別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

誰が袖

2007-02-23 | アートな時間


  志野と織部-風流なるうつわ (出光美術館)を見に行く。  雨。 思った通りすいている。

  上写真       「重要文化財 鼠志野茶碗 銘 峯紅葉 桃山時代」
 この色、 風合い たまらなく好き。 亀甲の文様も絶妙の配置、 顔を近づけじっと見つめる。 縁のカーブも柔らかく箆で削ったあとが味わい深い。 門外漢にも美しい量感が分かる。

 少し先で 鑑定団でおなじみのN氏も鑑賞中。 あっと声をかけそうになるが、やめます。  

   案内により とくに器の形や文様に注目する。 
 四方形、 菱形、 扇面形、千鳥形。 州浜形などスケッチした。 
 模様には 亀甲、千鳥、網干アボシ、籠目、 草樹、車輪、橋、 結界を意味する門木や垣根 など。 

 楽しいのは 「吊し」と呼ぶ干し柿が下がったような、しめ飾りのような。 瓔珞ヨウラク、枝垂れ、揺らぎなど。 それらは着物の柄にもなっている。 絵巻や屏風のなかにも発見する。 
            -☆-

 下の写真  織部千鳥文誰ヶ袖形鉢  桃山時代   (絵はがきから)

   誰が袖 が気になって、 さっそく調べた。 やっぱりこの歌
 
  色よりも香こそあはれとおもほゆれ  たが袖ふれしやどの梅ぞも 
           古今・春上  

  室町時代、この歌をもとに名づけた匂い袋 「誰が袖」が流行ったそうだ。 
 片袖を忌むことから、二つを長い紐の両端につけ、 着物のなかを通して両方の袂に入れていた。 

 深いみどりの淵に 柳が揺れる 千鳥が遊ぶ水面  この誰が袖に惹かれます。
 匂い袋の形からうまれた 誰が袖形。 その風雅な趣。   

 大胆で自由な造形、 歪みや奇抜な意匠にあこがれた。 温度が決める黒織部や黄瀬戸などにふれ 刺激を受けた。  詳しいことは Takさんの頁へ、たくさんの 写真が見られます。 おなじことを書いてもこれほど違う…

    おなじ日 上野でベルト・モリゾにも会った

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