スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

ブラック・フラッグス

2017年10月19日 | 雑感
昨日の道新朝刊に <シリア民主軍がIS本拠地北部ラッカ解放> との見出しがあった。

我々一般市民は当然、このIS組織破綻のニュースにホッとする気持ちを持つと思うのだが、
英国・シリア人権監視団によると、なんとこのラッカ奪還作戦に市民1130人を含む計3250人超もの命が
既に失われているというではないか。 

またネット(ドイツメディア情報)では、ISはシリアの未使用パスポート台紙約11000冊を入手しており、
偽造旅券に使う可能性をも指摘、世界各地でのテロの恐怖は解放どころか増すばかりだ。


       

ちょうど 『 ブラック・フラッグス 』(上・下) という本を読んでいたところなので、少し紹介したい。 
世界的に有名なピュリツアー賞の2016年ノンフィクション部門受賞作、ジャーナリスト・ジョビー・ウオリックの名著である。

ヨルダン・イラク・シリア・アメリカを舞台に、政府・情報機関・軍とテロリスト間での激しい攻防、斬首・自縛攻撃
・誘拐・奴隷復活などザルカウィの残忍な戦術に対する本家?アルカイダの反目、イスラム法の解釈の違いや
カリフと名乗るバグダディの生い立ち、複雑に絡み合う中東問題を精緻な裏付けをもって描いた作品だ。


以前当ブログ 発禁本パートⅡ  でこんなクトゥブの言葉を記したことがある。

    『 理性にも良心にも調和しない三位一体、原罪、聖餐、贖罪などの概念を考えてもみよ。
    そして独占、高利貸し、その他の不正に基づいての資本主義を考えてみるがいい。
    利己的、自由主義、法の強制によらなければ維持できない人間的思いやりと家族への義務、
    精神を退化させる物質重視の態度、男女交際の自由という名の野獣的行為、女性の解放という
    下品さ、実践生活の要求に対し不公正で煩わしい維持と離婚にかかわる法律に、邪悪で狂信的
    な人種差別、これらすべてに注意せよ 』 
・・・と。  

テロを続けるISは、確かに世俗の欧米中心の世界からするとガン細胞かも知れません。
ガンはDNAが傷つけられてはじめて悪性(ガン細胞化)に変化するという特質をもつ。


植民地略奪しかり、各国に蔓延る貧富の差しかり、大国・為(偽)政者のエゴの歴史を見るがよい。 
そこのところの摘出手術が先だ。  ガンだって細胞である限り、生きる権利はある そう思う。

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