スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

ロシア正教という迷路

2014年06月17日 | 雑感
相変わらずの「読書と音楽の中でのロシア旅」を続けてもう四カ月がたつ。

トルストイ短編集やツルゲーネフの『初恋』『アーシャ』などの小説もちょいちょい交えてのブラブラ旅ですが、旅を続けているうち、だんだん迷路に入り込むような感覚に襲われる。 不思議の国・ロシア。

宗教もそのひとつ。 ロシア正教という迷路に入り込んでしまった。

最近、中村逸郎著 『ろくでなしのロシア』っていう本を読んでみた。 

副タイトルに( プーチンとロシア正教 )とある。

     

”ロシア民族の根底に流れる深くて暗い河 ” とも言えるロシア正教。

キリスト教は東西に分裂後、東方教会は東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の崩壊によりその保護権がロシアに移り、
総主教制と言語の違いと共に、ロシア・ギリシャ・セルビア・グルジア正教などに分裂していった。

政教分離と近代化が進んだ西方教会とは異にして、東方教会は政治的リーダーと教会のトップとが一致する体制による特異の成長を遂げていった歴史がある。

確かにロシア正教は憲法で「宗教組織は国家から分離する」と明記されてはいるものの、、である。

スターリン時代、暗黒の宗教弾圧があったという。
1937年から二年の間ピークに達し、60万人以上もの聖職者が処刑されたともいわれる。

その後ナチスドイツからの軍事的脅威に抗するため、あるいはゴルバチョフ時代にもペレストロイカを切り崩す社会の内部抗争の脅威に抗する為と称し、幾度もこのロシア正教会は政治利用されながら生き延びてきた。

宗教はいつの時代も、時の為政者に政治利用され続ける運命なのか。

永年の宗教活動制限で財政基盤が脆弱の上、ソ連邦崩壊後、新興宗教ブームで献金額も更に激減。

経営悪化にあったロシア正教の再建策を打ち出したのがキリール総主教。 いっきにビジネス活動に着手。

ロシア正教会は、人道支援と称し安価なワイン・タバコの販売を初め、なんと石鹸・靴・菓子・洋服等々も扱ったという。

教会がこんなものも扱っていたんだ。 そうお思いでしょうが、、。

なんと驚くことなかれ。 

石油ビジネスに進出し、ロシアの原油輸出の8%を占めるにまでに至っているというではありませんか !              (『ろくでなしのロシア』より。 この本は2013年初版発行本である)

そこで密接な関係を築いたのが大統領から首相へと権力の座についた元KGBスパイのプーチンだ。 
プーチンが主導するロシア政府の管理下にある財閥との癒着・密約も取りざたされているといわれる。

イラク戦争開戦直前、正教会とフセインと会談していたといわれ、イラク支持の要請の見返りに原油の密約か。

詳細は謎のまま 公表は未だにされていないという。


ロシア正教はロシア最大の土地所有者であり、その正教会の財産が国有化されていたものを、プーチンが正教会に返還する法律の可決に注力したといわれる。(この法律は2010年可決された)

その返還の対象は2万件(動産・不動産)に達するといわれ、ロシア国内財閥の総資産も凌ぐとされる。

プーチンよ あなたは 何者? 

私の好きな? プーチンの写真を また 使わせてもらう。


     

戦争イメージ・北方領土・ウクライナ問題など形勢不利な今のロシア。 

日本国民の7割以上はロシアを好意的には思っていないという統計もあるそうです。(ロシアではその逆)


でも 音楽も詩も そして文学も 実に素晴らしい。 

ロシアに愛着を感じつつある私としては どうか善良なるロシア民族を 幸せに導いていただきたい。  

   頼むよ プーチン!

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