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台湾新幹線はトヨタ製…あれ?

2009年12月21日 23時45分04秒 | 台湾日記

(台湾新幹線はトヨタ製か…、って違うでしょ!) 

12月のはじめのことだった。ある日、取材のために台湾新幹線こと、台湾高速鉄道に乗って南部に行った。いつものように切符を買ってプラットホームで列車を待っていた。しばらくすると、列車が入ってきた。でも、列車の車体は以前と違う。車窓の上の部分に「TOYOTA」という赤い字があったからだ。台湾高速鉄道はJR東海、JR西日本共同開発の700系の改良型列車で、日本の新幹線の初めての海外輸出。製造は川崎重工、日立製作所、日本車輌製造のはずだが、なぜ、「TOYOTA」なのか?

実はこれ車体広告。「TOYOTA」という赤い文字のほかに、トヨタのロゴ、ALL NEW、希望・無限などのキャッチフレーズ、そして新発売の自動車の写真まで。台湾の新幹線に車体広告が出るのは初めて。新幹線の車体広告は日本でも聞いたことが無い気がする。見間違いではないだろうかとも思ったが、よく見ると見間違いでも夢でもない。台湾高速鉄道では高級なイメージを定着させてきた。バスのような車体広告はイメージダウンにつながると心配していたのだ。だが、赤字経営の現実についに屈したか。 

最近、台湾高速鉄道は列車に車体広告を施すため、一編成の列車を二日間ほど運行停止にしたほか、その車両内部にも家庭電気器具の広告を掲載した。台湾高速鉄道に融資している金融機関も広告のスポンサーになった。選挙のコマーシャルでなければ何でもいいようで、今後はお酒の広告や食品の広告も登場するそうだ。(ちなみに車内でビールは売っていない!)

しかし、台湾高速鉄道における初の車体広告は決して安くない。三ヶ月間の費用は台湾元3000万元。日本円にして約8000万円だ。車内広告も一年間で台湾元2000万元、日本円約5400万円。トヨタは広告自体の効果よりも「一番乗り」の話題性を狙ったのかもしれない。

(トヨタの自動車「WISH」の広告。「全新改款、耀眼登場(全面的モデルチェンジ、まぶしく登場)」というキャッチフレーズが勇ましいが、台湾高速鉄道の苦境と対照的なイメージだ)

台湾の一部のインターネット利用者は今回のスポンサー「TOYOTA」の発音をもじって、台湾高速鉄道のことを「頭又大(北京語の発音では“トウ・ヨウ・ダア”。また、頭が大きくなった。また、悩みが増えたという意味)」と皮肉っている。それもそのはず。開業から赤字経営に悩んでいる台湾高速鉄道、一日に台湾元1億元(日本円約2億7000万円)の利息を支払わなければならないのだ。何もしなくても1億元。支出を減らせないのなら、手元の資源を利用して収入を増やすしかない。車体広告のほか、台湾高速鉄道はビジネスクラスの車両の利用率を高めるため、最近、ある大手銀行とタイアップして乗車券のグレードアップ販促イベントを行っている。その銀行のクレジットカードを使って乗車券を買った場合、一般の指定席からビジネスクラスにグレードアップされるというのだ。

開業して三年近く。台湾高速鉄道はついに赤字を素直に受け入れて本格的に動き出したという感じ。台湾高速鉄道、頑張って!(旺)



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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (???)
2009-12-22 14:43:27
利用客数が予想通りなら、途中からの設計変更や開業遅れが赤字の大きな原因でしょうね。

TOYOTA新幹線の写真をアップしてください。
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Unknown (???)
2009-12-22 15:57:37
多謝

写真があると良く解る。

三ヵ月後にこの車体広告がどうなっているか、もう一度取材してください。
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ビール(ぴーちょう) (Unknown)
2009-12-23 13:55:33
少し前から、高鐵(台湾新幹線)の車内販売でビール(50元?失念)を販売するようになってます。私は、購入して飲みましたが、台灣の方は飲みません。
販売停止になったのでしょうか?残念ですね。
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ビール (Unknown)
2009-12-24 00:40:08
はじめまして。私も高鉄でビール買ったことあります。
夏ごろから売り始めた記憶が。
ただ、売り子さんのカートには載ってなくて、頼むと持ってきてくれました。
台湾の人はああいうところで飲む習慣がないから、という話を聞きました。
でも夏以来買ったことないので、知らないうちに終わったのか??
まだ継続中なのか知りたいです。
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ビール (Unknown)
2010-04-13 22:00:06
報告をしようしようと思っていて忘れていたのですが、やっぱり今でも車内でビール売っていましたよ!
やっぱり頼むと持ってきてくれる方式でした。
同乗者らと複数本購入したのでいくらだったかあまりはっきり覚えていないのですが、コンビニで買うより高いなと感じた記憶があります。
でも会社の女性などに聞くと、やっぱり台湾の方の感覚だと、新幹線内でビール、というのはマナー違反と感じるそうです。
ビジネスクラスですと、人もまばらですしビジネス客だからいいんじゃないでしょうか、という意見でしたが、一般車両の混雑時は避けた方が気が楽かもしれませんね。
以上、ご報告でした。
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