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馬英九・総統、国民党主席兼務へ

2009年10月21日 13時34分14秒 | 台湾ニュース

 馬英九・総統が17日、2007年2月以来二度目となる国民党主席に就任した。
 7月に主席に当選、88水災の影響で9月に予定されていた就任式を延期していた馬英九・総統は、17日に台北県の新荘ドームで行われた国民党の第18回全国代表大会にに合わせ、国民党の第6代主席に就任。
 これで、総統が最大与党の党首を兼務する事となり、今後、政府と議会の連携が進む事が期待される。
(上の写真、主席当選証書を受け取る馬英九・総統)


呉伯雄・前主席(左)から党首印を引き継ぐ馬英九・総統

 馬英九・総統総統は、就任式で「三民主義に基づき、中国国民党の結党精神を守り、党の団結と党内民主を徹底し、選挙公約を実現し、もってより優れた党を打ち立てていく事を誓います」と宣言。
 台湾を主体とし、人民に有利となる事を執政の理念とし、政府と党の協力を強化し国民福祉を増進すると同時に、中華民国の主権を守り、両岸が共に勝者となれる平和のために努力する、と誓った。


国民党の創設者、孫文・初代総理の肖像画に向かい宣誓する馬英九・総統

 日本では最大与党の党首が総理大臣をつとめるのが普通で、「総理総裁」という言葉もあるくらいだが、例えば、伝統的に議会の独立性を重んじるアメリカでは、大統領は党運営とは一線を画している。
 台湾の場合、国民党の一党独裁時代には、党がイコールで政府だったためもちろん「(国民党)主席=総統」という図式だった(蒋介石・元総統の死去に伴い一時的に副総統から昇格した厳家淦・元総統は例外)。

 政党政治の原則に照らして、政権トップが与党党首を担う事は別に悪い事ではない。しかし、議院内閣制の日本と、大統領制のアメリカや台湾とでは事情も異なる(総統府と行政院が並列する台湾の総統制は厳密には大統領制とは異なるが)。
 特に、党国体制が長かった台湾では、2000年の政権交代以降、時の政権は「総統の与党主席兼務」という発想にはあまり積極的でない傾向があり、2008年に政権を奪還した国民党の馬英九・総統も同じだった。

 しかし、政権発足後、自党の与党・国民党が4分の3を占める立法院と行政府の連携に問題が発生。
 また、党の年中行事であった内紛を押さえ、過去にない強い結束力を発揮して2008年の立法院選挙・総統選挙を戦った国民党だが、巨大与党に返り咲いた今、再び内輪もめがくすぶり始めている。

 馬英九・総統は、政策のより円滑な遂行と、党内改革のために党主席選への出馬を決意したと言われている。
  馬英九・総統は、就任式に続いて行われた国民党第18回全国代表大会での主席就任演説の中で、7項目の党改革事項を列挙。
 「選挙買収、不正選挙の徹底追放」「地方派閥の地元利益優先体質の除去」「『党資産』の完全処理」などを進め、「クリーンかつ勤勉で、人民を愛する党となる」誓った。
 20分以上にも及んだ長い演説では、両岸政策、経済問題、88水災への対応など、あらゆる論点への言及がなされていたが、「党改革」に関する部分はひときわ大きな声で高らかに強調されていたのが印象に残っている。

 この日の党大会では一部、12月5日の統一地方選挙で、「クリーンでない」事を理由に公認を外された党員の支持者らが抗議活動を行ったり、くじ引きにはずれ大会での発言権を得られなかった地方代表が不満をぶつけるといったシーンが見られた。
 長い歴史と豊富な経験を持つ国民党だか、それゆえに、堆積された問題も少なくない。
 馬英九・新主席が今後、どのように党改革に取り組むのか、注目していきたい。(華)


呉伯雄・前主席(左)から党旗を引き継ぎ、ぶんぶんと回してみせる馬英九・主席
背景には、中華民国国旗と国民党党旗があしらわれている

10/21(水)の「ようこそT.room」では、馬英九・総統の国民党主席就任式の話題について、式典の模様を交えながら臨場感たっぷりにごご紹介しています。

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