スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

舌切りすずめ病床雑記

2012年12月14日 | 雑感

葛飾北斎図 『舌切りすずめ』

丁度二年前の12月、3ヶ月の入院を余儀なくされた。
病名は舌ガン。診断の翌日入院となる。

連日の検査を経て、放射線治療・抗がん剤点滴を三週間続け、手術で舌の半分を切除、、、
そんなに悪いことをしていないのに 『舌切り雀』 状態とは、、、これも運命か!?

既に転移していたリンパ(首周り)に加え甲状腺の半分も切除した。
舌には左腕からの肉を移植、腕には右足太ももの皮を移植。手術時間8時間。麻酔で手術した翌々日昼頃まで眠らされていたようであった。 
それにしても医療技術の進歩は凄いものである。

後日仲間から、あの世はどうだった?と言われたが、残念ながらあの世のことは覚えておらず
、、、ほんとに惜しいことをした。


聞くところによると、、麻酔で54時間後に目が覚めたら勿論筆記ですが、、暑い!痛い!を連呼し、
ベッドから起きようと無理難題を言って周囲を困らせていたようである。
(麻酔から覚めたら意識朦朧で全身のチューブを外そうとする患者もいるそうである)

私の入院していた病棟は、そのほとんどがガン患者であり、私と同類の病名ほか、
肝臓・肺・頭に転移した人などいろんな方が入院していた。

末期ガン患者はいないものの、”今度は頭に転移さ!”なんて軽口を言っている患者もいた。
心の中では本当のところ、いかなる思いなのかは察することはできやしないが、、、。

ベッド横のロッカーに銀河宇宙の星々の写真を貼り(雑誌ニュートンの付録だったと)いつも眺めていたものだ。
ある時看護師さんに、”ーーさん何見てんの?”と聞かれ、
”死んだらどこの星に往こうかなあ!って調べているのさ”と冗談ともほんとともつかぬことを言い、
笑い合っていたことを思い出します。

放射線治療で味覚も完全に失ったことや、痰の出入り口作る為喉に穴を開けられ、
声を失い筆記での伝達などの経験もしました。

あれからもう早二年。

昨日の食事の事も忘れる今日この頃ですが、入院した一日一日のことはなぜか鮮明に覚えております。

傷の痛みや後遺症は若干あるものの、今のところ転移も見られず、日々感謝して生きなきゃ、そう思います。

舌切り雀日本昔ばなしよりぜひここクリックを

こんなことがなかったら、何十年ぶりに『日本昔ばなし』を聴くこともなかったかも知れませんから、、感謝感謝!

さあて、、、あなたは、お礼に小さいのと大きいのとどっちがいいかな!?  チュンチュン!

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