[2010年9月 再編集]
苗場山は東の祓川コース、西の小赤沢コースが一般的で、関東から赴く場合は東側が一番手っ取り早く入山できる場所になります。
ですが、こちらは行程が長過ぎて日帰りではちょっと厳しく、山上一泊を余儀なくされる為、なかなか気軽に登れませんでした。日帰りに適した西側の登山口は秋山郷の近く。いくらなんでも千葉から遠過ぎる…
つまり結局 どっちも気軽には行けないのです
今回は日程の都合上日帰りの必要があったので、超長距離運転覚悟で小赤沢コースにしました。
登山口に着くまでの下道走行が遠過ぎて本当に大変でしたよ~ 思い出してもふぇー
関越 塩沢石打ICからしばらくは、直線的で広くて走りやすい道が続いています。
秋山郷に向かって南下していく国道405号は途中から道が細くなって、対向車の見通しも悪く、
渓谷沿いのカーブ連続です。その為予定より時間がかかりました。
【苗場山詳細情報】 長野県栄村HP 「苗場山情報コーナー」リンク
苗場山コースデータ
苗場山 標高断面図
国道405号の苗場山登山口(三合目)へ続く林道入口付近の目印は、
うっかり見落としそうな目立たない看板がちょこっとあるだけです。
夜間に到着する場合見落としやすそう。林道はほぼ全面的に舗装されていました。
途中で「三合目ルート入口」の看板がありますが、マイカーの場合ここはスルーして進むとT字路に行き当たります。あとは指示通りで三合目駐車場に到着。
7:15 小赤沢三合目登山口
早朝から賑わっている登山口。
(と言っても車10台程度)
先に登り始める方々に遅れて出発です。
千葉からあれだけ運転し続けてもう登る…
あぁ~しんどい
木の根の張り出した道。
広葉樹で包まれています。
針葉樹があまり生えてない道は好き。
湿原がある山のせいか、単なる雨のせいか、土がぬかるんだ場所が多いです。
そして厄介なのが…下の写真のように丸太を敷き詰めた場所が多いこと。↓
ぬかるみにはまらず、歩きやすくする為に整備したかもしれないけど…
かえって滑って危ないつーのー
プカプカ的にはこの道が一番の難所でした。ツルツル滑るから怖い~
どうしてもここを踏まないと通れない場所もあります。用心してたつもりだったのに、
油断した拍子に片足ズル滑りし、膝から転んで強打してしまいました(後日すごいアザに)
→こげさんの秋の苗場山レポによりますと、この丸太には現在滑り止め加工されている事が判明しました~
施工に当たられた皆様、ありがとうございました!
いいお天気なので 葉っぱの輝きがとってもきれい。
あの葉っぱきれいだな、この木はすてきだな…
感動したら立ち止まり、ぼんやり見上げてひと時佇みます。
一人で歩いていると とっても自由。 そのかわり、ちっとも先に進めません
(よそ見ばっかしてるから転んでしまうという噂も…)
ほどなく四合目に到着。
歩いて10秒もしない所に水場があります。
苗場山の水場状態:下山時に補給しました。あぶくなどの残らない澄んだ水ですが、水を入れたウォーターバッグを見ると茶色く濁っているのが視認できました。枯れ草が溜まった所を流れて来るので仕方ないのかな。
冷たいけどそんなに清浄じゃないと思います。
五合目を過ぎてからもしばらくツルツル丸太ロードに苦戦。
次第にゴロついた岩や木の根の急な斜面に取り付くことが増えて来ます。 ふがー
途中でかつての水場と思われる場所がありました。
今はすっかり水が枯れています。
六合目手前辺りから少し雰囲気が変わり、日当たりのいい乾いた道に出ます。ロープが張られた急斜面です。
コース中ここにしか咲いてないお花もありました。
アザミとか、いろいろ…中でもうれしかったのは大好きなシモツケソウが少しだけ咲いていたことでした。
一年ぶりだぁ 今年は真夏にアルプスに行けなかったから、会えないと思ってた。
相変わらずかわいいねぇ… ちょっとでも咲いててくれてありがとう
段差の激しい急坂をよじ登り、六合目に到着。
この辺はしばらくゴロゴロ続きです。鎖場も登場。
とにかくゆっくりのんびりやってるので、20人近い登山者に追いつかれ、
先に行ってもらいました…(20人ていくらなんでも抜かれ過ぎでは…)
とっても感じのよいご夫婦に出会えました。
初めて会ったのになんだかそんな感じのしない、
とても親しみのあるあたたかい雰囲気をもったお二人。
ひぃひぃしながら後ろから登って来るプカプカに、レモンスライスを差し出してくれました。すごく自然な当たり前のような振る舞いに、このご夫婦の人となりが表れていました。
かなりいいペースで登ってるから、山にはよく慣れているご様子。
こまめに小休憩されるので、その度にゼーゼーしながら追いつくプカプカを爽やかな笑顔で迎えてくれるのです。
「単独ですごいね」って相変わらず言っていただけるんですけど、実は全然すごくないプカプカ。
抜かれてばっかりです。さっき抜いて行った人が下山する時に、まだ登ってる自分と顔を合わせて
「なかなか来ないからどうしたのかと思った」って心配される事も多いんです。
「---それぐらい、いつもノロノロしてるんです」 と自分の無力を説明する私に奥様は、
「いいじゃない、自分のペースで。 競争してるわけじゃないんだから」 と言ってくれました。
その言葉が今もとても印象深く残っています。
どこかで 自分の登山ペースの遅さや体力不足にコンプレックスを持っていたから…
10:21 八合目(1,940m)八合目を過ぎるといよいよ森林限界モード突入です。
うーん…におう。匂うぞ! この雰囲気は頂上湿原に近付いてるに違いありませんよ~
この辺でガサゴソとカメラを調整したり水分補給したりアミノ酸摂取したりしてる間に、
さっきのご夫婦は「先行ってるよー」とスーッと遥か遠く、あっという間に姿が見えなくなりました。
そして、この道を真っ直ぐ登って行った先には…
こんな眺めが待ってるんでごぁすぐわぁ
なんか田んぼの苗を見てるみたいです。
プカプカは田んぼ好きなので、こういう湿原の緑の姿はまるで
美しく実る稲穂の景色みたいで 胸ときめいて仕方ない…
モウセンゴケのオレンジ色、空を映す水面の青、そしてこの緑。
絶妙の色合いだ~っ
ワタスゲの群生もそれはそれは見事でした。どこまでも続く白いふわふわが風に揺れて…
チングルマ穂の群生もすごいんですよ~ 花期にもここを歩いてみたい。
ここも木道ができる前は好き勝手に歩けるようになってて、かなり荒らされたんでしょうね…
池塘に生えてるこの植物なんでしょうか?
朝露に濡れた時なんか、キラキラと七色に輝いてすごいきれいなんですよね~
湿原と池塘の景色ってほんとに大好きです。草原の中に空が散らばってるようで。
もう、なんか、ここに辿り着いただけで相当満足…
「山頂なんて行かなくてもいいかも」って気分になってきました。
ところがどっこい、苗場山の山頂そのものが湿原。池塘だらけなのです。
一体どこまで続くんだろう。やっぱり果てが見たくなるのが心理ですよね。
あれー、ずっと湿原続きかと思ったら意外なフェイント。
大きな岩がゴーロゴロに転がっているので、岩伝いに歩いていきます。
ここだけ急に違う山の雰囲気でした。
で、またここを抜け出ると…
ブラボーな湿原世界に飛び出すのです
こんな所に宇宙がありました。
きっとこの小さな入口の向こうは 違う世界に繋がっているはず
水面に写るのは どこの空?
←後編はこちらからどうぞ
湿原の緑、池の青・・。
素晴らしい写真とレポート、ありがとうございました。
小赤沢温泉から駐車場まで案内も少なく意外と遠かったです。
登山道はずっとグチュグチュで池塘まで登りっぱなし。もうニ度と来るかと心の中で思いましたが池塘周辺は素晴らしかった。
でも2013平標山と同様紅葉も地味でプカプカさんの写真通り夏の方が絶景を味わえるでしょうね。
今回は厚手の靴下履き血豆は作らないで下山出来ました。
10月なんか特に。
小赤沢までの運転ルートはわっかりにくいですよねぇ
あの方向案内は小さすぎて普通に走っていると見落としてしまうんですよね。今でもそうでしたか。
あのぬかるんだ登山道はどうも通年のようですね。
しんどかったなぁ。思い出します。
でもわたしはもう一度あのルートを歩いてみたいです。ただ運転がとっても大変な場所なので、ひとりでは二度と行けないと思います。;;
苗場は平標のすぐ近くだから、紅葉の質も同じなんですね。ご報告ありがとうございます^^
ラッコさんへいつも血豆ができるんですか?それはかなり靴が合わないんですね。靴が悪いと登山がつまらなくなってしまってつらいですよねぇ(;_;)