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「台湾加油讃」がオープン

2011年06月15日 13時52分38秒 | 台湾日記

 6月13日、与党・国民党の次期総統選挙公認候補、馬英九・総統の選挙事務所「台湾加油讃」が始動しました。
 12日に行われた開所式では、同事務所のイメージキャラクター(?)的存在、「台湾讃妹団」がダンス・パフォーマンスを披露し、注目を集めました(上の写真)。

 「国民党×ギャルパフォーマンス」という取り合わせは、少々異色の試みです。
 台湾の選挙運動は、大規模な屋外集会やエンターテイメント的要素が取り入れられたイベントなどが目白押しで、日本の選挙と比べるとにぎやかさが目立ちます。
 こうしたアメリカ式の選挙運動を先に取り入れたのは現在の野党・民進党で、一方の国民党は伝統的に、若者や大衆をひきつけるソフト路線の広報戦略があまり得意でないと言われています。


国民党の選挙集会の様子
党重鎮など政治家の演説が続く
(2010年11月の高雄市長選挙)

 来年1月14日に行われる次期総統選挙は、国民党の馬英九・総統と民進党の蔡英文・主席の一騎打ちとなる模様ですが、各種世論調査では、現段階での両者の支持率はほぼ拮抗と言ってよい状態で、馬・総統がリードしているケースでも、差はそれほど大きくありません。
 馬・総統の経済政策や両岸政策は中年層の支持を集めており、現職の強みを生かして選挙戦を有利に進めたいところですが、若者票では蔡・主席に大きく遅れを取っていると言われています。

 そこで、「保守的」「お堅い」という国民党のイメージを変え、若者にアピールすべく誕生したのが、「台湾加油讃」と、ギャルダンスグループ「台湾讃妹団」です。

 「加油」は中国語で「頑張れ」、「讃」は、最近流行りのFace Bookの「いいね!」の中国語版です。
 台湾でのFace Bookの浸透率はすさまじく、今や若者のみならず現代人に欠かせないコミュニケーションツールとなっています。
 「加油讃」は、厳密には「加油、讃!(頑張れ、いいね!)」という意味になるわけですが、「加油讃」の発音は、ガソリンスタンド(加油站)にとても似ているので、「候補者を応援する道の駅」「みんなで候補者を応援するコミュニティ」というようなイメージの引っ掛け言葉にもなっています。
 こんな遊び心も、これまでの国民党にはあまり見られなかったニュー・スタイルの選挙戦略です。

 「台湾讃妹団」も、発音と漢字を引っ掛けた「素晴らしいグループ」「ギャル応援団」というような意味で、今風のギャルたちが国民党の選挙運動のイメージキャラクター的存在として活躍すること自体、かなりのイメチェンです。
 また、みんながおそろいで着ているTシャツのロゴ(親指を立てた「good」ポーズ)は、Face Bookの「いいね!(讃!)」をモチーフにしたものです。
 陣営でTシャツを作り連帯感を楽しむようなこうした選挙グッズはこれまでもよくあったのですが、民進党のTシャツはポップでオシャレなデザインが目立つのに対して、国民党のものは、候補者の名前がでかでかと書いてあるような、ちょっと古臭いタイプが多かった気がします。
 このTシャツひとつからも、国民党の今回の選挙戦略が見えてきます。

 


今風Tシャツで「台湾讃妹団」と記念撮影する馬・総統

 国民党の新しい試み「台湾讃妹団」、ネット上では早くも、団員ごとのファンが登場するなど、狙い通り(?)若者の話題を集めている様子です。

 一方、「品がよくない」「ヘソ出しすればいいというものではない!」など、否定的な意見もちらほら。
 例えば、民進党の選挙集会などにもよく若者のダンスグループやバンドなどが参加するのですが、確かに、台湾加油讃の開所式の雰囲気を、民進党の集会風景と比べると、ちょっとギャルたちが浮いていたというか、一体感が足りない違和感もありました。


民進党の選挙集会の様子
美女軍団ではないがみな楽しそう
(2010年11月の高雄市長選挙)

 国民党のイメチェンは少々ぎこちなさも目立ちますが、高いところから降りてより有権者に近づこうとする試みは歓迎されるべき方向性なのだろうと思います。
 ただ、民進党が若者の支持を集めている理由は決して、ギャルダンスや流行Tシャツだけによるものではありません。
 民進党に経済政策や両岸政策の強化が求められているのと同様、国民党にも、未来を担う若者をひきつけるより本質的な魅力が求められているのかも知れません。(華)


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