王者フェルナンド・アロンソは、現地時間(以下、現地時間)13日、ルノーのプレスリリースを通じ、「これから僕は新たな冒険に旅立つ」と語った。マクラーレン・メルセデス移籍を前にしたルノー最後のインタビューで、2度のダブルタイトル獲得、ミハエル・シューマッハとのバトルなどについて言及している。
Q:今シーズン、あなたは途方もないプレッシャーにさらされた訳ですが、それはあなたがF1界の伝説的存在、ミハエル・シューマッハとの戦いを繰り広げていた点が大きいでしょう。戦いを振り返って、どうですか。
フェルナンド・アロンソ(以下、FA):ミハエルとタイトル争いができて、最高だった。名誉なことだと思う。僕は2005年の時点で、ミハエルが現役でいるうちにタイトルを獲得することが重要だと言った。F1界以外の人々がチャンピオンシップに対して価値を見出し、彼らに正当に評価されるためにね。でも、僕らが直接対決したのは2005年シーズンではなく、今年だってみんな言ってる。今年はシーズンを通じて僕とミハエルの一騎打ちが続いたってね。『ミハエル最後の2シーズン、どちらもタイトルを制覇したのはアロンソだった』って歴史に残るんだ。そう思うとすごく誇らしいよ。ミハエルは家族とともに新しい生活を始めるけど、今後は彼の成功を心から祈っている。彼のライバルとして戦えて、光栄だった。
Q:あなたは中国GPでシューマッハにポイントを譲りましたが、その後の日本GPを見事な走りで制しました。あの時は、シューマッハのフェラーリ(のマシン)がトラブルを起こして……。
FA:まあ、フェラーリが速いのは分かってたけど、ルノーだってそれだけの速さがあると信じてたからね。それに、今回のチャンピオンシップでは、時が僕らをそれぞれ相応しい場所に導いてくれるという確信があった。僕らはイタリアGPでトラブルに襲われ、これまでのアドバンテージをすべて失い、日本GPでその借りを返してもらった。あれですべてイーブンになった。これがF1の世界だよ。でも、チャンピオンに相応しかったのは自分たちだという気持ちが変わることはないし、F1こそ最高のスポーツだとアピールするには、ある意味、ああいう勝ち方をするしかなかったんじゃないかと思う。
Q:あなたはF1史上最年少で、2年連続のダブルタイトルを獲得した訳ですが、これはもう最高の気分でしょうね。
FA:もう信じられないよ! その瞬間は去年と同じ。頭の中が真っ白になって、何が起こっているのか分からなくって。でも、日が経つにつれて、ルノーチームと自分が成し遂げたことを誇らしく思うようになっていった。この気持ちは年を追うごとにまた少しずつ強くなっていくだろうな。ワールドチャンピオンシップ制覇は、F1界最高の栄誉だからね。嬉しくてたまらないよ。
Q:2006年シーズンの終盤、あなたはキャリアの新しいページをめくることになりました。ルノーに別れを告げることを寂しく思っていますか。それとも、今後に胸膨らませてというところでしょうか。
FA:両方だよ。ルノーは素晴らしいチームだったんだからね。彼らとは家族のようなものだし、これからもずっと僕の心にその存在は残る。彼らとは何年も過ごしてきたけど、レース後の祝勝会に至るまで、素敵な思い出がいくつもある。ミシュランもF1から撤退するけど、このことも僕にとっては大きな意味を持つ。僕は2001年シーズン以来ずっとミシュランのタイヤで走ってきたからね。撤退する訳だから、彼らは今季を投げ出すことだってできた。ミシュランには、会社でもサーキットでも困難な時期もあった。でも、彼らはレースとF1に対して真摯な姿勢を示してくれた。ミシュランは再び競争力を高めて、タイトル獲得に必要なアドバンテージを僕らに与えてくれた。こうしたことについて、僕は彼らにお礼を言うことしかできない。でも、チャンピオンという正しい形でシーズンを終えることができて嬉しい。これから僕は新たな冒険に旅立つよ。
Q:あなたはF1界唯一の世界王者として2007年シーズンに臨むことになる訳ですが……。
FA:だからといって僕自身や、自分の姿勢が変わるとは思わない。僕はいつだってとチャンピオンになることに強い気持ちを抱いているけど、大事なのはマシンとドライバーとのコンビネーション。僕がこの数年走らせてきたような優れたマシンがなければ、ワールドチャンピオンにはなれない。ミナルディにいた頃は、ただもう最下位にならないようにするだけで精一杯だったけど、あの頃と比べて、今の自分がそれほど変わったとは思わないよ。
Q:来季、マクラーレンでの優勝の見込みは?
FA:マクラーレンはとても強いチームで、財源も豊富。今季はいいシーズンを過ごせなかったけど、みんなで懸命に努力すれば、僕も来季100%の力を発揮できるようになると思う。どこのチームでも同じことだけど、慣れるまでには時間がかかる。でも、僕はいつもやっているように、全力を尽くして走り、優勝を目指すつもりだ。
個人的にはフェラーリのキミ・ライコネンに頑張って欲しいです。
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