トランプショック 元国務副長官が“未知との遭遇”警告「露中の指導者は無知に付け入り関係覆しにかかる」 ZAKZAK 2016.11.10
「トランプ氏が称賛するロシアと中国の指導者(プーチン大統領と習近平国家主席)は、彼の外交への無知に付け入り、米国と同盟国の関係を覆しにかかるだろう。トランプ氏がおとしめられたとき、どう反応するか誰にも分からない」
トランプ氏の外交・安全保障政策に、理念や原則を見いだすことは難しい。「米国第一」主義の下で、損得勘定による「ディール」(取引)が先に立つだろう。だとすれば、オバマ政権のアジア太平洋におけるリバランス(再均衡)戦略はどうなるのか。
トランプ氏の顧問の一人、ランディ・フォーブス下院議員(共和党)は「トランプ氏の考えは、米国が一つのカゴ(地域)に、すべての卵を入れておくことはできない、ということだ」と代弁する。戦略はほごになるとの見立てだ。
振り返れば「オバマ時代」の約8年間、米国は指導力を相対的に低下させ、内向きになる軌跡を描いた。トランプ氏はそれどころか、「国際秩序から、米国の指導力と役割を外すことを望んでいる」と、ブルッキングス研究所のトーマス・ライト氏はみる。
ライト氏は、こうした孤立主義志向と、“ディール外交”が「国際社会の平和と安定に大きな衝撃をもたらし、国際秩序を解体する可能性がある」と指摘する。
一方、選挙戦を通じて露呈した社会の亀裂の修復も急務だ。「トランプ旋風」を支えた、経済回復の恩恵を実感できない白人の中・低所得者層の不満にも確実に応える必要がある。
「さもなければ、国家はさらに分断され、一層の困難に直面するだろう」
ラトガース大学のデビッド・グリーンバーグ教授が警鐘を鳴らした。 (ワシントン 青木伸行)
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