「身の丈」経営,「身の程」人生

身の丈,身の程を知って生きる・・・・・

「仕事学のすすめ」 林原 6 ー 今はむなしい・社長の言

2011-02-08 08:14:42 | 「身の丈」経営

 NHK教育テレビの「仕事学のすすめ」は,毎週木曜日,夜10:25~10:50で,1ヶ月ごとにさまざまなビジネスパーソンの仕事力を詳しく紹介する番組である。この司会をつとめるのが勝間和代氏である。


「画像引用-長野市商工会議所だより-」

 2月出演予定だったバイオ企業の林原の林原健社長は,経営破綻から辞任した。同社は私的整理手法の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きを申請していたが,過去に10年以上にわたって売上高を総額300億円近く水増しし,損失を隠してきた疑いが浮上し,調整が難航していた。

▼林原 健 株式会社林原 代表取締役社長
 1942年岡山市生まれ。慶応大学在学中の61年に,父の死去に伴い林原の社長に就任。文化系ながらも,独学で発酵学などを修め,水あめ・デンプン製造を家業としていた林原を、世界的な食品素材・生化学企業に育て上げた。75年に科学技術功労者賞,97年に藍綬褒章などを受ける。
 著書に『独創を貫く経営』(日本経済新聞社)。趣味は学生時代から続けている空手、写真、読書など幅広い。


独創を貫く経営-私の履歴書-
林原 健
日本経済新聞社




   ::::::******::::::*******:::::長野市商工会議所だより-691

 林原氏は,<「(新世紀への提言)(2006年2月)>で,経営哲学に関し次のように語っている。


林原,非上場企業(プライベートカンパニー)ならではの戦いかたとして,縁故採用持ち上げられていた。また,会社を必要以上に大きくしないとしてきたが,1400億円もの負債が明らかになったいま,説得力のないものとなった。


◆林原氏の言--地元企業の採用はコネでいい

 ―― 林原さんは世界的知名度のある企業でありながら,岡山に根づき,あくまで地方にこだわっておいでですね。

▼林原
 初代が林原商店を創業して以来120年余り,私どもは岡山で仕事をさせていただいています。私もここで生まれ育ちました。岡山に愛着がありますから,東京へ出ようとは思いません。
 これまで日本の地方都市は,新幹線や高速道路を建設することで,中央との時間的距離を短縮することに努めてきました。地元に人を呼び込もうとしたのでしょう。しかし,その目論見は逆効果でした。インフラが整うほど,優秀な人材が地方から流出しています。ほうっておいても人が集まる中央の真似を,地方がしても駄目なわけです。だから地方企業は率先して地元の人材を採用し,できる限り地方に人が根づくことを考えるべきです。また,大企業を真似て試験をする必要もありません。地方企業はコネ採用でいいんです。林原は岡山の人を最優先で採用するようにしていますよ。

― 気心も知れて職場の人間関係が良好な方が,企業の業績向上にもつながるかもしれませんね。

▼林原
 ええ。地方に何十年とお世話になっていると,採用は単に人材調達ではなく,地域との関係を深めることにもなります。わが社に入社してくれたことで,岡山にとどまる人も増えるわけです。しかし,新卒中途に限らず,地元での就職を望む人があっても,彼らを満足させる受け皿が地方には少ないというのが現状でしょう。それでは地方に活気は生まれません。

― 林原さんでは,女性社員が出産などで一時的に会社を離れても,ほとんどの方がもとの職場に戻るそうですね。

▼林原
 研究職の社員が多いものですから,研究を中断されると会社としても大きな損失です。仕事を続けてもらうのは,互いにとってメリットなのですよ。

  出典:http://www.nagano-cci.or.jp/tayori/691/ts_691.html


関連ブログ

「トレハロース」の林原支援-長瀬産業がスポンサー契約

「仕事学のすすめ」 林原 6 ー 今はむなしい・社長の言

「仕事学のすすめ」 林原 5 ー 今はむなしい・社長の言

「仕事学のすすめ」今はむなしい4  社長の言

NHK 林原番組お蔵入り3-司会・勝間和代氏のコメント

NHK 「仕事学のすすめ」2月放送予定の林原・2-無理な開発投資で破綻

NHK 「仕事学のすすめ」2月放送予定の林原・1-経営行き詰まる



▼------------------------
「身の丈」を強みとする経営―縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」― 

1 マイペースを貫く経営
 閉塞感漂う時勢ではありますが,堅実経営を貫き,長期にわたり成長を維持している小売業も多数存在します。こうした企業を凝視すると,ある共通性が浮かんできます。それは,性急な業容拡大は弊害が多いとして,堅実な発展を目指して,自らの分を知り,ライバルの動きに惑わされることなく,マイペースを貫きながら存在感を発揮するという経営姿勢を貫いている点です。

 『 「身の丈」を強みとする経営』では,このような経営姿勢を「身の丈経営」と称して,縮小の時代の小売業経営のあり方を考察しています。なお,「身の丈経営」とは,石橋を叩いても渡らないといった消極経営や縮み志向の経営ではありません。現状に満足することなく常に革新にとり組む経営を指します。具体的には,顧客の囲い込みによる安定基盤の確立,そして持続的発展の原動力は需要創造にあります。

 《本書でとりあげている企業》 
ネスレ,アマゾンジャパン,楽天,サントリー,キッコーマン,日清紡,東レ,ヤマト運輸,バンダイ,JR東日本,伊藤園,花王

ケーズ電器,ベスト電器,でんかのヤマグチ,ジャパネットたかた,セブン&アイ,イオン,ヤオコー,ユニバース,トライアル,ベイシア,ユニー,ケーヨー,コメリ,カインズ,セブン-イレブン,しまむら,A-Z阿久根,マルヤガーデンズ,銀座三越,ダイシン百貨店,大丸

2 「身の丈経営」
 本書では,自らの分を知り,ライバルの動きに惑わされることなく,マイペースを貫きながら存在感を発揮するという経営姿勢を「身の丈経営」と称して,縮小の時代の小売業経営のあり方を考察しています。

「身の丈」を強みとする経営―縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」
小林 隆一
日本経済新聞出版社

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新燃岳噴火:「神様の怒り」... | トップ | 「身の丈」を強みとする経営... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

「身の丈」経営」カテゴリの最新記事