマサエの店だった。メインはおにぎり。しかし、なかなかお客は来てくれなかった。そこに、日本オタクの青年がやってきた。初めての客だった。マサエはコーヒーをごちそうするのだった。その青年からガッチャマンの歌詞を聞かれるが、出だしだけでそのあとが思い出せず、マサエは気になってしょうがなかった。そこで本屋にふらっと出かけてみた。本屋のカフェでムーミンの本を読んでいる日本の女性がいた。思い切ってガッチャマンの歌を聞いてみたら、すらすら歌うではないか。マサエはこのミドリと名乗る女性を家に招待する。そこから、この女性はかもめ食堂を手伝うようになる。
のぞくばかりの3人のフィンランドのおばさんが、焼きたてのパンの香りにつられ店に入ってくる。そして、かばんをなくした日本の女性が入ってくる。マサコと名乗るこの女性もかもめ食堂を手伝うことになる。次第に店は繁盛していく。
◎取り立てて大きな事件があるわけでなく、多くが店の中での場面。コーヒーを入れる。おむすびをつくる。パンをつくる。何気ない会話がある。でも、それだけでほんわかしてくるのはなぜだろう。日本から遠く離れた国の街の片隅にある小さな食堂。でも、なぜか違和感がなく、懐かしささえ感じるのはなぜだろう。「かもめ」という名前さえ駄作でもなく、かっこいい名前でもなく、それでいて新鮮さがある。「食堂」でもそうだ。これが日本だったら、さびれたおんぼろの大衆食堂だけど、フィンランドにあるというところに、新鮮さがあるのだろう。それに、お客がいなくても、落ち着いて堂々と自信を持って、コップをきれいにしている姿が清潔で新しいイメージを作っている。さらに「おむすび」という日本ではありふれた一般家庭で作られるものを大事にしているところがいい。日本の米の、ごはんのおいしさは、わかっているようで感じていない。
不思議なことがある。この食堂の片側の壁は鏡だった。通りに面しているところは大きなガラスでよく反射していた。それなのに、カメラが写らないようによく撮影できたものだと思う。どこにカメラがあってスタッフがいるのか、不思議でならなかった。
ラストの「いらっしゃい」では、よし行こう、とつい思ってしまう。フィンランドに行きたくなる。本当にカモメ食堂があって、おいしいコーヒーとおむすびを食べたくなる。
公式サイト「かもめ食堂」
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