スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

三途の川

2017年03月30日 | 雑感
流れる川に身をまかせ 洗い清められるか 罪業の数々。 

三途の川を渡るべく、昔むかし修錬に励んだことがあるのです。  見立ては札幌・豊平川の中流。

穏やかな支流に乗り込んだはいいが、流れが早すぎ戻るにも戻れないと気づく、が もうもとの黙阿弥。 
そのまま本流に突入。  実はこれ 六文銭でカヌーを買い、初めて浮かべた川なのでした。(湖では少し)

水面は菩薩の如くのさらさらとした静かな流れだが、底はまさに荒れ狂う夜叉の如し。

カヌー語でひっくり返ることをチンという。 激流に飲み込まれ当然の如くあえなくチン。 
逆さまになりながら身体を抜き、流れに身を任せ後尾にまわる、とここまでは必死に基本をなぞる。

数十メートル流されたのだろうか ” 助けて下さ~い ” そう叫んでいる自分がいた! 
岸辺でカヌーの練習をしていたグループがいたのだ。 人間 修羅場にくれば神だのみ とはよく言ったものだ。 

しかも思い起こせば <敬語> を使っているではないか。 こんな時にも育ちの良さがでるものなのか。 

助けられ岸辺を少し歩いたが、ここで止めとけばいいものを また勇敢 ? にも乗り込んでしまった。
当然の如くふたたびチン。  今度は激流に押し戻され、岸辺に伸びた太い木に助けを求める。
 

ゴーゴーと唸る川。  川の水は風のように強弱も無いのだ。  水の重さと強さを初めて知った。
必死に支えていたが遂には力尽き、カヌーとパドルを手放し、身だけを大木に委ねなんとか這い上がった。

         
                   三途の川を渡るスノーマン
            これ実は湖で撮った写真、背景を少し修正している


     世の中を 何に譬(たと)へむ 朝開き 漕ぎ去(い)にし船の 跡なきごとし 
                                     万葉集・沙弥満誓(さみまんぜい)

これだけ命がけで修錬すれば、三途の川はカヌーでなんとか渡ることは出来るとは思うのですが、
やはり銀河の彼方へは川を渡らず、予定通り函館山頂上から銀河鉄道で向かうこととする。 チーン!



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