人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2016年 ホセ・クーラ ウィーン国立歌劇場にデビューから20年 / Jose Cura 20th anniversary in Vienna

2016-12-02 | オペラの舞台―その他

*2010年、K.S.(オーストリア宮廷歌手)の称号を受けた時の写真


ホセ・クーラは、現在(11月27~12月6日)、ウィーン国立歌劇場でプッチーニの西部の娘に出演中です。  → 12月3日にはライブストリームあり

実はクーラは、このウィーン国立歌劇場にデビューして、ちょうど今年2016年で20年を迎えました。
クーラのハウスデビューは1996年11月、プッチーニのトスカのカヴァラドッシでした。

以来20年間、クーラは、トップテノールとして、世界中のオペラ劇場で歌い演じるなかで、ほぼ毎年、ウィーンに戻り、何年か出演のない年はありましたが、毎年のようにウィーンの舞台で立ち続けてきました。
こうした功績を称えて、2010年には"Österreicher Kammersänger"=K.S. (オーストリア宮廷歌手)の称号が付与されました。
トップの写真が、その際のものです。

先日、クーラは、ウィーンデビュー20周年を記念して、FBページに、ウィーンに縁の深いマーラーの交響曲第2番をクーラが指揮した全曲の動画をアップしてくれました。昨年、ポーランドのノヴィ・ソンチでの演奏ですが、クーラのマーラー、そしてウィーンへの深い敬意を表すものだと思います。
 → クーラの動画ページへ




この20年、クーラのキャリア上では、さまざまなことが起こりました。大ブレーク、世界のメジャー劇場へのデビュー、そして自分らしい芸術の道を歩みたいという思いからエージェントを離れ、独立、様々な困難に直面しますがそれを乗り越え、年を重ね、経験をつみ、アーティストとして、歌手、指揮、演出、舞台デザインなど、多面的に能力を発展させてきました。
ウィーンでも、オペラ指揮者としてデビューし、蝶々夫人を指揮しています。

 → 商業主義の商品にならないと独立独歩の道を選択したクーラの決断についてはこちらを  「ホセ・クーラ スターダム、人生と芸術の探求」
 → 世界的キャリア以前の歩みはこちらを  「ホセ・クーラ 音楽への道」

この20年の機会に、これまでのクーラのウィーンでの公演を振り返ってみたいと思いました。クーラには、残念なことに、ウィーンの舞台の正規の録音・DVDはありません。Youtubeなどの録音・録画と画像を紹介します。


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――ホセ・クーラ、ウィーン国立歌劇場デビューから、20年の歩み

ざっとクーラのHPやネット上の情報からピックアップした、ウィーンでのクーラの出演です。
見落としや間違い、実際はキャンセルなどもあるかもしれませんが、そこはご了承ください。

・1996 November / Tosca Theater Debut
・1997 March,June / Fedora Giordano
・1998 October,November / Fedora Giordano
・1998 September / Carmen Bizet
・2001 January,February / Otello Verdi
・2001 March / Tosca Puccini
・2001 May / Pagliacci Leoncavallo
・2002 January / Pagliacci Leoncavallo
・2003 September / Hérodiade Massenet
・2003 March / Tosca Puccini
・2004 February,December / Andrea Chénier Giordano
・2004 November / Stiffelio Verdi
・2004 November / Pagliacci Leoncavallo
・2005 October,November / Le villi Puccini
・2006 May / Madam Butterfly Puccini / Conductor
・2006 May,September / Le Villi Puccini
・2007 November,December / Tosca Puccini
・2007 November,December / Norma Bellini
・2008 February,March / Pagliacci Leoncavallo
・2008 November, December / Tosca Puccini
・2009 February Stiffelio / Verdi
・2009 February, March / Carmen Bizet
・2009 April, March / Tosca Puccini
・2010 February / Tosca Puccini
・2010 February / Cavalleria rusticana Mascagni & Pagliacci Leoncavallo
・2010 November, December / Manon Lescaut Puccini
・2011 June / Cavalleria rusticana Mascagni & Pagliacci Leoncavallo
・2012 March,April / Tosca Puccini
・2013 May / Andrea Chénier Giordano
・2013 September / Otello Verdi
・2014 September / La fanciulla del west Puccini
・2016 November, December / La fanciulla del west Puccini


こうしてみると、圧倒的にトスカが多いのがわかります。ここにあるのを数えると、8シーズン、歌っているようです。
以下、録画録音などをあわせて紹介します。

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●1996年11月 ウィーン国立歌劇場デビュー プッチーニのトスカ カヴァラドッシ役

クーラのウィーンでのオペラデビューは、プッチーニのトスカ。この時トスカはマリア・グレギーナでした。
クーラは、34歳になる直前。録音だけですが、まだ若々しく、ういういしい歌唱です。

第1幕「妙なる調和」 Jose Cura "Recondita armonia" 1996 Tosca


第2幕 トスカとカヴァラドッシの二重唱 Jose Cura 1996 Tosca Act 1 duet


第3幕 カヴァラドッシ「星は光りぬ」 Jose Cura 1996 E lucevan le stelle Tosca


●1997年、98年 ジョルダーノのフェドーラ ロリス役



●1998年 ビゼーのカルメン ドン・ジョゼ(ホセ)役



●2001年 ヴェルディのオテロ・タイトルロール、プッチーニのトスカ、レオンカヴァッロの道化師 カニオ役

   

●2002年 レオンカヴァッロの道化師 カニオ役

●2003年 マスネ―のエロディアード ジャン役

 

Massenet Herodiade Wien Staatsoper 2003/Final Part 1


Massenet Herodiade Wien Staatsoper 2003/Final Part II


●2003年 プッチーニ トスカ

●2004年 ジョルダーノのアンドレア・シェニエ タイトルロール



●2004年 レオンカヴァッロの道化師 カニオ役

●2004年 ヴェルディ スティッフェリオ タイトルロール

 

●2005年、2006年 プッチーニの妖精ヴィッリ ロベルト役(プルミエ)

 

Jose Cura "Torna ai felici dì" Le Villi 2005


●2006年 指揮者として、プッチーニの蝶々夫人でウィーン国立歌劇場デビュー

 

●2007年 プッチーニ トスカ

●2007年 ベリーニのノルマ ポリオーネ役 グルベローヴァ、ガランチャとの豪華キャスト

Jose Cura "Meco all`altar di Venere" Norma 2007


Edita Gruberová , Elina Garancha , Jose Cura Norma act1 trio 2007


●2008年 レオンカヴァッロの道化師 カニオ役

●2009年 ヴェルディ スティッフェリオ タイトルロール

●2009年 ビゼーのカルメン ドン・ジョゼ役

カルメンはカサロヴァ、第2幕、カルメンとの二重唱と「花の歌」
Vesselina Kasarova, Jose Cura Carmen Act 2 Duo & "La fleur que tu m'avais jetée" 2009


●2009年 プッチーニ トスカ



●2010年 プッチーニ トスカ

José Cura - "E Lucevan Le Stelle" - Tósca 2,2010


●2010年 カヴァレリア・ルスティカーナ、道化師のダブル主演

José Cura Pagliacci 02/2010


José Cura - "Recitar!.. mentre preso dal delirio" - Pagliacci 02/2010


José Cura - "No, pagliaccio non son"- Pagliacci 02/2010


●2010年 マノン・レスコー デ・グリュー役

José Cura - Manon Lescaut - Donna non vidi mai


●2010年 オーストリア宮廷歌手の称号を授与される

La Ópera de Viena premia la carrera del tenor José Cura


●2011年 カヴァレリア・ルスティカーナ、道化師のダブル主演

José Cura - Cavalleria rusticana - Mamma, Mamma! 6.2011


José Cura - Pagliacci - No, Pagliaccio non son 6.2011


●2012年 プッチーニ トスカ

 
 
●2013年 ジョルダーノのアンドレア・シェニエ

Jose Cura "Come un bel dì di maggio" Andrea Chénier 2013


●2013年 ヴェルディのオテロ

クーラのオテロに、イアーゴはホロストフスキー、デズデモーナはアニヤ・ハルテロスという豪華キャスト
  

Dmitri Hvorostovsky , José Cura - Era la notte ... Si pel ciel marmoreo giuro 9,2013


●2014年 プッチーニ 西部の娘 ディック・ジョンソン役



●2016年 プッチーニ 西部の娘 ディック・ジョンソン役



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以上、20年分なのでたいへん長くなってしまいました。クーラのキャリアの大部分、ともに歩み、舞台に立ち続けてきたウィーン国立歌劇場。
今回、はじめてクーラの西部の娘が、ライブストリーミングで映像化されます。あれだけ多く歌い続け、クーラの十八番ともいわれてきた役柄でありながら、正規の映像がなかったので、本当にうれしいです。

今回のウィーンの出演中、12月5日に、クーラは54歳の誕生日を迎えます。
1991年にアルゼンチンからヨーロッパに移住してから25年、ウィーン国立歌劇場デビュー20年。大きな節目を迎えて、ますます、これからも、歌に、指揮に、演出、舞台デザインなどなど、立ち止まることのないアーティストとして、全面的な活動をすすめていくことと思います。



コメント (2)
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