Simロック解除についての頭の体操の続きである。
Twitter上でソフトバンクの孫社長と松本副社長が、
「Simロックを解除すると端末代金が4万円高くなる」
と声高に喧伝されている。
(どうでもいいが、携帯電話機も「端末」というようだ。
筆者もこれにならって今後は携帯電話機の呼称を「端末」で統一する。)
このあたりがそもそもピンとこないので、
まずは事実ベースの確認から行いたい。
2010年3月期第3四半期決算資料とオンラインショップの価格を参考にした。(※1・2)
まずは2010年3月期第3四半期の決算発表の数値から、
附帯事業の収支のみをピックアップした。
(1)売上高:6.8万円
(2)売上総利益:2.7万円(売上高総利益率39%)
(3)営業利益:1.5万円(売上高営業利益率22%)
営業利益率が22%と、電気通信事業に比べて非常に高い。
次にオンラインショップでの端末価格。
(1)廉価機種例
Jelly Beans SoftBank 840SH
新規 23,250円(割賦月額980円、月月割980円)
機変 30,720円(割賦月額1,280円、月月割280~1,280円)
(2)中堅機種例
THE PREMIUM SoftBank 935SH
新規 71,520円(割賦月額2,980円、月月割2,000円)
機変 71,520円(割賦月額2,980円、月月割1,300~2,000円)
(3)高級機種例
AQUOSケータイ SoftBank 943SH
新規 88,320円(割賦月額3,680円、月月割2,000円)
機変 88,320円(割賦月額3,680円、月月割1,300~2,000円)
端末価格は通常は3万円~9万円程度。
ソフトバンクのすごいのは、
端末価格の値引きをせず、月額料金から割り引くところだ。
その割引である「月月割」は、2年間の継続利用、かつ、
割引金額以上の利用料金が毎月発生している事が前提で、
2年間合計で0.7万円~4.8万円程度の割引を行う。
「実質0円」とはよく言ったものだ。
2年以内に解約しようものなら、
数万円単位の割賦残債を支払わなくてはならなくなる。
考えた人は本当にすごい。
以上から、孫社長及び松本副社長の言う、
「端末代金が4万円高くなる。」というのはあながち嘘ではないと分かる。
ただし、下記の注釈をつけた場合は、だ。
■ソフトバンクが携帯電話機販売での、
営業利益率22%という高い収益構造を変えない場合。
■月月割金額の高い高機能機種のみをユーザが購入している場合。
こうなると、「4万円高くなる」はいかにも言いすぎに感じる。
IR資料を見ると、最も単価が高そうな新規獲得費用でも4万円を超えていない。
一部をもって全体を語る、嘘ではないが正しくはない、
ソフトバンク得意の「高等テクニック」が発揮された主張だ。
では、実際はいくら高くなるのか?
それを想定するには、
・ドコモとauとソフトバンクの附帯事業収益(営業利益)の比較
・ユーザがどの程度の水準の営業利益率を許容しうるか
という2点の考察が必要だ。
気力が湧けば2009年度決算が出揃った時期に検証したい。
(※1)ソフトバンク IR資料室
(※2)SoftBankMobile OnlinShop
Twitter上でソフトバンクの孫社長と松本副社長が、
「Simロックを解除すると端末代金が4万円高くなる」
と声高に喧伝されている。
(どうでもいいが、携帯電話機も「端末」というようだ。
筆者もこれにならって今後は携帯電話機の呼称を「端末」で統一する。)
このあたりがそもそもピンとこないので、
まずは事実ベースの確認から行いたい。
2010年3月期第3四半期決算資料とオンラインショップの価格を参考にした。(※1・2)
まずは2010年3月期第3四半期の決算発表の数値から、
附帯事業の収支のみをピックアップした。
(1)売上高:6.8万円
(2)売上総利益:2.7万円(売上高総利益率39%)
(3)営業利益:1.5万円(売上高営業利益率22%)
営業利益率が22%と、電気通信事業に比べて非常に高い。
次にオンラインショップでの端末価格。
(1)廉価機種例
Jelly Beans SoftBank 840SH
新規 23,250円(割賦月額980円、月月割980円)
機変 30,720円(割賦月額1,280円、月月割280~1,280円)
(2)中堅機種例
THE PREMIUM SoftBank 935SH
新規 71,520円(割賦月額2,980円、月月割2,000円)
機変 71,520円(割賦月額2,980円、月月割1,300~2,000円)
(3)高級機種例
AQUOSケータイ SoftBank 943SH
新規 88,320円(割賦月額3,680円、月月割2,000円)
機変 88,320円(割賦月額3,680円、月月割1,300~2,000円)
端末価格は通常は3万円~9万円程度。
ソフトバンクのすごいのは、
端末価格の値引きをせず、月額料金から割り引くところだ。
その割引である「月月割」は、2年間の継続利用、かつ、
割引金額以上の利用料金が毎月発生している事が前提で、
2年間合計で0.7万円~4.8万円程度の割引を行う。
「実質0円」とはよく言ったものだ。
2年以内に解約しようものなら、
数万円単位の割賦残債を支払わなくてはならなくなる。
考えた人は本当にすごい。
以上から、孫社長及び松本副社長の言う、
「端末代金が4万円高くなる。」というのはあながち嘘ではないと分かる。
ただし、下記の注釈をつけた場合は、だ。
■ソフトバンクが携帯電話機販売での、
営業利益率22%という高い収益構造を変えない場合。
■月月割金額の高い高機能機種のみをユーザが購入している場合。
こうなると、「4万円高くなる」はいかにも言いすぎに感じる。
IR資料を見ると、最も単価が高そうな新規獲得費用でも4万円を超えていない。
一部をもって全体を語る、嘘ではないが正しくはない、
ソフトバンク得意の「高等テクニック」が発揮された主張だ。
では、実際はいくら高くなるのか?
それを想定するには、
・ドコモとauとソフトバンクの附帯事業収益(営業利益)の比較
・ユーザがどの程度の水準の営業利益率を許容しうるか
という2点の考察が必要だ。
気力が湧けば2009年度決算が出揃った時期に検証したい。
(※1)ソフトバンク IR資料室
(※2)SoftBankMobile OnlinShop
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