大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

無敵の男

2009年03月21日 19時39分35秒 | 映像作品
皆さんはスパイダーマンをご存じでしょう。そう、アメリカンコミック発祥でスタン・リー原作で“貴方の親愛なる隣人”のアレです。そして1978年の日本、こちらでもスパイダーマンの実写映像作品が作られました。もちろん無許可では無く、版権を所有しているマーベルコミックと提携しての事です。しかし、コレが原作とは似ても似つかない怪作で、原作と違いスパイダーマンが世界征服を企む悪の組織と戦うわ、敵の怪人が巨大化するわ、あまつさえそれを巨大ロボで迎え撃つわと、スパイダーマンと言うより現在のスーパー戦隊シリーズの様な内容でした。しかし意外な事に、現在はスーパー戦隊シリーズで完全に確立されたこの話の流れ、その礎となったのはこのスパイダーマンであり、実写版ジャパニーズスパイダーマンこそがその元祖だったんです。いやー、そう考えるとなんとも感慨深いものです。しかしあまりにも原作本来の姿とはかけ離れているので、マーベル内でも異端扱いされていました。ただし、アクションシーンは非常に高評価だったとか。余談ですが、同じく70年代にアメリカでも実写版が制作されたのですが、こちらはスタン・リーを始め非常に評判が悪かったのだそうです。

そしてそのスパイダーマン、私も少年時代に再放送で視聴していたのですが、それから数年が経過しテレビ東京でアメリカで制作されたアニメ版スパイダーマンを見るまで、スパイダーマンと言う作品が日本産であり、ジャパニーズスパイダーマンが本来のものとは違うものだとは知らなかったのですよ…。まぁ、現代における“トランスフォーマーがアメリカ産だと誤解される”様なモンですよ。あれは日本で開発された玩具にアメリカが設定付けたのが始まりですからね。その一部始終をリアルタイムで見た世代は語る。

そして数年後の1990年代中期…大手老舗ゲームメーカーの一つ“カプコン”の制作した対戦格闘ゲーム“X-MEN”人気も有り、日本でアメコミブームが起こりました。当然スパイダーマンの翻訳版も発売され、それと同時に他社コミック“スポーン”をきっかけにアメコミのアクションフィギュアブーム到来、そして同じくカプコンから同じく対戦格闘ゲーム“マーヴルスーパーヒーローズ(こちらはマーベルでは無くマーヴルと呼ばれていました)”にスパイダーマンが登場した事もあり、スパイディ(スパイダーマンの愛称)本来の姿が一般にも知られるようになりました。それと同時に…ジャパニーズスパイダーマンは徐々に黒歴史化されていったのでした。まぁ、無理もない話です。

そして現代、2009年春。ここでマーベルが信じられない大英断を下したのです。あちらのオフィシャルサイトのマーベルcomにて、なんとジャパニーズスパイダーマンの映像配信(しかも字幕付き)がスタートしたのでした!!!いや、まさにコレは驚き!個人的には足元が爆発して後方に吹っ飛んだ後に、地面に上半身が突き刺さり足だけの状態でピクピク痙攣したくなるほどのサプライズでした!いやー…黒歴史化していたあのジャパニーズスパイダーマンをネットで全世界配信とは、色々な意味でマーベル大英断したなぁ。尚、こちらからご覧になれます。

私が普段から頻繁に閲覧している“誤訳御免!”というサイトあります。こちらは海外の評判を日本語訳して掲載するという趣旨で、外国人が日本文化に触れるとどうなるか?というネタが凄く好きな私に取っては非常に興味深いサイトです。今回のスパイダーマン配信の件はこちらで知り、そしてその時の外国人達の反応(注 その時点ではまだ配信はスタートしていませんでした)もありました。それを見てみると…やっぱり賛否両論でしたね。スパイディの目が小さくて吊り目とか、パワーレンジャー(一応補足しておきますが、日本のスーパー戦隊シリーズの海外版です)にしか見えんとか、メガゾード(パワーレンジャーにおける巨大ロボの総称)乗り回すなとか。しかしそこにあった翻訳コメントを見ると、意外な事に概ね好評の方が多かったんですよ。これは本当に意外でした…やっぱりパワーレンジャーでならし運転はすでに終了していたからなのでしょうかねぇ?ちなみにその予告編映像、そのサイト内で見る事が出来ます。

その中にあったのですが、その巨大ロボは“レオパルドン”と言うのですが、そのレオパルドンの名称及び存在を知っているアメリカ人がいたという事実!恐らくパワーレンジャーがきっかけで日本特撮調べている内にジャパニーズスパイダーマンに辿り着き、そこからレオパルドンの存在を知ったのでしょうねぇ…しかもこのアメリカ人、“これでやっとレオパルドンの雄姿が見れる!ありがとうマーベル!”みたいなコメントをしていたので、本作を好意的に受け入れてくれたみたいです。ありがとう、まだ見ぬ異国の友よ。

そしてもう一つ気になった事が。これは日本人のコメント欄にあった事なのですが、映画監督で有名なサム・ライミもレオパルドン大好きだそーで…サム・ライミと言ったら実写映画のスパイダーマン三部作を手掛けたあのサム・ライミです。で、企画段階でどんな形でもいいからレオパルドン出そーぜ?と言いだしたらしい(あくまで噂です)のですが、当然ながらマーベルに却下されたそーです‘`,、( ´∀`) ’`,、しかしレオパルドンラブのサムはこの程度では屈せず、二作目三作目でもレオパルドン出させろとしつこく食い下がり続け、その度に却下され涙を飲んだそーです…それが実話ならアンタ漢だよサム・゜・(つД`)・゜・ここまでマーベルが執拗に拒否した理由、それはマーベルがジャパニーズスパイダーマンを黒歴史化した最大の理由、それがレオパルドンだったからです。ですから、その辺を考えても今回のネット配信、三回目になりますがそれがマーベルにとって本当に大英断だった事が分かります。もしかしたら今回の配信でレオパルドン人気が高まって、次にサムが制作予定のスパイダーマン4にて遂にレオパルドンが登場するかもしれませんね。有名映画“インディペンデンスデイ”において、ギャラリーの子供が持っていた人形がソフビのキングギドラだったなんて話を聞いたことが有ります(確かインディペンデンスデイだった筈)…ですから、一番現実的な方法は同じく“劇中の子供が持っている玩具”としてレオパルドンを出させると言った所でしょうか?しかしここは一つ、やはり劇中でも巨大ロボとしてレオパルドンを出させて頂きたいトコロ!ビル街をバックに縦横無尽に大立ち回りを演じるフルCGバリバリのレオパルドン!ああ、スッゲぇ見てぇ!サムだって、どーせやるならここまでやりたいでしょうに!それにスパイディ、アメコミでの話ですがトランスフォーマーと共演した事もあるし。ただ問題は、何と戦わせるか…一番簡単なのはジャパニーズスパイダーマンの敵である巨大化したマシーンベムを出すことですが、それ絶対にマーベルが許可しないだろうし。X-MENにはアポカリプスという巨大化能力を持ったキャラがいましたが、スパイダーマンにそんな奴もしくは最初っから巨大なキャラっていましたっけ…?スンマセン原作は全然知らないんです。

で、現在は第三話まで配信されています。アメリカの方では毎週木曜日に更新となっていますが、時差の都合か日本時間では木曜深夜から金曜の朝方までの間に更新されるみたいです。個人的に一番気になっていたのがキャラの名前で、パワーレンジャーの場合はキャラ名やストーリーが結構アメリカンナイズされていて、特にキャラ名は原形を留めていないと言うのが普通と聞いています。しかし、同サイトその他を見ているとここ最近はそうでは無く、アメリカを始め他の諸外国でも日本産作品はキャラ名等も原作準拠の方が喜ばれる傾向にあるそうです(パワーレンジャー以外)。現在の日本のアニメや漫画やゲームの海外人気は凄まじく、海外アニヲタ相手にグレンラガンとか言っても普通に通じるって話ですよ?

そして今回はどうだったかと言うと…基本的にキャラ名は原作準拠で変更無しです。悪の組織“鉄十字団”が字幕で「Iron cross army」になった程度で、それ以外は全く手を加えられていません。レオパルドンはレオパルドン、マシーンベムはマシーンベムです。勿論マシーンベムにはそれぞれ違う名前が与えられています、例えば第一話に登場したマシーンベム第一号は“暴君竜”というムチャクチャかっこいい名前(こういう漢字名称大好きです)ですが、鉄十字団→Iron cross armyとなる事は無く「暴君竜→Boukunryu」となっていました。第二話の双頭鬼はSoutoukiだし、第三話の幻妖虫はGenyoucyuと全く変更無しです。これは嬉しかったですねー、マシーンベムって漢字表記でかっこいい名前が多いですからー…登場はこれからですが他にも鳥神獣とか深海王とか魔女猿とか色々いますよ?ただ、ロバキラーやカブトンやアンコウパトと言ったカタカナ表記もいますけどねー。しかし気になったのが先の予告編、化け猫モチーフのマシーンベム“怪猫獣”が出てきた際に字幕では「Cat demon monster」となっていた点です。マシーンベムの名前は変更無しとは上記の通りですが、その時だけは違ったんですね。ですから、もしかしたらこれから登場する分は一部変更されているのかもしれません。

話をストーリーに持って行きますが、良くも悪くも70年代特撮と言った趣で…でも私は楽しめましたよ?腰を落とした独特のファイティングポーズが星獣戦隊ギンガマンみたいだし、原作でもお馴染のウェッブ&ロープアクションもちゃんと顕在だし、ビルの壁を這って行く動作も見ていてなかなか面白いです。なるほど、マーベルがアクションは良いと言った理由が分かります。まだ第三話までしか見ていないので話の内容についてはあまり言及しませんが、いずれにせよ今後も視聴を続けていくつもりです。よろしかったら、皆さんもご覧になって下さい。最後になりますが、21歳のアメリカ人のこの素晴らしいコメントで閉めさせて頂きます。


「日本人と、彼らのロボットとモンスターへの拘りを愛さずにいられない。」

余談ですが、YouTubeにて先の昔のアメリカ版実写スパイダーマンを発見しました。そしてもう一つ、“イタリアンスパイダーマン”という怪作も…これネタでやってるんだよね?


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2 コメント

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イタリアンはどう考えてもネタだ…orz… (えびとろあなご蒸し)
2009-03-23 01:21:53
 自分も東映版スパイダーマンは大好きでした。レオパルドンは名前が最初逆だったらしいですね。(飛行形態の時の名前だったらしい)レオパルドはドイツ語の「豹」を意味しているのでそっちの方がそれっぽい気もします。マーベラーの名前もマーベルにあやかって付けたものですし。
 金魂になったレオパルドンですが、良くも悪くもふつーになってしまいましたね。レオパルドンへの変型は脚部のカバーの連動システムがかっこよかったです。あれ再現したらトランスフォーマー名乗れましたね(^_^;)まあ、冗談はさておき、アークターンまで再現してしまったのは凄いと思います。…すぐ飛んでしまうらしいですが…(^_^;)
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よく見ると蜘蛛マークが傾いてるイタリアン。 (ALE)
2009-03-27 22:58:58
まぁ普通に考えても、東映版の方が日本人には取っ付きやすいですからね。
ですから黒歴史化されようとも、日本のテレビシリーズという点を考えれば
あれはあれで正解。もし原作忠実に実写化していたら、確実に半年ももたず
打ち切られたと思います。当時の日本はアメコミにそれほど理解があったとも
思えないし。

超合金魂でレオパルドンが出た時はびっくりしましたわ、もっと他に出すべき
物があるだろう…と。でもまぁあのレオパルドン、今回の配信がきっかけで
個人輸入する外人が出てきそうだなー…と。前にニコニコ動画で聖闘士聖衣
神話を部屋に沢山ディスプレイしていたフランス人を見たし。アークターン
の再現はそれほど難しくは無いでしょー、ようは額にスプリング式ミサイル
があるのと同じなんだし。しかしアレみて、リボルガーのヘッドボンバーを
思い出したのは内緒。
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