理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

できた親ではありません

2023-12-09 15:37:13 | 発達障害

こんにちは。

 

ここ数ヶ月は息子の高校受験勉強と

次男(自閉+ADHD傾向ありの不登校小学生)の対応に追われていた理系母です。

 

さて,今回は久々のブログ更新ですが,

これまでと少し趣旨を変えて

発達障害児の「親」として,私自身のことに触れたいと思います。

 

このブログで触れてきた息子のために家庭で療育を始めたのが十年ちょっと前。

その頃に比べるとネットや書籍で親向けの情報が格段に増えたと感じます。

 

「怒らない」とか「子どもが変わる声かけ」とか

親が取るべき具体的な行動に関する情報がいっぱいあって,

それらを実践しているお母さん方と出会うことも多く

ただただ感心するばかりです。

 

というのも,私はそういうこと,あまりできていないんです。

以前,All Aboutさんの取材(https://news.allabout.co.jp/articles/o/60863/)に応じたときにも「私はできた親ではありません」とお話しました。

毎日怒っているし,毎日のように子どもと喧嘩しています。

言ってはいけない言葉を言って子どもを傷つけたこともあります。

 

療育的には絶対NG的なことはいっぱいやっているのですが

子どもは確実に成長してくれています。

 

それはなぜか?

 

理由は一つではないかもしれませんし,もちろん息子の性格もあります。

でも,おそらく影響しているだろうと思われる心当たりがあります。

 

それは小学校の卒業にむけた特別支援級での行事でのこと。

 

クラスメイトの前で親から子どもへの贈る言葉を発表する機会があり,私はこんなことを言いました。

「H(息子)は,自分の子どもの頃と比べても,周りの子どもと比べても,できないことがいっぱいあって,つい怒ったり心配になったりすることがいっぱいある。

でも,H(息子)はちゃんと成長して,いつかは母さんを超えると信じている。

それが何歳になるかわわからないし,すごく年をとってからかもしれない。

でも必ず超えると信じている」

 

それを聞いた息子の反応は,正直あまりなく,そのときは「わかっているのかな〜?」という印象でした。

 

ところが中学生になってしばらくしてからのある日,

息子の些細なことで,私が「このバカ息子がーっ!」と怒り出したとき

息子がニヤッと笑ってこう切り返しました。

 

「でも母さんは俺のことをバカだと思っていても,俺がいつかは母さんを追い越すと信じていて,その可能性に賭けているんだろう?」

 

私は予想もしなかった息子の言葉に,私の思いが伝わっていたんだという嬉しさと

こんなとっさの切り返しができた息子に感動して言葉を詰まらせてしまい,

喧嘩にならなくなってしまいました。

 

この一件で,私が息子の成長と可能性を信じていることが息子に伝わっていること,そしてそれが息子の自信につながっているとわかってからは,

私にはできないけれど息子が得意なことを認めたり,

テストの成績が悪くても「Hはちゃんとできるようになると思うよ」

などと,今の息子ではなくて,息子の未来を私自身が信じていることをはっきりと伝えるようにしています。

 

母が完璧でなくても,子どもの成長を信じ続けること自体が子どもを本当に成長させることにつながるのかもしれません。

 


この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自閉症の診断名はいつまでつ... | トップ | 今更ですが,X(twitter)ア... »
最新の画像もっと見る

発達障害」カテゴリの最新記事