第5節 臨産
臨産に至れば産婆(只産に経験の在る婆)及び近隣の婦女二三人産婦の両肩及び腰邊を扶翼し、産婆は仔が出つるのを待って手を以て之を接受し臍帯を断ちて布に包む、一面傍らの人産婦を介抱し床上を清め産婦を被(ポエ)・(布団)に靠(もた)らしむ、此の時四壁風の入るを防ぎ、力めて安静を保たしむ、産婦は逆上其の他眩暈に陥り易きを以て酢を焼き之を嗅がしむること一日数囘す、また未だ食物を取らざる幼児卽乳児の溺(いばり)に熱酒を混じて飲ましむ、之を精神を興奮せしめ血暈等に罹らしめざる為の予防なり、之を安胎薬(アヌタイイオ)と云ふ、又人参を用ふるものあり
臨産に至れば産婆(只産に経験の在る婆)及び近隣の婦女二三人産婦の両肩及び腰邊を扶翼し、産婆は仔が出つるのを待って手を以て之を接受し臍帯を断ちて布に包む、一面傍らの人産婦を介抱し床上を清め産婦を被(ポエ)・(布団)に靠(もた)らしむ、此の時四壁風の入るを防ぎ、力めて安静を保たしむ、産婦は逆上其の他眩暈に陥り易きを以て酢を焼き之を嗅がしむること一日数囘す、また未だ食物を取らざる幼児卽乳児の溺(いばり)に熱酒を混じて飲ましむ、之を精神を興奮せしめ血暈等に罹らしめざる為の予防なり、之を安胎薬(アヌタイイオ)と云ふ、又人参を用ふるものあり