月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

『染模様恩愛御書』@大阪松竹座・10/15昼の部、10/26昼の部 その②

2006-10-31 04:06:30 | 歌舞伎Review
昨日の記事でみどころ&あらすじを載せましたが、更に詳細をお知りになりたい方はあ~るさん宅へ飛んでってください。観劇レポが“その16”まであります(私なんかその②で済ませようとしてるのに/笑)
右サイドバーの“記事カテゴリー”のラブリン片岡愛之助をクリックするとだーーーっと出てきます 
                      (↑↑↑このリンク貼ったとこからも飛べますよ)


【結末について】
いきなり終わりの話で失礼。
昨日の記事の冒頭で「何故数馬も死なんのや」と夫婦でオニ発言しましたが、私は、自分の半身とも言うべき愛する人が死んでひとり残される方がよっぽど残酷だと思う。
友右衛門の想いは定かではないけど、「細川の殿を守れ」と数馬に言ったときには死を覚悟し、自分だけ先に逝くことがどれだけ酷いことかわかっていても、数馬が生き残って細川家を支えていくことを願ったのかもしれません。
でもそれは理屈であって、2人の絆を思うなら“最期”まで一緒にさせてやりたい。
“死ぬこと”は無念であり恐怖でもあり不浄なもの。でもそれが、想いを同じくする者が結ばれる手段(心中)なら、当人達にとっては念願成就のハッピーエンド。傍観者も“死”には涙するものの、2人一緒の彼岸への旅立ちに清しいものを感じるのではないでしょうか。
残して逝く者の辛さもわかるけど、残された者の切なさを思うとやりきれないねえ
ぽっかり空いた数馬の心は誰が埋めるのか。
まあ、数馬は敵討ちを成し遂げる意志強固な人間だし、友右衛門との交情の大胆さ(笑)をみれば、友右衛門の遺志を守り継いで生きていく気丈さはあると思うんですけどね。
友右衛門も天国から見守ってることだし

あの終わり方があかんというわけじゃないのよ。
細川候の差配も最もだし、それを数馬が受けるのは当然だし、ひとり佇み友右衛門の魂を探すような様子も実に風情があるんだけど、もう少し激しく理屈のない衝動的な2人の凄絶な最期を観てみたかったなあと思った次第で……。

愛之助さんファンといたしましては、非常にオイシイ演出ではありましたね。
愛しい男の遺体に取り縋って泣き叫ぶ姿なんぞめったに観られるもんじゃありませんから
友右衛門の乱れた髪を撫で付け、顔にそっと手を添え、頬を寄せて涙する姿は大変美しゅうございました。
そんなに想われる友右衛門が恨めしいわ妬ましいわ羨ましいわで……


えーっと、②で終わるかと思ったら全然終わらない(今日の記事が短すぎるんだけど)
この調子だと④くらいまで行きそうです。私の拙い感想をお待ちの方には大変申し訳ありませんが、どうか気長にお待ちくださいますようお願い申し上げます
今日は1日中東京で(わかるひとにはわかる)明日の朝一で戻ってそのまま仕事なので(ひーー)③以降は明後日になると思います。
あ、コメントレスがめちゃめちゃ滞ってます。すいませーーん
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4 コメント

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そうそうそうっ! (あ~る)
2006-10-31 04:25:53
一緒に行かせてやりたかったねぇ。

結末がふたりの別離だからこそ、「えーっ、なんで~っ!」という(ある意味)ハッピーエンドの心中よりも強い印象を植え付けてリピーターを呼ぶスルメのような(^^;ラブコメになったんだけども。数馬の心情を考えるとね。しかし、小説と同じにふたり一緒に…だったら、ここまでファンを掴んだかどうか。美しいねぇ、良かったねぇ、面白かったねぇ、ですっきり終わってたかも。私も16までレポ書かんかったかも。

って、丁寧なリンク説明ありがとうございました!

P.S.好きな男の骸に取りすがって泣き叫ぶラブリン…って、珍しいの?

…珍しいか。「好きな」のが「男」であること自体。(^^;それでなくても、あれほど激しく感情を表す役どころって、あまり無いとか?
数馬の涙 (スキップ)
2006-11-01 01:33:02
水無月さま
> 愛しい男の遺体に取り縋って泣き叫ぶ姿
私もあの場面はグッときました。
人目もはばからず「兄上~」とすがりついて、「殿の御前であるぞ」とたしなめられて居を正すところ。
二人の“愛”に関しては比較的受身の立場である数馬が真の感情を迸らせるところに胸を打たれて涙。それが二人の永遠の別れであることも悲しみを増幅させた訳ですが、ナルホド、二人一緒の最期で思いを全うする形が友右衛門と数馬にとっての理想形かもしれません。
あ~るさんへ (水無月)
2006-11-05 00:56:07
小説はふたり一緒なのねー(実はまだ読んでない
あ~るさんのおっしゃるとおり、片方が生き残る展開の方が劇的ですよね。
一緒に死んでしまってたら、その後のあざみや数馬の気持ちを推し量って、作品を咀嚼して記事を書くこともなかったのかもしれません。

>珍しいか。「好きな」のが「男」であること自体
対象が「男」ってのは珍しい(笑)
歌舞伎でも感情をあらわにして嘆く場面はあるけど、まず“形”や“台詞”ありきで(古典は特に)その中でどんな表現を見せてくれるのかが醍醐味だと思います。
今回のはストレートプレイに近いかな。
スキップさんへ (水無月)
2006-11-05 01:05:30
コメント&TBありがとうございます!

あれはきますよね~。
あそこまで数馬を嘆かせるなんて、友右衛門と数馬との絆の強さがより感じられたように思います。
2人一緒が理想形なんですが、お芝居の余韻を考えると、やはり今回の終わり方の方がいいんでしょうね。

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