ふたりのマーシー☆真島昌利&真柴一興

2009-08-19 10:46:15 | マンガ
 

 文藝春秋社刊「CREA」2009年9月号
 特集は『読書の魔力』
 されど毎度の紋切企画、
 旬のタレントの愛読書などを紹介する旨
 とはいえ、やっぱり気になってしまう。

 もはや、読書といえば縦書きの活字だけに留まらず
 必ず取り上げられるのが、マンガについて。
 「マンガ」は日本が世界に誇るカルチャーだし
 当然の成り行き。

 今回、私が注目した記事は
 「CREA読者が選んだ
  マンガでいちばん惚れた男BEST100」
 目新しくも斬新でもない内容だけれど
 この手のアンケートは嫌いじゃない。

 もし
 私がこのアンケートに回答するのなら
 即答
 「真柴一興」!!
 そう、くらもちふさこさんの不朽の名作
 『おしゃべり階段』に登場する「マーシ」だ。

 私は中学の頃、完璧にマーシに恋していた! 笑

     

 初恋に胸をときめかせ
 十代特有の多感を持て余し
 光と闇を行き来する
 振り子の揺れ幅が大きかった あの頃。
 
 他人へ見せる自分の顔と
 ひとりでいる時の自分の顔と
 そのアンビバレンスに戸惑いながら
 道なき道で迷っていた あの頃。

 色黒のアジア顔も
 やせっぽちの身体も
 とにかく自分の全てが大嫌いだった あの頃。
 
 それゆえに
 愛される価値など
 自分にはないのだと悲観していた あの頃。

 おしゃべり階段のマーシは
 私の心の雲を吹き飛ばす疾風だった!

 あの頃すでに、デビット・ボウイのファンだった私は
 眉をそり落とし、髪を真っ赤に染めたマーシのルックスに
 無論ボウイを重ね
 その自由闊達さと
 そして何より、マーシの
 自分を信じる力に打ちのめされてしまった。

 高校受験を放り出し
 「おれ、高校いく前に やることがあったんです」と
 単身渡英
 「高校卒業したら、すぐに歌手になります 
  ぜったいになってみせます」と
 断言してしまう15歳のマーシ。
 歌をうたうことの力は
 技術を勉強することにあるのでなく
 「胸をしめつける思い」の積み重ねだと知るマーシ。
 
   ━ひとつの感動が
    ひとつのエネルギーになるような
    そんな気がする

 マーシはいつでも世界を
 自分の目で見て、自分の耳で聴くことが出来る男の子。
 最愛の恋人にさえ辛辣に
 自分の考えを伝えられるのは
 自分を信じているから。

   ━たいがいできるんだよ
    心で念じるだけでいいんだ
    みんな 念じかたがたりないのさぁ

 そして帰国後、主人公 加奈と出逢ったマーシは
 彼女の心に小さな革命を起こして見せる。
 劇中の、あの一コマの美しさといったら!
 私の心にも、確実に小さな革命が起きたほど。

 結局、今なお
 私がギター弾きや歌うたいに入れ込んでしまうのは
 ほかでもない マーシのせいなのだ。
 
 マーシに出逢えてよかったな……
 実在しようが、しなかろうが
 そんなこと問題じゃない。
 マーシは、いつまでも 私の愛しい人だ。

 ところで
 今回のCREAの特集
 「マンガでいちばん惚れた男BEST100」で
 マーシは選外。
 加奈の初恋の相手「中山手線」は
 15位に選出されてました。
 ふーん
 まぁ そんなものかな。


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