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88水災から半年、被災民の新住宅が完成

2010年02月24日 21時38分49秒 | 台湾ニュース

 昨年8月に台湾を襲った大規模な台風災害、「88水災」から、今月の2月8日でちょうど半年を迎えました。 
 昨年8月7日に台湾北部に上陸した台風8号は、事前の予想に反し、台湾南部に記録的な豪雨をもたらしました。中南部、東部各地では、僅か数日の間に、およそ一年分に相当する降水量が観測されました。
 降水量が最も多かったのが8月8日であった事から、台湾では「8月8日の水災害」という意味で「88水災」と呼ばれています。 
 土砂崩れや河川の氾濫によりもたらされた人的・経済的被害などは、台湾史上最悪と言われています。(関係過去記事一覧)

 88水災からちょうど半年となった先日2月8日、復興の一段落を告げる明るいニュースが飛び込んできました。 
 88水災によって家を失った被災者らに無償で提供される新築住宅の第一陣が、ついに完成し、引越し作業が始められたのです。


高雄県内に作られた新住宅に入居し笑顔を見せる被災者
無償で提供された新住宅には、
必用な家具・家電などが完備されている
(写真提供:中央社)

 通常、自然災害で住む家を追われた人々には、仮設住宅などが提供され、引越しなどに際しては一定の補助が出されます。
 ですが、被災者のほとんどは、山間部で農業に従事していた人々。田畑も流され、文字通り全てを失ってしまった人たちが、補助が出るとは言え、自己負担で一から新生活を始めるのは、想像以上に難しい事です。また、一部の地域は、災害対策上、人が住み続けるのは不適切と判断され、元々いた村に戻れなくなった人たちも少なくありません。
 そのため政府は、被災者に対し、無償で新築住宅を提供するという、大胆な決断を下しました。

 合計で10箇所、2400戸近い新築住宅が作られる事になり、中でも、全体の半数以上、1540戸の新住宅が入る事になる高雄県内の土地に、1月末、第一陣として628戸の住宅が完成。
 88水災からちょうど半年となる2月8日、およそ500世帯が、初めて引越し作業に取り掛かり、2月11日には、馬英九・総統や呉敦義・行政院長も参加し、この新しいコミュニティーで、入居のセレモニーを兼ねた食事会が開かれました。


2月11日、被災者が入居する
高雄県内の新コミュニティーでの青空お食事会
(写真提供:中央社)

 2月4日の段階で、避難生活を続けていた被災者は1400人あまり、今回の第一陣入居で、大多数の被災者が、半年に及んだ避難生活に終わりを告げました。
 入居式が行われた2月11日は、旧暦の年の瀬でした。台湾のお正月は旧暦が本番で、今年は2月13日が大晦日、14日が元旦でした。
 一年の始まりである旧正月を家族で温かく、安心して迎えるという事は、台湾の人々にとって、何よりも大切です。
 生まれ育った故郷がなくなり、新しい場所、新しい環境で再び全てを始めるというのは、辛い作業でもありますが、入居した被災者たちは、新しい年を自分たちの家で迎える事ができるという安心感で顔をほころばせ、嬉しそうにお正月の過し方などを語り合っていました。

 88水災によって、台湾はあまりに多くのものを失いました。国内外のマスコミの目が被災者や復興現場に向く事もほとんどなくなりました。
 ですが、この半年間、全ての関係者は共に努力し、半年目という節目を、前向きな形で迎える事ができました。
 これからも、困難は続きますが、台湾が引き続き見事な復興を遂げる事を、心から応援して行きたいと思います。(華)


2月4日、88水災から半年を前に行われた復興状況説明会
左から二番目は台風8号被災復興推進委員会の陳振川・副執行長



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1 コメント

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Unknown (???)
2010-02-25 13:08:02
未だ目標の、
1/4~1/5の住宅が出来たばかりなので、順番待ちの人たちの住宅建設予定が何時なのか、気にかかりますね。

これから、
生活の糧を何に得ていくのでしょうか?
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