歌の基本

発声~表現まで
歌うためのレシピを掲載

ペットボトルで練習を

2006年05月25日 | テクニック
これはヨーロッパにいた頃、ある先生から教えていただいたのですが、
どうしても顎に力が入ってしまう時、また歯に余計な力が入る時は、
何かをくわえて、または指2本分くらいをはさんで歌うといいというふうに。

自分では力は入れていないつもりでも、ちょっとした理由で、
(例えば、その日悪い夢を見て歯をくいしばってしまった。などでも)
顎が硬くなっていることがあるのです。

最初は先生の指導どおり、指をくわえていたのですが、
指はなんとなく気持ち悪いという人もいますし、よだれがたっぷり指につきますから、10年くらい前から、自分の練習や、生徒さんの稽古には、500mlのペットボトルを使って練習しています。

500mlのペットボトルの胴体の部分を持ち、栓の部分をくわえて歌ってみます。
もちろん発声で使ってもいいですし、曲を練習してもいいと思います。
最初はまるで栓を噛み切ってしまいそうに力がはいるのですが、そのうち栓をはさむようにして口があけられるようになればGood!

また舌が奥にひっこんでしまう場合も、このペットボトルが役立ちます。
舌は、下の歯の内側にくっつくくらいがいいのですが、自分の歯についているかどうかは感覚としてつかみにくいのです。そんな時は、ペットボトルの栓の舌をなめるようにして歌ってみましょう。
異物ですから、歯よりもなめているかどうかが、はっきりわかります。

信じられない方は一度実験してください。
まず、普通に1曲歌います。次にペットボトルを口にくわえてもう一度歌います。
そして今度ははずして普通にもう一度歌います。歌いやすさ(空気の流れ感)が
全然違うはずです。

ペットボトルを噛むことによって、堅く狭くなっていた顎の関節が広げられ、空気の通りがよくなり、歌いやすいのです。ただ口をあけるだけでは、関節を閉じたまま、口の先だけを開けることもできてしまう(そういう人が多いです)ので、それは改善にはつながらないのです。

一度ペットボトルを噛んだからといって、誰も笑いません。
どうぞ試してみてください。