リツゲイ稽古場日誌

劇団立命芸術劇場の稽古場日誌です。日々演劇と向き合う団員たちの思いが垣間見える、かも...?

レエン・コオト 終演

2016-10-24 23:05:07 | 2016年度秋公演
最近冷え込みが激しくなってきましたね。皆様お久しぶりです。今公演では演出、舞台装置班チーフ、制作として参加した吉田聡です。
2016年度卒団公演「レエン・コオト」が無事、終演しました。ご観劇していただいた方々並びにリツゲイを応援してくださった方々ありがとうございました。
レエン・コオトは芥川龍之介の話がモデルになっておりまして、(歯車、地獄変をご存知の方はすぐわかったと思いますが)天才小説家の芸術至上主義の中に残る平凡な愛のお話で、数年前のリツゲイではよく上演された悲しいお話しでした。ですが、リツゲイでは意外?と愛を題材にしたテーマは(僕の知る限りでは)だいぶご無沙汰でとても難しいテーマだったと感じます。
私がこの台本を選んだ大きな理由として、昔のリツゲイを取り戻したかったことが大きな要因でした。それはリツゲイならではの悲しく、ビターな結末。演劇ならではの美しい立て込んだ舞台。場面を美しく映えさせる照明。物語を盛り上げる音響など…。もちろんコメディや現代の部屋での物語も好きなのですが私はどうしても昔のリツゲイをもう一度見たかったのです。入団時に見せてもらった過去の作品のように。

思えばこの三年間あっという間でした。「なるべく派手な服を着る」では2つ上の先輩方が、「ど忘れ/デジャヴ」では1つ上の先輩方が卒団されました。まだ実感は湧きませんが我々も卒団となると時の流れを憎く思えてしまいます。しかし、学生劇団とはいつか去らねばならない時があり、それはいつか必ず来るから美しいのだと私は考えます。花はいつか散るから美しいように。

私は比較的長い間舞台装置班チーフを務めておりましたが今回の公演は今までの公演の中でも最高の仕上がりだったと自信をもって言えます。照明チーフと6時間に及ぶ会議による最高の照明、舞台に飾る掛け軸、油絵を作っりクールな宣伝物を作った宣伝美術、物語にマッチした音響、100年前の世界観を考えた衣装小道具、イレギュラーな試みを行なった制作、様々な宣伝を積極的にしてくれた情報宣伝、狂いまくったスケジュールを何度も組み直してくれた舞台監督、ナイスな企画を用意してくれたweb、全てが一丸となった公演でした。誰が欠けてもこの公演は成し得なかったと思います。最後の公演で持てる力を全て出し切ることができ、私はとても幸せです。あとは残された後輩たちに私たちが愛したリツゲイを託して去ることにします。
長くなりましたが卒団公演応援ありがとうございました。
今後も彼らのリツゲイの応援をよろしくお願いします。
それではごきげんよう。さようなら。
演出 吉田聡


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