おコメの摩訶不思議

稲作農業の将来展望を考えます。
メールはroughriceの後に@mail.goo.ne.jpです。

相場は生きている 実践編

2007年05月07日 | 商品先物
先般、「相場は生きている」という書籍について、触れましたが、
続編にあたる「実践編」が出版されました。

米穀関係者で、将来、米穀の先物上場に備える意味で、商品先物のことを知りたいとお考えの方にはおすすめの書籍です。

ただ、以前にも述べましたが、
書籍から得た考え方や知識を、どうやって実務に生かすかは、ご自身次第だと思います。

各種の統計、調査結果、あるいは書籍の内容は、読むだけでは書棚の肥やしになるだけで、そこから自分自身にとってどのような意味があるか、どう活用するかを工夫する必要があります。

私も心がけてはいますが、書籍の内容を未だ十分把握できているとは認識しておらず、上っ面だけの利用となっています。
ですが、本質に迫りたいという意欲と、時間によって、いつか自分のものにしたいと望んでいます。


ところで、この書籍は副題が「相場心理学」となっています。
私の考える「相場心理学」は、
まず第一に、相手の事情を察し、そのことを踏まえて、どのような心理状況になっているかを推察することです。

相場における売買の行動は、
1.立場ごとの事情。特に強い事情。言い換えるとやむを得ない事情。
2.立場ごとの心理状況がどのようになっているか。
3.その結果、それぞれの立場の者がどのような売買行動をとるか。
という順序によるのではないでしょうか。

ただ、これらのことは、表面的でしかなく、
値動きには、もっと本質的な事柄が関係しているのだと考えています。

品目横断の加入時期

2007年03月28日 | なんでも
4月に入りますと、品目横断の加入申請の時期となります。

秋まきの麦を作付けされている方は、すでに加入申請の手続きは済まされていらっしゃるでしょうが、秋まきの麦を作られていない方は、これからが申請手続きとなります。

行政は戦後最大の農政改革と自称されていますが、それは行政側の都合でおっしゃっているので、農家からすると「従前の助成水準とそれほど大きな差はない」となります。

ですが、現行対策に加入されているかたは、現状維持という意味で、加入してもよいのではないでしょうか。

これまで、品目横断に関する質問のメールをいくつか頂いていましたが、今後は、この対策の中身を、ゆっくりではありますが、少しずと解説していこうと考えています。

このサイトは、コメをテーマにしていますので、対策の中でも、コメに関することを中心にしていくつもりです。



相場は生きている

2007年03月08日 | 商品先物
タイトルの本が復刊されるそうです。

記憶が定かではないのですが、
確か昭和20年代に発刊された書籍で、上下の2巻だったように思います。

その後、昭和50年代に、
相場は動く、というタイトルに変わって、1巻にまとめられ再発刊されました。

ネットで検索してみますと、
今回は、上下2巻のうち、上巻のみ復刊とのことで、
売れ行きがよければ、下巻も復刊するらしいです。


この書籍は、名著として有名ですので、ご興味があるかたは、ご購入されると良いと思います。

私も読みましたが、
鞘理論が皆さん、お読みになりたのだと思います。

ただし、読んだからといって、驚くほど鞘取りが上達とは思えませんし、
逆に、難しく感じる可能性だってあります。

おそらく、読む人が読めば、一気に上達する、ってことがあるかもしれない、と感じます。

この書籍に限らず、
本を読んだあと、どれだけ具体的に自分の売買に活用できるかが重要で、
いたずらにレベルの高い書籍を読んでも、すぐに儲かる、なんてことはありえません。


【重要なお知らせ】

2007年03月07日 | なんでも
このブログのほかに、同タイトルのHPを運営していましたが、
更新もままならず、この際、閉鎖することとしました。

すでに、契約も解除し、もうしばらくでデータが消えるはずです。

当ブログは、このまま維持していきますが、
HPにブックマークされている方は、ブックマークをこちらのブログに変更頂きますようお願い申しあげます。

taisa

構造の変化と所得配分

2007年02月25日 | なんでも
世の中、大きく変わった、とよく言われます。
いったい何が変わったんでしょう。

ここでは、所得の配分、という視点から、構造の変化を考えて見たいと思います。

たとえば、企業が稼いだお金は、
税金、配当、役員報酬、賃金、へと分配されます。

税金ですが、
これは所得の再配分という側面があります。
(教科書的ですが。。。)
この部分は、今更言うまでもなく、よりフラットになっていますし、今後もこれが進展していく方向です。

問題は、配当、役員報酬、賃金の分配率です。
こういった問題は、連合が詳しいので、そちらのサイトで調べてみました。

10億円以上の企業における付加価値分配率について、'01年と'05年の比較をしています。
配当は、2.8倍、役員報酬は、1.9倍へと供に増加しています。
一方、賃金は、6.7%の減少です。

もちろん、これは労組の主張ですから、数字に嘘はないにしろ、自らに都合の良い部分を抜き出していると考えるのが妥当で、鵜呑みにはできません。

しかしながら、所得の分配を考えますと、社会全体がどこに比重を置いているか、傾向が伺えますし、今後もこれが拡大すると考える方が無難です。

農業に限らず、社会全体の構造が変わっている中で、これまで通り、良いものさえ作れば、という考え方は、間違いではないとは思いますが、決して有利には働かないように感じます。
何に重きを置くか、でずいぶん違っていくように感じます。

生産の自由化は、流通に何をもたらすか2

2007年02月24日 | なんでも
タイトルは、生産の自由化が、流通に何をもたらすか、としています。
したがって、生産現場で、今後どのような現象が生ずるか、を問題にしているのではなく、流通にどんなことが起こるか、について考えようとしています。

結論から言えば、仕入れ、集荷に優位性が生ずる可能性があると考えています。

自由化の過程を、あらためて振り返って見ますと、
小売→中間の順で、自由化(すなわち規制緩和)が進められてきました。
川下から順に進められてきた、ということは、言い換えれば、自由化が進められていない部分が常にあったわけです。

これは、流通の歪みと考えられ、自由化が進められた部分では、不自由な思いをされてきたのではないか、と推察いたします。

中途半端ではありますが、生産段階で自由化進むと、ようやく国内では一貫した自由流通の環境が整うことになります。
となれば、これまでの不自由が、解消されることになります。
これが、優位性の一つです。

反面、従来どおりの仕組みに依存する生産者は、不利な状況になります。
規制に守られていた生産者の所得が、川下方向に移動する、ということです。
よく行政は、担い手生産者と、それ以外の生産者に分類したがっていますが、環境が変わることによって所得が減少する生産者は、この分類とは無関係です。
要は、環境の変化に対応できているかどうか、です。

今後、流通の段階では、特に集荷においては、優位性を実感できるでしょう。
問題は、集荷したコメをどう売るか、ですが。。。
で、やはり先物の上場が不可欠だ、というのが私の考えです。


生産の自由化は、流通に何をもたらすか

2007年01月10日 | 米穀
お米の世界を、縦に分類すると、
(1) 川下 → 小売
(2) 川中 → 卸売・集荷業
(3) 川上 → 農家
と概ね3つくらいになるでしょうか。

この3つは、
川下から順に自由化されてきました。

まず最初に、規制緩和が行われたのは、小売でした。
それまで、コメを販売するには、許可が必要でしたが、
許可制から登録制に移行し、誰でもコメを販売できるようになりました。
現在では、届出制へと移行しています。

次は、卸売・集荷業で規制緩和がなされ、新規参入が容易になりました。
というより、今日では、小売業者、卸売業者、集荷業者という分類そのものが、無意味なものになっているように感じます。

そして、これからは、生産の現場で規制緩和が具体化します。
その象徴が、国が生産調整から手を引く、ということでしょう。
また、農地法にも規制緩和は及んでいきます。

さて、問題は、このことにどんな意味があって、
今後、川下、川中にどう影響するか、です。

(つづく)

順ざや取り3

2006年11月07日 | 商品先物
先日仕掛けた銘柄に、再度仕掛ける機会が、意外と早く来そうです。
しばらく、もみ合ってましたが、それがまた仕掛けの環境を整えることになる、といった具合です。

実は、もう一銘柄、順ざや取りを期待させる銘柄があります。
しかし、こちらの銘柄は、もう少し先になるのでは、と考えていますが、果たしてどうなりますやら。

ちなみに、順ざや取りとは、手前限月を買って、先の方の限月を売る、という仕掛けです。
これは、ヘッジの基本、というか、ヘッジから発展したものだそうで、
たしか、林輝太郎さんの書籍に解説があったと記憶しています。


保護されている農業、そして日本

2006年11月02日 | なんでも
日本の農業、特に稲作は、国際競争力が無い。
このような評価が、一般的なのではないか、と私は思います。

稲作に国際競争力が無い理由は様々あるでしょうが、
本質的な原因は、「保護」されてきたから。
これも、概ね皆さんに同意を得られると思います。

さて、本題ですが、
前の記事に記載したように、
日本も、アメリカに保護されてきました。
すなわち、日米安保条約です。

したがって、
国家に保護されてきた稲作に国際競争力が無いように、
アメリカに保護されてきた日本にも、国際競争力が無い、と言うことになります。

競争力がないのは、
政治
外交
などが思い浮かびますが、
日本人のチョコより甘い感性も、
該当しませんか?
もちろん日本人全てというのではなく、
TVによく出演する評論家やコメンテーターの、です。

たとえば、
憲法改正です。

本気かどうかはわかりませんが、
「日本国憲法は他国が見習うべきものだ」
と仰っておられる方がいらっしゃいます。
武力の行使を放棄する、ってことを世界が見習うべきだ、と言われているのでしょう。

平和団体と称する方々が主催する「護憲大会」などに、
著名な方々も参加してらっしゃるようです。

「武力の行使を放棄する」ことに共感することはともかく、
実際にそうすることのできる国家なんてあるんでしょうか?

ちなみに、某平和団体のトップの方は、
朝銀から送られた激励の文書を大切に持っておられました。
彼らの言う平和とは、いったいなんなんでしょうか?
また、誰のために、憲法を護ろうとしているのでしょうか?
そして、平和団体とは何の団体なんですか?

保護されて維持されてきた我が国の平和。
冒頭の論法で言えば、
私たちの平和(に対する考え方)もまた国際競争力が無い、ということになります。

依存

2006年11月01日 | なんでも
水田を維持するためには、当たり前のことですが、「水」が欠かせません。
そして、「水」を水田に取り入れるために「用水」が設けられています。

用水を大小という側面から、大雑把に分類すると、
動脈と毛細血管の2種類に分かれます。

水を大量に運ぶための太い用水。
これが動脈にあたります。

そして、もう一方が、すべての水田に水を運ぶための細くて、入り組んだ用水。
これが毛細血管にあたります。
水田に直結している用水は、全て、この細い用水です。

太い用水から、距離的に近い水田は、
水を潤沢に取り入れることができます。

逆に、太い用水から、距離的に遠い水田は、
細い用水を、延々と流れてきた水を利用するしかありません。
しかし、細い用水ですから、
上流に位置する水田で、水を取り入れてしまうと、
下流に位置する水田では、水が不足してしまいます。

したがって、
上流に位置する集落は、水を得やすく、
下流に位置する集落は、水に苦労します。

我が集落は、
下流に位置する集落です。
そのため、水を得るために、上流の集落の方々に、
色々、ご配慮頂かなければならなかったそうです。

百姓にとって、水は生命線ですから、
上流に位置する集落の方が、
「カラスは白いなぁ」と言えば、
「はい、カラスは白いですね」
と返事したとかしないとか(^_^;
早い話が、いいなりですね。

上流の集落のご機嫌を損ねると、
ピタッと水が来なくなったりしたそうです。

キンタマ握られた方は、弱いもんです。


このような力関係は、
個人間では、もちろんですが、
会社などの組織間でも存在し、
また、国家間でも存在します。

我が国もまた、キンタマを握られた国家です。
言うまでもなく、握ってる方は、米国です。

日本は、日米安保という枠組みで、軍事的に米国に守られています。
その根拠は、日米安保条約という一種の契約にあります。

北朝鮮から、自称保有していると言う核ミサイルが飛んできても大丈夫。
だって、アメリカが守ってくれるんです。
なんたって、紙に書いてあるし。
たぶん、大丈夫です。

条約を守らなかったら、条約違反です。
なので、大丈夫。
きっと、アメリカは条約を守ってくれます。
きっとです。

いや、アメリカが条約を守るかどうかが問題ではなく、
条約が存在すること自体が大切で、
核の傘の中にあることが、抑止力になるんです。
北朝鮮の将軍様は、おそらく抑止力をお感じになられているハズです。
たぶん。

本質的に、日本は自国を自国で守ることのできない国家です。
これまで、それでやってこれました。
だから、これからもやっていけるんです。

大部分の人間は、特別な危機感がない限りにいおいて、
過去に機能した仕組みは、
将来においても十分機能すると、感じるのではないでしょうか?
つまり、
これまで大丈夫だったから、これからも大丈夫だ、
という根拠のない安心感です。

しかし、時間の経過に伴う環境の変化は、
当時の前提条件を覆してしまうことがあります。
仕組みや枠組みというのは、
前提条件が整ってこそ、はじめて機能するものです。

そして、前提条件の変貌というのは、
時間をかけ、少しずつ、ゆっくりと進行していくもので、
それは、通常の感性で認識するには、あまりにもゆっくり過ぎます。

私個人は、
日米安保と言う枠組みは、現時点で機能していると考えています。
しかし、将来はどうでしょう?
過去と現在において機能しているであろう日米安保は、
将来も機能するでしょうか?

いつの日か、日本は、
自国を自国で守ることのできる国に変わらなければなりません。
それが、いつの時点かは、誰にもわかりませんが、
そのための議論をこれから少しずつしていく必要があるように思います。