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観たい映画だけしか観てません。今忙しいんでいろいろ放置

『Seventh Code』 (2013) / 日本

2014-01-12 | 邦画(か行・さ行)


監督: 黒沢清
企画: 秋元康
出演: 前田敦子 、鈴木亮平 、アイシー 、山本浩司
観賞劇場: シネクイント

公式サイトはこちら。

東京で知り合った男・松永のことが忘れられず、ロシアのウラジオストクまでやってきた高山秋子。しかし、再会を果たした松永は秋子のことを覚えておらず、「外国では人を信じるな」とだけ言い残して姿を消す。松永の後を追おうとした秋子はマフィアに襲われ、荷物も所持金も全てを奪われてしまう。荒野に捨てられた秋子は何とかして街に戻り、日本人の斉藤が経営するレストランに職住を得て、再び松永を探し始める。そんなある日、店の前を松永が通り過ぎ、秋子はその後を追いかけるが……。(映画.comより)


シネクイントで1週間限定レイトショー上映・・・というのは昨年から聞いてました。真冬の凍てつく夜とはなんとまあこれまた無慈悲な時間帯にやるんだ!と(苦笑) 「黒沢清×前田敦子」ということで、あっさんファンも映画ファンも両方殺到するでしょうに、1日1回上映なんてチケット早く取らないと、とかいろいろ考えてたらやっぱりネット予約は早々に埋まってましたね。
これは3月5日に発売される同名のCDのPVとして作られた作品なので、ソフトとして保存したい方は購入して下さいという、何ともアレな企画ではありますが(笑)、考えて見ればこれと同じようなパターンは昨年発売されたAKB48の春曲『So Long!』でもありました。私も買いましたがこれは大林宣彦監督の64分のPVになってました。もう大林ワールド全開といった感じではありましたね。こうして監督目線でAKBを語ってもらえる企画というのも、お互いにwin-winなので面白いと言えば面白いのですが。

という訳でクイントで観たんですが、レイトだったこともあって結構寝落ちしてしまいまして・・・(苦笑)3月に劇場公開記念特別盤DVDが出ることはわかってたんで、店舗特典が付く所で購入しちゃいました。CDと一緒だからいつものAKB価格でDVD単体で買うより安いしね。ということでこれ書いてるのは3月です(苦笑)


左の赤いのがDVDジャケット。ロシアっぽさ出てますね。右下は店舗特典の生写真。




ジャケットを開けたところはモノクロ。赤と黒でサスペンス調ですね。そしてこの写真は封入のものです。7種あるそうですけどね。
PVの中でも衣装や小物、インテリアなどに印象的に「赤」が使われています。秋子の髪も赤いマニキュアみたいなのが入ってて、赤毛っぽかったような気がするんだけど。



冒頭のシーン、この長回しがお見事。
ウラジオストクのひなびた風景の中を、しかもあまり状態がよくない舗装道路の坂道をトランク引きずって走り回る秋子。体力的にも相当なスペックが要求されるシーンなので注意して観てほしいんですが、NG出してしまったら大変な感じが・・・(苦笑)
これだけのことを一気に撮影していくだけの集中力と、前田敦子のスペックが合致した名シーン。

舞台がウラジオストクと聞いて真っ先に思い出したのは、大好きな映画『ホテル ビーナス』。これもウラジオストクでのお話で、エキゾチックな雰囲気やロケで使われた建物なんかがすごくマッチしてたのを思い出す。実際に暮らしたら日本と比べて不便だったり治安は悪かったりするんだろうけど、風情が無くなった東京とかで暮らしていたら、こういう異国情緒っぽい都市に住むって割と憧れに近い部分はあるかもしれません。

シベリア鉄道の終点でもあるウラジオストクは歴史的にも立地的にも拠点となる場所で、それだけ人も行き来して経済も発展している都市ですが、その発展と同時に、100年前にタイムスリップしてもおかしくないような旧い街並みもまだまだ健在で、そのギャップを楽しみたい欲求を満たしてくれる場所なんですよね。

最初名前を言った時によく聞き取れなくて役名が「敦子」かと思ったんですが秋子でした。ストーリーはかなり荒唐無稽というか(笑)、
「彼にどうしてもまた会いたい・・・」
という一心だけでウラジオストクまで行っちゃうの?? っていうのがまず浮かんだ疑問。そしてまだまだ物騒なロシアにか弱い女子が単身でパタパタと乗り込んで無事に済むわけないじゃないとか思っちゃうんですけど。こんな女性が無防備に歩いてたらいろいろ犯罪巻き込まれますんでこれがロシアだとは思わない方がいいですね。暴行されたり、場合によっては死体が転がってる方が自然な展開なんですが(苦笑)、そこは映画(PV)ということで目をつぶる。

映画じゃなくてPVなんだなあ・・・ というのはストーリー展開もそうで、あの場面であれだけ暴れたら女に気づかれない方がどうかしてるって思わなくもないんですけどね。あくまでも丸く収めたか・・・? と思ったらあのラストです。あれをどう解釈するかっていうのもまた楽しそうですが考えようによっては続編もあり得る終わり方なので、これはこれで興味深いかもしれません。

前田さんは「この撮影はかなり前から決まっていて、黒沢組に入ることはすごいこと」という自覚を持った演技だったと思う。粗削りだけどそこが魅力となっているし、前途が楽しみな女優という雰囲気を出している。彼女の身体能力の高さもこの映画を引き締めていて、とにかくあっちゃん走る走る。それも大荷物持ってアクションって感じなんですが、そういう設定でも本能的に演じることができる人なんだと思います。『もらとりあむタマ子』とはまた違った彼女を観ることができる楽しみです。


★★★★ 4/5点








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