
さて、最新のベスト盤では3枚組3期に構成されていた森高の楽曲だが、私は大きく2期に分けられると思う。デビューからアルバム「ラッキー7」までを前期とした打ち込み中心サウンド、そして「ペパーランド」からが後期としてバンド的サウンド。後期は森高自らが楽器をプレイするようになり、前期とは全く違った音づくりをしている。前期の中で私が好きなのは「ザ・森高」という準ベスト・リミックス・アルバム。この中の「ザ・のぞかないで」という曲は歌詞がかなりショッキングである。今でいうとセクハラを訴えた怒りソングなのだが、最近のアイドル、例えばAKBなどは絶対に歌わないだろうなと思われる内容の歌だ。また、「非実力派宣言」というアルバムも良い。出世作の「17才」が2バージョン収録されている上に、「夜の煙突」はカーネーションというバンドが曲と演奏を担当しており、エッジの効いたノリの良い曲だ。他にも好きな曲はたくさんあるが省略する。後期の曲は、たくさんヒットチャートを賑わせたのでそれらについて触れるまでもないが、派手な衣装の視覚的イメージがだんだんとなくなり、よりアーティスト志向が高い落ち着いた雰囲気の曲が増えたと思う。逆に言うと、前期の奇抜さや、ちょっと他とは違うという面白さに欠ける気はするが。
主婦となりママとなった森高が今後どのような音楽活動をするのか。現在が中期だと言えるように、これからも長く活動をしてほしいと思う。