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高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

【NHKニュース】日本版GPS衛星本格打ち上げへ 誤差数センチに

2017年04月06日 | GNSS/QZSS情報
NHK TVニュースで昨日夜に放送されたQZS後継機のニュースがNHKニュースサイトに上がっていますので、ご紹介します。
2週間もすれば削除されますので、写真とスクリプトを記録します。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170405/k10010938241000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001



日本版GPS衛星本格打ち上げへ 誤差数センチに
4月5日 19時09分

スクリプト開始:

アメリカのGPS衛星と組み合わせて利用することで、カーナビなどの性能を飛躍的に高める日本版のGPS衛星「みちびき」が、この夏以降、本格的に打ち上げられることになり、衛星の機体が公開されました。「みちびき」を利用すれば位置情報の誤差はわずか数センチ程度になり、車や重機、ドローンの自動運転など新たな技術の開発につながると期待されています。
日本版のGPS衛星、「みちびき」の機体は、茨城県の筑波宇宙センターで公開されました。「みちびき」は、幅3メートル、高さ6メートルで、地球の上空、高度およそ3万キロに打ち上げられます。「みちびき」は、1つの機体が1日当たり8時間程度、日本付近の上空にとどまる特殊な軌道を飛行し、4機以上打ち上げれば、常に複数の機体が必ず日本付近の上空を飛行する状態になります。

位置情報を得られる衛星として世界的に広く利用されているアメリカのGPS衛星は誤差がおよそ10メートルあるのに対し、アメリカのGPS衛星と日本のみちびきを組み合わせて利用すれば、誤差はわずか数センチ程度とカーナビなどの性能が飛躍的に高まります。

産業界では、「みちびき」を利用することで、自動車の自動走行や、トラクターなどの農業用機械や建設現場の重機の自動操作、それにドローンによる自動での物資輸送など、新たな技術の開発につながると期待されています。

「みちびき」は、7年前に1号機が打ち上げられていて、ことしの夏以降、本格的に打ち上げられることになり、2号機、3号機、4号機の合わせて3機がことしの秋ごろまでに打ち上げられる予定です。いずれの打ち上げにも成功し、4機体制が整えば、日本版GPS衛星の「みちびき」は、来年4月から実際の利用が始まることになっています。

「みちびき」がひらく可能性
日本版GPS衛星の「みちびき」によって位置情報の誤差が数センチになることから、さまざまな分野で機器の自動運転が可能になり、私たちの暮らしや産業を大きく変える可能性があります。

このうち、農業の分野では、北海道大学がトラクターを無人で操作する技術の開発を進めています。「みちびき」を利用することで、トラクターが自動で農場の中をほぼ正確に走行できるようになるほか、種まきから収穫までほとんどの農作業を自動化でき、高齢化とともに人手が不足している農業の現場を大きく変えると期待されています。

また、建設の分野でも、大手ゼネコンや建設機械メーカーが「みちびき」を利用して工事現場の重機を自動で運転できるようにする研究を進めています。人手不足の解消につながるだけでなく、熟練の技術が必要と言われる難しい操作も重機が自動でできるようになると期待されています。

このほか、物流の分野では、経済産業省が離島を対象に、船を運航しなくても物資を輸送できるよう、「みちびき」を利用してドローンを自動飛行させる研究を進めていて、去年11月には、熊本県の天草諸島で実際に加工食品をドローンで輸送する実験も行っています。

さらに、高齢者や障害がある人など、歩行者への支援を行うようなナビゲーションシステムへの応用も検討されています。

中国 インドも打ち上げ 日本との競争も
GPS衛星と同じように位置情報を得られる衛星をめぐっては、中国やインドなどでも開発が進められ、特に中国は、アジア各国向けに中国版GPS衛星に関連した新しい機器を売り込もうとしていて、今後、日本との間で競争になる可能性があります。

内閣府の宇宙開発戦略推進事務局によりますと、位置情報を得られる衛星としては、アメリカが31機体制で運用しているGPS衛星が、世界で広く利用されていますが、ロシアも「GLONASS」(グロナス)を24機体制で運用しています。また、ヨーロッパが「Galileo」(ガリレオ)をこれまでに18機打ち上げて去年から運用をはじめ、2020年までに30機体制にすることを目指しています。さらに、中国も「北斗」という名前の衛星をこれまでに20機打ち上げ、2020年までに35機体制にすることを目指しているほか、インドも「NAVIC」(ナビック)という名前の衛星を去年までに7機打ち上げすでに運用を始めています。

このうち、中国は、中国版GPS衛星に関連した新しい機器を東南アジアなど海外に売り込む考えで、日本が今後「みちびき」を利用して開発し、海外の市場に売り込もうとする新たな機器との間で、競争になる可能性があります。また、専門家によりますと、中国は東南アジアの各国に中国版GPS衛星を利用するための技術的な支援を行っているということで、各国版のGPS衛星をめぐっては、今後、どのくらい広く利用されるかが、国際社会の中での存在感にも関わる可能性があります。

スクリプト終了:

QZS-2の打上げは夏以降ということです。このニュースでは打上げ時期は不明瞭ですが、おそらく9月以降なのでしょうね。もうしばらく皆さんお待ち下さい。こういうカウントダウン的なNHKニュースの出し方は良いと思います。だんだんQZS-2,QZS-3の打上げが近づいていますよと国民にアナウンスするのは重要です。

そして本サイトなどがネットユーザとの間のブリッジの役を果たすことで良いと思います。

いま話題のドローンの飛翔ナビ精度の高精度化もしっかり入っていますよ。ドローン編隊飛行の航路をセンチの精度で制御できればUSスーパーボウルでのインテルの編隊飛行よりも評価されるでしょう。日本の美しいドローン編隊飛行を早く見たいものです。

またスクリプトの最後の段落は重要です。

当ブログが主張していることと重なっています。是非とも来年5月の日本首相が議長の「太平洋・島サミット」をQZSS/GNSS技術支援の場として利用すべきです。人口9万人のトンガ王国でも1国に数えられます。皇室ご一家がしばしばトンガ王室を訪問されており、非常に親日的です。

またこの地域は人口は少ないですが、広大な経済水域を有しています。広大な海洋や航空までふくめると大衆的なGNSS技術の果たすべき役割は非常に大きい地域です。サミット15カ国の主導権を日本側が握れば15カ国を一気に稼ぐことができます。


また、中国は当然BDSSと中華スマホの大衆的な組合せを必ずアピールしてきます。日本QZSSサイドもスマホユーザをいつまでも失望させておいては良いことは何もありません。貪欲にあらゆる手を講じて、スマホQZSS受信環境を改善する努力をするべきでしょう。