「身の丈」経営,「身の程」人生

身の丈,身の程を知って生きる・・・・・

ワタミの労災認定-渡辺美樹会長は,亡くなった社員のご両親にどう応えるのか?

2012-10-27 17:52:29 | 「身の丈」経営

<労災自殺>両親がワタミ会長らに申し入れ書 説明求める

 9月20日(木)付けの新聞報道によると,ワタミの外食チェーンを運営するグループ会社「ワタミフードサービス」の従業員だった08年に自殺し,今年2月に労災認定されたMさん(当時26歳)の両親が20日,東京都大田区のワタミ本社を訪れ,渡辺美樹会長らに事実説明を求める申し入れ書を提出した。

 Mさんは同社の「地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう」というスローガンに共感し,08年4月入社。居酒屋に配属され,5月中旬に抑うつ状態となった。1カ月の時間外労働は141時間。自宅に帰れないこともしばしばで,自殺直前,Mさんが会社に提出したリポートには「ワタミ文化とは,こういう現実をさすものなのだろうか」と記されていたという。

 Mさんのお父さん(64)とお母さん(58)はこの日,応対した社員を前に「どのようにワタミという会社は,娘を死に至らしめたのか」と文書を読み上げ,「会社の労働実態について,代理人ではなく社長や会長自身に考えてほしい」と訴えた。

⇒⇒関連情報⇒⇒Mさんの両親を支援する全国一般東京東部労働組合の広報 
 ワタミ株式会社の渡辺美樹会長ら経営者に対し当事者同士での話し合いを申し入れましたが(回答期限10月1日)、本日までにワタミ側からは代理人の弁護士を通じて拒否する旨の回答があったのみです。

        ★,'*:..,.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~.

  渡邊美樹会長は,Mさんのお父さんとお母さんにどのように応えるのであろうか。ちなみ渡邊会長は著書『きみはなぜ働くか。』で,若者に次のように語りかけている。

◆ 三六五日、二四時間、死ぬまで働け!  -渡邊美樹

 ワタミでは、海外を含む全社員を対象に、早朝から理念研修を行っている。この研修で、私は毎回、講師として社員たちの前に立つ。中には、仕事明けのまま研修に参加している社員もいて、出席者の多くはとても眠たそうな表情をしている。そんな彼らを見ていて、その後衛には温かい愛情はあるのか、そのことがすごく気がかりになる。
 そして、私には二つの想いが交錯する。一つは、「もう少し寝かせてあげたい」という親のよぅな想い。もう一つは、「やはり頑張らなくてはいけない」「人間は頑張る中で成長していくものだ」という想い。私の中で、この二つの想いの葛藤がある。それをまず知ってほしいと思う。

 ワタミには、「三六五日二四時間、死ぬまで働け」という言葉がある。
 別に、言葉のとおりそうしろというのではない。そんな気持ちで、働いてほしいということ だ。そこで、心配になるのは、エリアマネジャーや店長、あるいは部長が、葛藤を通じてこの言葉を語り、社員たちによりそってくれているだろうかということである。

 「さあ、死ぬまで頑張れ、働け」と突き放してはいないか。人間とは、誰かが一緒に走ってくれるから頑張れる。上司は必ず部下によりそい、親や兄姉のような目でみつめる。そして、葛藤の中で生まれた言葉として、「三六五日二四時間、死ぬまで働け」と語ってほしい。
 この姿勢は、社員のアルバイトさんに対する想いでもあり、ベテランのアルバイトさんから新しいアルバイトさんへの想いでもある。「しっかりやれ」と言い切るのではなく、皆で一人を支える気持ち、皆の心をいくつもいくつも重ねることが大切なのである。

 たとえばその新入社員が仕事明けでそのまま研修に出席するのであれば、店長は「本当に大変な、でも頑張って来いよ」という二言を言えるかどうか、それが大事なのだ。
「死ぬまで働け」。この言葉がもし独り歩きしてしまったら、単なるモーレツ会社のスローガンでしかない。この会社は、社員が幸せになるためにある。アルバイトさんが、時給以上のものを得て、「自分の青春の中で、ここで働いたことはすごく人生にプラスになった」、「楽しかった。
何よりもいい思い出になった」という想いを持ってもらいたい。
 厳しいかもしれないけど、楽しんでいる。厳しいかもしれないけど、笑顔で働いている。
 きみたちにもそんなシゴトをしてほしい、と思う。
                                       P134~P135--全文掲載

       ★,'*:..,.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~.

 私自身,家庭も全ても投げうち,ある目標の実現に向け,「三六五日二四時間、死ぬきで働いた」時期もあった。そんな私だが,渡邊美樹会長の「三六五日二四時間、死ぬまで働け」には共感しない。100歳の現役ドクター日野原重明先生の“身のほどを知る・・・・”の言葉を重ねておく。

◇「身のほどを知ることが、しあわせへの近道」-日野原重明

  「希望」はあまり多くを望みません。いわゆる身のほどを知ったうえで望むのが希望というものですから、希望はほどほどのところで満足することを知っています。いまあるもの、あることに感謝し、「その半分でも満足です」と言える控えめさをもっています。それでいて、どんなに小さな希望も、十分にしあわせを与えてくれます。
 同じ「望む」というのでも、ないものを無理にでも手に入れようとする「願望」とは大ちがいです。
「願望」は欲深で貪欲なのです。子どもを一流の大学に入れたい、一流の会社に入れたい、金持ちになりたいと、願望は際限なくふくらみます。

 しかし、自分や子どもの能力を顧みずに高みを望んだところで所詮むなしい望みに終わるものです。その非を自分に求めようとはせず、あの人がこうしたからできなかったと人を憎み、あるいは社会を呪う。こうして心はすさむばかりです。

 病や事故、災難に見舞われても、あるいは人と比べて能力や財力が劣っていても、自分に与えられた現実を受け入れることができたなら、それはなかば希望を手に入れたようなものです。身のほどを知ることは、希望を手にする第一歩なのです。

 私たちは、願望のなかに生きるのではなく、希望のなかに生きたいものです。
なぜなら、幸福はそこにあるからです。

  出典 - 『生き方上手』 日野原重明 ユーリーグ(株)刊 p23

⇒⇒関連ブログ:渡邉氏経営陣に復帰

                                           

 
きみはなぜ働くか。―渡邉美樹が贈る88の言葉
ワタミ創業社長が若者たちに熱く問う「シゴト」と「生き方」のルール。
日本経済新聞社
勝つまで戦う 渡邉美樹の超常思考 (講談社BIZ)
クリエーター情報なし
講談社
   
こころ上手に生きる (講談社プラスアルファ文庫)
 
講談社
 
生きるのが楽しくなる15の習慣 (講談社プラスアルファ文庫)
 
講談社
 
日野原重明 一〇〇歳
 
NHK出版

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ドラッカーに学ぶ・3 「「... | トップ | 安愚楽問題で国賠訴訟検討 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

「身の丈」経営」カテゴリの最新記事