月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

『モーツァルト!』中川晃教ver@中日劇場・10/26マチネ(ちょっと追記) 2F-8-40

2005-11-09 01:51:45 | Stage Review
もう随分前の観劇レビューになりますが、ご容赦を。耕史君ネタや歌舞伎のレビューを書いてたら、思いっきりないがしろになってしまいました。


ヴォルフとアマデ以外のキャストは同じなので、その辺の感想は割愛。


主要キャストの皆様は、公演も後半になると、さすがにお疲れ気味で声に多少の掠れがありましたね。
一路さんでさえ、頑張って声出してますって感じでした。
山口さんと市村さんはまだまだ余裕たっぷり。
意外にも(失礼)高橋由美子さんがまだいける、って歌いっぷり。
最近、お気に入りの吉野圭吾さんは、声が掠れてるというかハスキーになって、よりセクシーなシカネーダーを堪能しました恋は盲目(汗)というか、黒を白にも変えてしまいます(莫迦)


肝心のアッキー@ヴォルフですが……
すんごいよかった
井上君には申し訳ないんだけど、アッキーのヴォルフに魂持ってかれました。

井上君の歌は、観衆に「お願い聴いて」って感じで訴えかけてくる。
もちろんそれでも、私の心には響いてきます。

でもアッキーは観衆を相手にしてないんですよ。聴かせようとしていない。
受け止めるこちらの気持ちなんぞお構いなしに、フルパワーで感情をぶつけてくるので圧倒されっぱなし。
まるで私たちとヴォルフの間に立ちはだかる邪魔な壁……コロレド様の力やレオポルトの束縛、ナンネールの嘆きにコンスタンツェの愛etc…を叩き壊そうとするかのような叫びに近い歌が、もう痛いくらいに伝わってきます。
この強すぎる感情についてこれないやつは置いてくぞ、ってくらいな突き放された感もあるから、こっちは必至で追いかけると、その想いが心にぐっさり突き刺さって、魂売るしかありません

井上君の想いは、子犬をぎゅって抱きしめる感じで受け止めることができるけど、アッキーの場合は受け止める前に、私たちが首輪付けられて引っ張られてしまう感じでしょうか
(変な表現でわかりにくくてごめんなさい

叫びといっても、歌が粗くなることはなく、音程はもちろんはずれるわけもなく、歌詞もちゃんと聞き取れる。
ロックアーティストらしい感情表現で、ミュージカルの曲をしっかり歌いこなすアッキー、すごいヤツです。
『RENT』再演のあかつきには、ロジャー役どうでしょうか。


《追記》
ヴォルフとアマデの関係について、前回も今回もなーんにも書いてなかったので、ちょっとだけ……。
生身のヴォルフ、“ヴォルフの音楽”のアマデ。どちらが欠けても、お互いその存在意義がなくなる。
その危うい関係を2人のヴォルフは、全く違った形で見せてくれたと思います。
井上君は“共存”かな。アマデの存在にとまどい振り回されても、アマデと共になければヴォルフは生きていけない。だから必死でアマデの手綱をとろうとするけど、ついには疲れ果て、アマデの呪縛から解放されるために死を選ぶ。
アッキーは“反発”というより拒絶に近いかも。
アマデなんかいらない(自分の分身なんだけどさ)ってくらいに、自分に自信たっぷり。目障りでもアマデは消えるわけもなく、最後は“アマデを消すために自らを消す”という激情に駆られて死を迎える。
……私が感じたのはこんなところです。浅い見方かな~~ 
ホントはもっと長い文章だったけど、収拾つかなくなって非常にコンパクトにしてしまいました




★余話
カーテンコールは3回。
市村さんがお茶目でした
1回目は衣装の裾をつまんで、実に優雅に貴婦人の礼。
2回目は妙なステップを踏んでました(笑)
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9 コメント

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はじめまして (アヤン)
2005-11-09 10:05:32
水無月さん、はじめまして、アヤンと申します。

いつもブログ拝見させていただいておりました。



アッキーヴォルフ感想はまだかなー?と勝手に心待ちにしておりました!芳雄君バージョンを見た時の感想では作品自体あまりお気に入りじゃなかったようなので、アッキー見てどうかな?と思っていました。が、アッキーヴォルフに魂持ってかれたと書かれてて良かった~!と自分の事のように喜んでおります。



私もモーツァルトは初演1回だけの観劇と再演での1回目の観劇では、作品自体好きじゃないなーと思っていたのですが、再演2回目見てから魅力がわかり始めてきました。(すべてアッキーヴォルフですが・・・)

とりあえずアッキーのあの歌とパワーを体感しに劇場へ行くって感じでしょうか。名古屋へも見に行きたかったけれど、リトショやらなんやらで諦めてしまいました。



吉野さんもお気に入りとのこと。特にすごくファンというわけではないけれど、昔からかなり吉野さんの舞台は見る機会が多く、どんどん大きくなっていく姿を見て毎回結構感動しております(笑)SHIROHのDVDも購入予定とか?お勧めです!! 吉野さんの舞台では、ダウンタウンフォーリーズ、CLUB SEVENがお奨めでございます!ダウンタウンは来年4月に全国ツアーがあるようなので、名古屋でもあれば良いですね!!
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連投すみません! (アヤン)
2005-11-09 10:18:39
大事な事を書き忘れました!



日本でのRENT再演の時に、アッキーロジャー!賛成です! それが言いたかったのでした…。

ちょっと耕史マークと年が離れてしまいますが、歌は絶対良いと思うんですよ!夢の共演果たしていただきたいです。(今年の帝劇公演で、山本さんはアッキー版モーツァルト観劇しているようなので、共演したいと思ってたら良いなーと勝手に夢見てます(笑))
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おはようございます。 (ますごい)
2005-11-09 10:23:45
さっきコメントいっぱい書いたのに消えちゃった・・・



けれどあきらめずに再トライ



中川さんのヴォルフは見ていいないんです。

でも行きたかったので、このステキなレポはありがたいです。「子犬をぎゅって抱きしめる感じで」ってすごくよくわかります。アマデとの関係も、存在に苛立ちながらも否定することの出来ない切なさを感じました。

中川ヴォルフとアマデのコンビネーションはどうだったか、よかったらまた読ませてくださいね。



市川さんは、厳しい役どころなので、カーテンコールで遊んどかないと、体がほぐれないのかもしれませんね。来年のダンス・ウイズ・ヴァンパイアでの山口さんとの共演も楽しみですね。

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Unknown (yopiko)
2005-11-09 16:38:52
お久しぶりです。

私はアッキーしか観てないんですが、ほんとに「ぐわし!」と心掴まれますよね~!アッキーヴォルフは、まさに「天才肌」を地でいってるようで、はらはらしながらその動向を見てしまいました。

SHIROH以来のアッキーにもっていかれついでに、今度ライブにも行ってみる予定です。



SHIROHもどうやら既にDVDは鑑賞されたようですね♪

ちなみに副音声は聞かれましたか?中島さんによると、モーツァルトのシカネーダーを観て、吉野さんにはああいう役が合うんじゃないかと、かっちゃんのキャラになったようです☆ぴったりでしたものね~。
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アヤンさんへ (水無月)
2005-11-11 01:56:15
はじめまして~。

某所にてお名前は拝見してました。



アッキーverレビュー大変お待たせいたしました

アッキーよかったです!

勢いで、劇場の売店で初演版のCD買ってしまいました。

初演は名古屋に来てくれなかったのでスルーでしたが、今回両キャストを観ることができてラッキーでした。



吉野さん素敵

実は『SHIROH』は、アッキーver観る前に絶対見ておいた方がいいと言う友人がDVDを貸してくれました。いやもう最高!!!アッキーはもちろんのこと、吉野さんの“かっちゃんしげちゃん”にハマりました。あんなにぶっとんでるのに、ダンスの美しいことこのうえない

耕史君の次に(笑)追っかけます。

DVD観たけど買う予定

舞台は名古屋スルーが多いので、追っかけるのが大変です。



アッキーロジャーにご賛同いただきありがとうございます!

ロックが歌えてミュージカルができるひとって、そうざらにはいないんで貴重な存在です。

耕史君の『モーツァルト!』観劇目撃記事を、以前どこかのblogで読みました。最初は佳乃ちゃん(共演したので)観に行ったのかなーと思ってましたが、もしかしたらアッキーの歌を聴きに行ったのかもしれませんね。
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おみつさまへ (水無月)
2005-11-11 02:07:35
コメント消えた件でごめんなさい~

gooはたまにあります



ヴォルフとアマデについてちょっとだけ追記しました。

かなり短い文章なので考察になってないかも

アッキーver素敵でした。再演があったら是非!



レオポルトは終始しかめっつら。

カーテンコールくらい陽気にしたいんでしょうね。



『ダンス・ウイズ・ヴァンパイア』は名古屋に来そうもないので帝劇まで行くかも知れません
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yopikoさんへ (水無月)
2005-11-11 02:21:27
こちらこそご無沙汰してます。

『吉原御免状』のレビューがまだです~(汗)



井上君verは“守ってあげたい”ヴォルフ

癒されたい方はぜひこちらへ。

アッキーverは“置いてかないで~”ヴォルフ(笑)

見事に飴とムチ状態です。

再演があれば、是非井上君verもご覧ください。



『SHIROH』は時間なくて本編のみ鑑賞。(友が貸してくれました)

DVDは買う予定なので、副音声楽しみです。
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(*^^*)(*><*) (midori)
2005-11-12 00:33:44
東京公演が終わったので、すっかり一段落モードになってました。

でも、水無月さんアップに再び甦る、中川@ヴォルフ&井上@ヴォルフの熱演!

中川さんにとっては特に、この作品がミュージカル界への突破口になったことは間違い無いと思うんです。

これが無ければ、SHIROHにも繋がらなかったかもしれないし!

そう考えるとヤッパリ中川さんにとって、すごい転機となった作品ですよね。
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midoriさんへ (水無月)
2005-11-13 03:18:01
コメントありがとうございます。

ご無沙汰ですみません~



アッキーの存在は貴重です!

演技ができてミュージカルの歌が唄えて、ロックも唄えるってひとなかなかいませんから。

これからも、どんどんミュージカルやって欲しいですね。



井上君とアッキー。

これほどキャラクターの違うWキャストも珍しく、とても良いものを見ることができました。
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