(またしても引き合いにだしてしまいますが、)『カリギュラ』で古典は肌に合わんと思った私にもすんなり入ってくるお芝居になっていました。まぁ、KERAさんでなかったら絶対見に行かなかっただろうなという類いの舞台です。だって「昔のロシア」で「どん底」ですよ。どうしたって重苦しいというか暗い 内容だろうって思っちゃいますよね。。。でも、KERAさんの手にかかれば、クスリと笑える小ネタの入った、内容は重いけど妙に明るいお芝居になっていました。
緒川たまきは相変わらず透明感のある美しさで、登場後数分は確実に見とれてました(笑)。同じくナマ江口洋介もかっこよくて…(笑)。段田安則、三上市朗らベテラン俳優陣もとても良かった~。すごかったのは荻野目慶子!性悪女を超憎たらしい感じで演じていたのに、カーテンコールではめちゃくちゃかわいらしくて…まさに「女優」って感じでした。若松武も予想通りの怪演っぷり。メイクもすごくて最初誰だかわかりませんでした(笑)。マギーと犬山イヌコが喋る場面はどれも不思議とコメディになってましたね。最年少富川一人は映画『奈緒子』のキャプテン同様、ちょっぴり気になるキャラを演じていて、印象に残りました。
面白かったのは…
・俳優陣が歌いながら作業を行う場面転換
・突如ちんどん屋のように入ってくる演奏陣
・斜めに立っている家や上下する屋根などの舞台装置
・ぶっとい下水管が落ちる演出
ですね。。。特に最後のは笑えるオチもついて、かなり面白かったです。
後半でかなり降ってくる雪、あれは何でできているんでしょう。2列目で見ていたので、風に流されてきた雪(もどき)が結構身体につきました。すぐ消えてしまいましたけどね。無害なものなのでしょうが、やはり気になるところです。
地下の貧民宿に住む人々&その大家が人間関係や自分の精神状態を危ういながらも何とかバランスを取って暮らす中、段田さん演じる謎の老人に翻弄され、結果的にちょっぴり幸せを手にした人もいれば、不幸になる人もいて、なんだ、老人の来る前とあまり変化無いじゃんという感じなのですが、それでも相当見応えのある舞台でした。3時間強という長時間も舞台に見入ってしまったらあっという間でしたね。今月末にも見に行く予定なので、また別の視点で楽しみたいと思います。
カーテンコールでのカチューシャの大合唱(&合奏)は楽しかったなぁ。
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