ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

水族館が完成

2011年12月14日 23時06分57秒 | コンケン 第9特別教育センター
朝からはりきって、昨日の水族館づくりの続き。   (→ 昨日ブログ 「水族館を作る」

水族館には、かわいい魚がいるといいな。
タイの子どものように愛矯たっぷりの魚がいいな。

デザインを考えてみるけど、こんなのどうだろう?
    


昨日、食堂からせっせと運んできた段ボールに何種類かの魚を描く。
これに、色を塗ったり、ちぎり紙を貼ったり、切り紙を張ったり、
それぞれのスキルに応じて課題が与えられるようにしないと。
     


ちぎり紙は、どこにどの色を貼るのか、分かるようにさきにお手本貼って渡す。
     


スキルの高い子や、何人かで共同作業をさせる魚の場合は、
ちぎり紙と、色塗りのミックスもいいかも。
なんていろいろ思うけど、絵具ひとつがみつからないのが、この部屋。
昨日あったものが、今日はない。
昨日置いてあった場所には、もう別のものがあり、混沌としている先生の部屋。
     

先生たちもいつもあれこれ探し物をしている、この部屋。
あるべきものを探すだけで時間がかかり、作業能率が落ちる、でも
それがここでは普通、という世界。
仕方ないから、それも見込んであせらずがんばって準備する。


絵の具を探し回り、他の教室まで行き、やっと見つけて用意していると、
先生が、
「さちえ、一人、絵具の匂いがいやで吐いちゃう子がいるのよ。」
という。
絵具の匂いがだめな子。今までずっと一緒にいたのに気付かなかった。
私の子どもの理解の浅さに悲しくなり、すごく反省する。
同時に、この先生たちは、子どもをよく見ているし、理解していると思う。
タイの先生たちには、日本でもそうであるように、素晴らしい先生が存在するのだ。
     
 

絵具の匂いがだめな子は、お母さんに確認して、ちぎり紙の作業をすることにし
絵具の匂いがなるだけ届かないように、みんなからはなれた場所で
作業することにする。


一人ずつ、好きな魚を選んで、作業方法を確認し、魚作りスタート。
    



タイの人たちは、指示を聞かずに勝手にやりだすことが多い。
それを分かっていながら、それを補うことができず、
あちこちで、ハプニング。
     


塗っちゃいけないところまで真っ黒に塗りつぶしてしまったナマズ。
すべて真っ黒になっちゃったから、どうしようかと思ったけど、
目や口やひげを段ボールや色紙で上から再度貼りつけ手を加えて
ほら、こんなに立派なナマズが完成。
     

真っ黒に塗りつぶしたとき、「あっ!」と言ってしまった時の、
お母さんの心配そうな顔。
他の先生が「さちえ、マイペンライ!上から紙を貼ればいいじゃないの」
と言われて、これまた、保護者と子供の前で困った顔を見せて
不安にさせてしまったことを反省した。
それと同時に、これまたタイの先生たちの
「マイペンライ(大丈夫!)」
に、救われたし、教えられた。
タイでは、子どもたちが形から外れても、失敗しても、
それをすべてゆったりと受け入れ、「間違い」とはしない懐の広さがある。



これも、指示とは違うところまで色を塗ってしまって、
ああ、どうしよう・・と一時は考えたけど、
それも、かえってその子の味が出て、いい仕上がり!
    



さて、あちこち
「クーサーイ!ここはどう塗るの?」
「クーサーイ!目を作ってよ!」
と、呼ばれてあたふたしているうちに、なんとか子どもたちの作業は終了。
目玉を貼ってあげたり、段ボールを切れない親子のを切ってあげたり、
線を描き足したり、ちょこちょこと修正し、魚たちが完成。
わあ、色とりどりで子どもたちの個性が見えるみたい。
      


イーッ先生が、
「このナマズの怒った顔、あの子の怒った顔とそっくり。」
「このイルカの目、よく笑ってるあの子の目みたい。」
と、作った子どもそれぞれの共通点を見つける。
ホントだホントだ、あの子はこういうときにこんな表情をするよね、
と、子どもの作品と子どもの話でひととき盛り上ってうれしくなる。


こういう、子どもの作品と子どもを結びつけて、愛情をむける先生が
タイにもいる。
日本では先生を非難することの多い悲しい世相があるけれど、
この仕事は、やっぱり、子どもを好きでいつくしんでいる人間が圧倒的に多いのだ。
タイでも日本でも。
      

出来上がってから、廊下に貼りたいとお願いして午後からはその作業。
いつもそうなのだが、こういうとき、結構一人で作業することが多い。
「手伝おうか?」と声をかけられることもあるが、
「仕事していい?ごめんね、手伝えないけど。」と言われることが多い。
一緒にやりたいけど、仕方ない。
一人で頑張る。
    

まずは廊下に並べて、レイアウトを考えて。
     


全然足りない色模造紙や両面テープをどうにかこうにか使って
廊下の壁に貼っていく。
     


通りかかったほかのクラスの先生が、
「さちえー。なんてきれいなの!」
「すてき!私のクラスでも作って。私のクラスでは動物園がいいなー。」
といろんな声をかけてくれる。
「写真撮ってあげるねー。」
と、写真だけとって「じゃあねー。」と去っていく。
     


タイって、あっけらかんとしているのだ。



「水族館」と描いて貼る。
    


一人黙々と作業を始めてから3時間がたち、
できあがった!とイーッ先生とオプ先生に知らせると、
「すてきねえ!」
「さちえ、一人ひとり作った子の名前を書いて貼ってよ。」
ええー!名前書くの苦手で、先生たちに簡単にできることが
私にどれだけ時間がかかるか・・・。
でも、がんばる。
これで、どうだ。
     


要望通り、名前をそれぞれの魚に貼りつける。
     



これで午後4時。
一人作業を始めてから4時間経過。
一日かかってしまった!
ガイドブックづくりが、今日もまたできなかったー。


「今度こそ、できたよ!」
と伝えに部屋に入ると、
「ヌーアイマイ?」(つかれた?)
と聞かれるけど、いやいや、疲れているけど楽しい。


明日、子どもたちが来て自分の作品が廊下に並んでいるのを見ると
どんな顔をするだろう。
それを考えると、もう、わくわく。
     


  พิพิธภัณฑ์สัตว์น้ำ(อควอเรียม)ピピッタパンサッナーム 水族館



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