スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

しむらの色

2014年11月13日 | 雑感
今月初めNHKで放映されていた染織作家・随筆家の【志村ふくみ】さん。

どうですか この気品のある姿。 90歳だそうですよ。
二歳の時志村家の養女となり、十八歳にしてはじめて自分の両親・兄妹を知ったという。

染織に生涯をささげた人間国宝。 染色は≪植物の命を奪って色をだす≫仕事だと語る。 

  

自書『 語りかける花 』(第41回日本エッセイスト・クラブ賞受賞) にこんな言葉がありました。
(『 伝書 しむらのいろ 』 『 一色一生 』他 著書多数)

  蓮(ハス)は四日の命という。
  わずか四日の命を蓮は咲きって散る。
  少年・青年・壮年・老年と、いかに人の寿命が延びたとはいえ
  人間も所詮は四日の命に尽きるのではないか。

  ・・・・・・・・・・・・

  ある日、ほとほとと白い訪問者が訪れる。その時私たちは扉を開き、快く招きいれなければならない。
  老いとはそんなものである。

  おそらくこの訪問者は、私自身よりずっと深く私のことを記憶し、とりこぼした荷物や忘れていた
  思い出を諄々と語ってくれるだろう。
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  私はこの友と二人でお茶を飲み、時の熟する音をこころよく聴き、時には共に旅に出ることもある。
  美しいものの近づいてくる時の、鈴の音がきこえるようになるのも、、、。

  もし第五の季節があるならば、めぐり会えるかも知れない。


≪ 第五の季節 ≫ ん~ 春夏秋冬とは違う季節 あるかも知れないですね。

ドストエフスキーやゲーテそしてリルケに心酔し、人間国宝でありながら
≪ 生命という常に生存の危機にさらされているそのものの色は染め出すことはできない ≫ と謙虚に語る。


美人とはこのような人のことをいうのではないでしょうか。

志村ふくみさんの実母・小野豊さんは、あの有名な柳宗悦の民芸運動に加わり、織物をしていたという。
娘・志村洋子もふくみさんに学び、染織作家としてその道を極めようとしている。




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