La Rose et Le Vin

バラとワインをこよなく愛するひとのために・・ On boit du vin! / Monsieur Rose

漢和辞典も楽しいものです。

2006年04月14日 10時19分06秒 | 独り言
今日も花曇の朝を快適に出勤、自宅から会社まで道が少々混んでいても車で15分です。
そんな通勤途中にふと疑問に思ったことがありました。それはクリーニング屋さんの看板です。

「○○舎」という屋号を見て、「舎」とはどういう意味だろう?と思ったのです。
ワイナリー和泉屋さんの「家」ってどういう意味だろう?
一度は行ってみたい京都の瓢亭の「亭」ってどういう意味だろう?
よく屋号の最後に使われる「屋」「家」「庵」「亭」「軒」「舎」の違いっていったい何だろう?

皆さんは、こんなこと考えたことはありませんか?
早速、漢和辞典で調べてみましたところ、こう解説されていました。



先ず最も多く見かける「屋」です。和泉屋、大和屋、越後屋、濱屋・・・たくさんありますよね。

尸(おおい、垂れ幕)と至(行きつく)とを合わせて、奥まった寝室の意をあらわす。後に広く家をあらわすようになる。

これに対し牛丼やラーメン店などで使われる「家」の方は、

宀(屋根)と豕(豚)とを合わせて、大切な家畜に屋根をかぶせる意をあらわす。後に人の住む家、一族や一門もあらわすようになる。

ちなみに「屋」と「家」の使い分けは、
「屋」 : 物を入れるために作った建物、商店や職業などにそえる接尾語
「家」 : 人が住むために作った建物、建物の形式や一族一門にそえられる接尾語



天真庵などに使われている「庵」は・・・

いおり、小さな草葺の家、僧や隠者が住む家の意をあらわす。
後に文人・茶人の雅号やその住まいの接尾語としても使われるようになる。



次は「亭」です。京都の瓢亭などが有名ですね。

高(高い建物の意)と丁(真っ直ぐに立つ)を合わせて、すっくと立つ高い建物の意をあらわす。

昔の中国では十里ごとに作り、後に宿屋や料亭、芸事の会場の機能を持つようになる。



来来軒、ホープ軒などラーメン屋さんでお馴染みの「軒」はこんな感じです。

車と突き出る意味を示す干(けん)を合わせ、ながえ(牛馬に曳かせるための二本の長い棒)の突き出た車の意をあらわす。
そこから、屋根から突き出た「のき」の意味に使うようになる。
これが日本に渡ると家の軒数を数えることば、屋号雅号にそえる言葉に変化した。



では最後に「舎」は・・・

余(ゆったりしたの意)と口(周囲を囲まれた場所や地域の意)を合わせて、ゆったりと休息する場所の意をあらわす。
これが「やどや」「人の住む家」に転じて使われるようになる。




いかがでしょうか?面白いものですね。
「屋」「家」「庵」は何となく分かりますが、「亭」「軒」「舎」の成り立ちは興味深いですね。

語源を調べて寄席の名前や落語家の芸名に何故「亭」が多く使われるのか、ようやく理解できました。
また、ラーメン屋さんなどの「軒」を考えると、元々は軒先で屋台のような形式で商売をしていたことが想像できますよね。
「舎」と言えば祇園精舎が思い浮かびますが、あの場所は大金持ちの商人がお釈迦さまに寄進した広大な森です。
ここでゆったりと修行と休息をしてほしいという気持ちが汲み取れます。

最近ではPCのお陰で漢字を調べる機会は激減していると思いますが、たまには漢和辞典を開いてみるのも面白いものですよ。

最新の画像もっと見る