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『不能没有「イ尓」』が第53回アジア太平洋映画祭・最優秀監督賞を受賞!

2009年12月19日 23時12分21秒 | 台湾日記

 17日から高雄県で行われているアジア太平洋映画祭の受賞発表式が19日夜、盛大に行われました。
 アジア太平洋の国・地域が参加する同映画祭は、1954年以降ほぼ毎年続けられてきた伝統ある映画祭です。今年は、16の国・地域から、58本の映画が出品されました。

 同映画祭の参加作品は、各国・地域の厳正な審査を経た上で出品されているので、いわゆる「ノミネート枠」というものがありません。
 つまり、最優秀作品賞などなど、それぞれ1つしかない受賞枠を、58本の映画が一斉に争うわけで、その価値は非常に重いと言われています。

 今回、何と言っても注目を集めていたのは、台湾の戴立忍・監督の作品『不能没有你(あなたなしでは生きていけない)』。現代社会の片隅で苦境を生きる父娘を描いた、実話を元にした社会派作品で、舞台は映画祭の会場となった高雄です。
 同映画は、アジア圏最大の映画祭であるゴールデン・ホース・アワードで今年の最優秀作品賞など4部門を総なめにし、話題を呼びました。

 地元の熱い思いが審査団に届いたのでしょうか、『不能没有你』は、数ある作品の中から見事、第53回アジア太平洋映画祭・最優秀監督賞に輝きました!
(上の写真:受賞の感想を語る、『不能没有你』の戴立忍・監督)

 戴監督は、受賞を喜びながらも、「完全に笑う事はできない」と厳しい表情を崩しませんでした。
 実は、同映画に出演した女の子が、マスコミの過度な注目により私生活を暴かれ、監督は大変心を痛めているとの事。同作品には、センセーショナルのみを追及するマスコミへの風刺も含まれています。
 大きな賞を受賞した社会派監督の真剣なコメントは、作品の価値や現代社会の問題を、より深く考えさせるものでした。

 さて、栄えある最優秀作品賞に輝いたのは、インドネシアの『THE RAINBOW TROOPS(天虹戦隊小学)』でした。

 


誇らしげに挨拶するインドネシアの代表団  


最優秀主演女優賞:張榕容『陽陽(ヤンヤン)』(台湾)  


最優秀主演男優賞:張家輝『証人』(香港) 

 その他、タイやインド、シンガポールなど、国際映画祭らしく、受賞者には多彩な顔ぶれが揃いました。
 残念ながら日本からの出品、『火天の城(かてんのしろ)』(東映)・『真夏のオリオン』(東宝)・『板尾創路の脱獄王』(角川)・『60歳のラブレター』(松竹)はいずれも賞を逃してしまったのですが、18日に特別上映された『板尾創路の脱獄王』は、台湾の若者たちから喝采を浴びていました。

 


レッドカーペットを歩く吉本興業の板尾創路・監督

 


台湾国際放送のインタビューでマイクのカバーを振るおちゃめな板尾監督

 また、台湾でも人気の俳優の武田真治さんと女優の菊川玲さんは、特別ゲストとしてプレゼンターをつとめ、覚えたての中国語で挨拶していました。 


 レッドカーペットを歩く武田真治さんと菊川玲さん

 第53回アジア太平洋映画祭の理事長をつとめる国民党の周守訓・立法委員は、「このような国際文化活動が台湾の、特に南部で開かれた事の意義は大きい」と、映画祭の開催を喜びました。  


台湾国際放送のインタビューに応じる周守訓・理事長


「日本のみなさん、ぜひ高雄に来てください」
と手を振る楊秋興・高雄県長

 映画祭の成功と台湾勢の活躍と共に、これまで、北部に集中しがちだったこうした国際交流の舞台に高雄が選ばれ、各国・地域から集まった人々が新しい台湾を発見してくれたのはとても喜ばしい事だと思います。
 日本の代表団の方々も、台湾の人々の歓迎を喜んでいました。
 映画を通して、アジア太平洋の人々が一同に会するアジア太平洋映画祭、来年も楽しみですね!
 来年も頑張れ、台湾!日本にも、来年こそはきっといい知らせがありますように!(華)



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