3月17日(入院27日目)
有難いことに大嫌いな3食お粥に代わって退院までずっと主食は朝8枚切りの生パンにジャム、昼は温かいうどん、夕食は冷たい素麺になりました。
パンはトーストにしてはちみつか血糖値を上げないオリゴ糖やマービージャム、麺類も家で食べているようにほうとう、きしめん、ひや麦、にゅうめんなどバラエティがあればと思いますが入院の身にとってそれはぜいたくというものでしょう。
飲み薬の管理を看護師がしてくれるのはいいのですが、看護師が忙しいと食直前や食後30分以内に飲まなければならない薬をなかなか持ってきてくれないことがあり、そのたびに緊急押しボタンを押すのも悪い気がしてイライラします。
食欲が出て少し元気が戻ってきました。
食べ物の力は大きいと感じます。
入院患者の中には歩けず寝たきりの人、ほとんど食べれない人もおられるようで、曲がりなりにも歩けて食べれることはどんなに有難いことかと思います。
はじめて爪を切りました。
ベッドの背を少し持ち上げて寄りかかる姿勢はお腹にとって楽ですが寝るときは真っ平にして寝るのが体が一番休まるように思います。
3月18日(入院28日目)
入院して早や1ヶ月が経ちました。
時おり廊下を掃除する大型掃除機の排気が部屋の中に充満し空気を汚します。
掃除しているというよりまるで粉塵をまき散らしています。
入り口のドアを閉めに行く元気がありませんのでされるがままです。
ドアが開いている場合は閉めてからやってほしいものです。
広大な大病院ですがそれでも医療設備の置き場に困っているのでしょうか、私の病室の前の廊下一帯はストレッチャー置き場になっていて夜間にロックの掛け外しの大きな音がしてびっくりしてしまいます。
またリハビリの先生に付き添われた患者が歩きながらかん高い大声で話す声も非常に耳障りです。
このあたりはもっと改善できないものかと思います。
午前中体に造影剤を入れてレントゲンで見ながらドレインの管を短いものと差し替えお腹の浅い位置に固定することになりました。
この日で点滴は完了、点滴の針が抜けあとはドレインの管1本だけとなりました。
これでやっとうっとうしい点滴スタンドを持ち歩かないで済みます。
私の分身であるドレーン液を入れたポシェットは点滴スタンドの代わりに首にぶら下げて歩きます。
3月19日(入院29日目)
今日はリハビリの先生、都合でお休みのため自分で廊下を歩いてみました。
スタッフステーションのところまで行って廊下を1往復するだけで息が切れてしまいます。
だいぶ休まないと2往復目のスタートができません。
このあたりの桜は現在2、3分咲きとのこと、桜が咲いている間に退院できるでしょうか、桜と競争です。
別の病院でしたが20年以上前私の母が4月はじめ入院していた病室から見える桜が満開で、桜が好きな母はたいそう嬉しそうに喜んでいましたがすぐそのあと手術で亡くなってしまったことを思い出します。
3月20日(入院30日目)
夕食前に大きな地震があり、すぐ家内に携帯で安否を確認しました。
この病院は頑丈な耐震構造になっていて安心とのこと。
今日は春分の日、夕食に何と何と大きな抹茶まんじゅうが出ました!
糖尿病患者に果たしてこんな甘いものを出して良いのかどうか、甘いもの大好き人間としては目の前にこんなものが出てくれば食べずにはおれません、おいしかったこと、おいしかったこと。
思わず次の祝日はいつかと考えてしまいました。
3月21日(入院31日目)
点滴がなくなるとめっきりトイレの回数が減り夜もよく眠れるようになりました。
看護師さんの中でもいろんなことを頼みやすい人、経験の浅い人、仕事の雑な人、いつもていねいに接してくれる人、いろいろです。
いい人が私の当番になった日は心から安心して過ごせます。
ドレーンの中身が大分透明になってきました。
このドレーンが抜ければ退院ということになるのだろうと思います。
3月22日(入院32日目)
この日のリハビリは2階のリハビリセンターまでリハビリの先生に付き添われて歩いて行きました。
歩く距離を伸ばそうという作戦です。
エレベータを待っている間などずっと立っているのがとてもしんどくつらいです。
体重を測ると手術前に比べて5キロも痩せていました。
夕食に私の大好きなエビチリが出ましたが、脂肪抜きで味はイマイチでした。
3月23日(入院33日目)
全身シャワーができないのでスタッフさんに洗髪してもらいました。
洗髪室はコインランドリーのある部屋にあります。
手術直前に自分で洗髪して以来でしたので、ドライヤーもかけてもらってさっぱりしました。
今日もリハビリセンターまで歩いて行き、屋外のウッドデッキに出てみました、
入院して初めて屋外の空気に触れました。
遠くに桜の開花が確認できました。
3月24日(入院34日目)
この日はなぜだかミスが3つ続きました。
朝食前に血糖値を測りましたが、しばらくしてまた別の看護師が測りに来ました。
指先に針を刺すのは痛いですから2度もやりたくありません。
どうもこの看護師のPCには前の看護師が測った血糖値のデータがうまく転送されてなく、まだ血糖値を測っていないと思ったようです。
また医師の指示でドレーンに陰圧をかけないで様子を見ることになりましたが、そのあと来た新米の男性看護師が陰圧をかけてしまい私が気付いてあわてて修整してもらいました。
医師の意図がうまく伝わっていなかったようです。
この状態で徐々にドレーンを抜いてゆき完全に抜ければ治療完了ということのようです。
3つ目は夕食に楽しみにしている主食の素麺がついていなかったことです。
珍しいミスです。
あわてて頼みましたが、配膳前に十分チェックしていなかったのでしょうか。
3月25日(入院35日目)
ドレーンのチューブは体内に約20センチ入っていて、毎日約3センチくらいづづ切って抜いてゆくのだそうです。
とするとあと1週間くらいかかりそうな計算、少なくともこれより早くは退院できそうもないことになります。
室内のゴミ箱をベッド脇に置いておくのは靴を履くときなどに邪魔ですし遠すぎて不便ですのでベッド付属の移動テーブルに看護師さんがビニール袋をごみ箱代わりにテープで貼り付けてくれました。
よく気の付く看護師さんです。
これはなかなか便利です。
ごみ袋が一杯になったので部屋の掃除に来てくれた人に袋ごと捨てて新しい袋をお願いすると、テーブルの上のことは看護師さんの仕事で勝手にいじることはできないとの返事でした。
因みにテーブルにはメモ用紙、資料、筆記具、薬箱、シェーバー、携帯、ラジオ、除菌シート、マスク、ティッシュ箱、うがいのコップ、歯磨き粉、歯ブラシ、つまようじ、麦茶の入ったコップ、体温計などが所せましと置いてあります。
3月26日(入院36日目)
看護師さんの中にはドレーンからの液漏れのためのガーゼ交換の折テープでガーゼを止めながらクセなのでしょう、ガーゼの上をポンポン叩いてリズムをとる人がいます。
傷口の上を叩かれると痛いのです。
私の肌はかぶれやすいので親切な看護師さんは強い粘着力のあるテープを直接肌に貼らないで粘着力の弱いテープをいろいろ探してきてまずそれを肌に貼ってからその上に粘着力の強いテープで補強するということをやってくれます。
雑な、あるいは次がつかえていて急ぐ看護師は粘着力の強いテープを構わず直接肌に貼って、はがす時もゆっくりていねいにやらないでバリバリバリとやります。
3月27日(入院37日目)
早朝7時頃から廊下を一人でリハビリ運動のため歩いている人がいます。
たいていシャッシャッとこんなに歩けるんだぞと自慢げ?に音を立てて歩いています。
もう少し静かに歩いてほしいものです。
ドレーンの管が抜ければシャワーもOKとのこと、今まで穴が開いていた所がいきなり塞がるのか心配で私はとてもすぐシャワーを浴びる気にはなれませんでした。
糖尿病治療は入院前までは薬だけでした。
退院後も薬だけの場合、薬とインスリン注射の併用、インスリン注射のみと治療法が分かれますが、私の場合は併用になるようです。
注射の場合、血糖値測定をやらなくてはならないのが何とも煩わしいです。
食後飲む薬を食前に用意してくれる場合、食事と一緒に持ってきてくれる場合、食後に持ってきてくれる場合などその時の担当看護師によっていろいろですが、食後1時間もしてから持ってくる場合、緊急呼び出しボタンを押してやっともってきてくれる場合もあります。
3月28日(入院38日目)
看護師が体温、血圧、血糖値などを測りに来たりリハビリしたり、検査のため採血やレントゲンを撮ったりする以外ほとんど何もすることがなくベツドに横になっていることが多く、たまには椅子に座ってテレビを見たりベッドでラジオを聴いたり携帯で電話やメールしたりしますがすぐ疲れてしまいます。
本はほとんど読みませんでした。
3月29日(入院39日目)
外科の先生は本当に忙しそうです。
一般外来の診察、手術、集中治療室や入院患者の見回り、土、日も交代で朝早くから夜遅くまで、体が強健でないと務まりません。
主治医の先生から4月1日には退院できそうとのお話でした。
2月の入院費を1階会計で支払ってきました。
3月30日(入院40日目)
午後2回目の栄養指導、1回目のとき家内と脂質制限について詳しく聞きましたので、今回は私だけで特に糖質制限についてよく説明していただきました。
退院してからの家内の料理の参考にと、入院中に出た脂質制限食の主菜、副菜メニューをメモしておきました。
100種類以上になりました。
最後1本残っていたドレーンの管が抜け、これで体は完全に自由の身となりました。
コロナワクチンの接種が始まりますのでこんな体で打ってよいのかどうか主治医の先生に聞いた所問題ないとのことでした。
3月31日(入院41日目)
低血糖になったとき自宅で飲むブドウ糖、グリコレスキューをローソンで購入。
いつもすぐ飲めるところに置いておかなくてはなりません。
3月分入院費概算請求書が届きました。
入院最後のシャワーを浴びました。
いよいよ明日朝退院、荷物をまとめました。
4月01日(入院42日目) 退院日
手術からちょうど1ヶ月目、最後の朝食、1階の会計で3月分の支払いを済ませスタッフステーションの看護師さんたちにお礼とお別れの挨拶、名残惜しくても「またのお越しを」とは言えない職場、家内は来れないのでスタッフの人に荷物を台車でタクシー乗り場まで運んでいただき最後の最後までお世話になりました。
一路家内の待つ懐かしい我が家へ・・・
~入院闘病記 終わり ~
関連ブログ:
・膵頭十二指腸切除術 入院闘病記(3)(2021.04.22)
本日、このQAZさんのブログ記事を拝見して、心より安堵申し上げた次第です。
さぞやご自宅が懐かしかったことでしょう。
今後も引き続き御身体に重々留意されつつ、更なる回復に向かわれますように。
コメントいただきありがとうございます。
おかげさまで何とか平均余命を延ばすことができそうです。
パソコンお困りですね。
「ノートpc キーボードの修理」で検索しますとご自身でなおせる方法が見つかるかもわかりません。
ぜひお試しください。
入院経験のある者としては、退院の日がとてもとても待ち遠しいことがよく分かります。
私も退院予定日を延長なんてことがありましたが、なかなかの落胆でありました。
また音楽の記事を楽しみにしています!
ありがとうございます。
ドレーンの最後の一本がなかなか抜けず退院が延びじれったい思いをしましたが、それだけ慎重に対処してくれたことに今は感謝です。
コロナ禍ですが菜園のほうはいかがですか?
我がパソコン修復力では何の解決策にもならず、新たなパソコンに買い換えました!
今後、その立ち上げに困惑しましたら、またQAZさんにご相談させて頂きます。
新しいノートパソコンをご購入されたとのこと、キーボードのたった一つのキーの不具合のために丸ごと新しく買い換えないといけないなんてひどすぎます。憤まんやるかたない原さまのご心情に心よりご同情申し上げます。新しいパソコンにどうかトラブルがありませんように祈っております。
そんなことより、QAZさんお大事にして下さいね。