人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2016年 ホセ・クーラ、マスタークラスの生徒たちとプラハ響のコンサート / Jose Cura Opera aria concert with Prague Symphony Orchestra

2016-12-23 | マスタークラス



ホセ・クーラは、プラハ交響楽団のレジデント・アーティストとして、2015/16シーズンからの3年間、活動することになっています。現在、2シーズン目で、歌手として、指揮者として、作曲家として、多彩なプログラムに取り組んでいます。

今回は、2016年10月19、20日の、オペラ・アリアコンサートを紹介したいと思います。

プラハ響のシーズンプログラムの紹介画像


クーラのフェイスブックの告知


これは、クーラがマスタークラスの教師として、2016年2月に教えた生徒たちから、選抜された若いアーティストと共演したガラコンサートでした。クーラは指揮をせず、歌手として出演しました。
 
 → マスタークラスの様子を紹介した記事はこちらを 「2016年 ホセ・クーラ、プラハ交響楽団とマスター・クラス」

出演したマスタークラスの生徒たちは、以下の7名。
Barbora POLÁŠKOVÁ
Ester PAVLŮ
Barbora ŘEŘICHOVÁ PERNÁ
Dana ŠŤASTNÁ
Alžběta VOMÁČKOVÁ
Ján KOSTELANSKÝ
Lukáš HYNEK-KRÄMER

… and José CURA | singing

SYMFONICKÝ ORCHESTR HL. M. PRAHY FOK / PRAGUE SYMPHONY ORCHESTRA
Marco COMIN = conductor 

終演後に、7名の生徒たちをはさんで、左がクーラ、右は指揮者。


こちらは、2月のマスタークラスで選抜発表された際の写真です。これと比べても、コンサートの写真は、皆さんドレスアップして、華やかで、いっそう素敵ですね。



演目は、プッチーニやビゼー、カルメンなどから有名なアリアやデュエットが取り上げられ、生徒単独、またはクーラとのデュエットで歌われたようです。クーラも、冒頭の道化師のプロローグを含め、5曲を歌っています。

●道化師(レオンカヴァッロ)から、プロローグ・・・ホセ・クーラ 
Pagliacci(RUGGERO LEONCAVALLO) Prologo (Si può?, si può?) – Aria of Tonio José Cura
● 同  間奏曲 Intermezzo
●ラ・ボエーム(プッチーニ) ミミのアリア・・・Barbora Řeřichová Perná
La bohème(GIACOMO PUCCINI)Sì, mi chiamano Mimi – Aria of Mimi from Act I Barbora Řeřichová Perná
● 同  ミミとロドルフォの二重唱「愛らしい乙女よ」・・・ホセ・クーラ、Barbora Řeřichová Perná
O soave fanciulla – Duet of Mimi and Rodolfo from Act I Barbora Řeřichová Perná, José Cura
●セビリアの理髪師(ロッシーニ)  序曲
Il Barbiere di Siviglia(GIOACCHINO ROSSINI)Ouverture
● 同  「今の歌声は」・・・ Dana Šťastná
Una voce poco fa – Aria of Rosina from Act I  Dana Šťastná
●カルメン(ビゼー) 「ハバネラ」・・・Barbora Polášková
Carmen(GEORGES BIZET)Habanera (L’amour est un oiseau rebelle) – Aria of Carmen from Act I Barbora Polášková
● 同  第4幕 カルメンとドン・ジョゼの二重唱・・・ホセ・クーラ、Barbora Polášková
C’est toi, C’est moi – Duet of Carmen and Don José from Act IV  Barbora Polášková, José Cura
●マクベス(ヴェルディ) 「天から影が落ちて」 ・・・Lukáš Hynek-Krämer
Macbeth(GIUSEPPE VERDI) Come dal ciel precipita – Aria of Banco from Act II Lukáš Hynek-Krämer
●イル・トロヴァトーレ(ヴェルディ) マンリーコとアズチェーナ二重唱「母さん……眠らないの?」・・・ホセ・クーラ、 Ester Pavlů
Il Trovatore(GIUSEPPE VERDI) Madre, non dormi – Duet of Azucena and Manrico from Act IV Ester Pavlů, José Cura
●リゴレット(ヴェルディ) 「女心の歌(風の中の羽根のように)」・・・Ján Kostelanský
Rigoletto(GIUSEPPE VERDI) La donna è mobile – Aria of the Duke of Mantua from Act III Ján Kostelanský
●運命の力 (ヴェルディ) 序曲
La forza del destino(GIUSEPPE VERDI) Ouverture
●ドンカルロ(ヴェルディ) エボリのアリア・・・Ester Pavlů
Don Carlo(GIUSEPPE VERDI) O don fatale – Aria of Eboli from Act IV Ester Pavlů
●アイーダ(ヴェルディ) アムネリスとラダメスの二重唱・・・ホセ・クーラ、Alžběta Vomáčková
Aida(GIUSEPPE VERDI) L’abboirita rivale a me sfuggia – Scena and duet of Amneris and Radames from Act IV Alžběta Vomáčková, José Cura

プラハ交響楽団のHPに、当日の様子の写真が掲載されましたので、紹介したいと思います。

****************************************************************************************************************************************

道化師のプロローグを歌うホセ・クーラ


ラ・ボエームのロドルフォとミミの二重唱でしょうか?




腕をつかみ、厳しい表情をしているところをみると、カルメンのラストシーンのようですが。




実は、インスタグラムに、この公演をご覧になった方が、カルメンのラストのデュエットでのクーラの歌声をほんの少しですがアップしています。
 → リンク 下の画像をクリックしてください。音量が大きいのでご注意を。


たぶん、トロヴァトーレのラストシーン、マンリーコとアズッチェーナの二重唱。若いメゾに対し、実年齢は父親のようなクーラが息子役です。




アイーダの、アムネリスとラダメスの二重唱のようです。クーラが日本デビューしたのがこのラダメス。もう20年近く前ですね。



●マスタークラスの若手アーティストについて、インタビューから抜粋

Q、あなたのマスタークラスの今年の卒業生の中に、とても才能があり、メトロポリタンオペラの未来のスターかもしれない人は?

A、私は名前を言うつもりはないし、誰も傷つけたくない。なぜなら、もちろん、どのグループでも、そこにはより才能をもつ人、より良いテクニックを持つ人がいて、また別の人はより良い声を持っている。
ここにも、才能のある若い若者がいて、彼らは世界クラスであり、この先に大きな未来をもっている。
しかし、それらのうちのだれがメトロポリタンオペラ(MET)のスターになるかどうかを評価することを、あえてするつもりはない。主としてMETはビジネスに関するものであり、そしてショービジネスの世界においては、ただ芸術についてではなく、それが必ずしも最高の才能を規定するわけではない。
これはまったく別の話であり、それはまったく別の会話になる。
時には、一部の人々が、声は衰退していてもまだそれでも歌うキャリアを続けたと聞く。ビジネスはビジネスだ。


指揮者とハグして、健闘をたたえあうクーラ。


終演後のサイン会で。






プラハ響がアップしたクーラのインタビュー動画。マスタークラスの生徒たちなどについて語っています(英語)。
José Cura - Prague Symphony Orchestra


José Cura - Prague Symphony Orchestra


同じくクーラのインタビュー動画、言語と歌、ラテン系の言語の特徴についてなど(英語)。
José Cura + Prague Symphony Orchestra



**********************************************************************************************************************

コンサートは大成功で、終演後はスタンディングオベーションだったとのことです。レビューでは、マスタークラスの生徒たちも、歌にパッションがあったと絶賛されていました。動画や録音がないのがたいへん残念です。

いつもクーラがマスタークラスをするにあたってのスタンスは、声楽の技術的なことは自分には教える権限がない、それは生徒自身が先生とともに開発するべきことであり、自分が教えるのは、これまでの経験をふまえ、オペラの歌の解釈とドラマの表現について重点をおく、というものです。だからこそ、生徒の歌にパッションが感じられたということは、先生であるクーラへの大きな賛辞でもあると思います。

こうしたマスタークラスをやるのは、クーラ自身も大好きで、アーティストの責任としても積極的に取り組みたいと考えているようです。今後も、世界各地でこうした機会が増えてゆくことと思います。日本でも実現したら素晴らしいと思うのですが・・・日本のオーケストラのなかで、クーラにレジデントのオファーをしてくれるところがないものでしょうか?





*画像は主にプラハ交響楽団のHPからお借りしました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2011年 ホセ・クーラ 回... | トップ | ホセ・クーラのクリスマス・... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。