心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

単なる前フリか正月ボケかはたまたオマージュか

2006-01-10 22:17:56 | 臨床心理学
 フランシス・フォード・コッポラ監督の子どもたち,ローマンとソフィアはそれぞれ映画監督だということは,映画好きならずとも良く知られた事実かと思いますが,観ようかな観たいなと思いつつ,まだ観ないうちに光陰矢の如しですわ。そこで,かねてより観たかったローマンの『CQ』を観ようと勇み足サミーしたわけですが,折りしも帰省中,そうは問屋さんが卸して下さいませんでした,残念ながら。じゃあ,ソフィアの方はどうだってんで,こいつをチョイスしたっつうワケ。

ヴァージン・スーサイズ

ジェームズ・ウッズ, キャスリーン・ターナー

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 まあオサレなFly girlsやオサレなFly girlsと仲良くなりたいRomanticなBoysにとっては,もう懐かしい部類に入るのかも。まさかこれが公開されてから5年も経っていたとはorz ついこの間と思ってたのにorz
 内容的には,まあね,タイトルのインパクトを超えるってことはなかったですな。やりたいこと,イメージしてるものはすごくよくわかるけど,その先がな。感覚とか観念先行型で,いかにも90年代の名残あるいは集大成という気がいたしました。ちなみに,次作『ロスト・イン・トランスレーション』では撮影にドキュメンタリー的手法を取り入れ,ここらへんの時代の機微を見てとるところはさすがと思う。そういう鋭さはこの作品にもあるけれど。
 ちなみにスパイダーマンのMJことキルスティン嬢が出てます。あんまり変わらんね,この人。
 
 さて! 映画そしてスーサイドといえば,この業界,想起されるのは,高橋祥友先生をおいて他には考えられますまい。自殺学のオーソリティ,高橋先生は映画好きでも有名で,『シネマ処方箋―精神科医がすすめる、こころにスーっと効く映画』という本も出されておりますな。この本,実は読んだことないのですが『ヴァージン・スーサイズ』は紹介されているのかしらん。
 で,高橋先生。2005年はまさに高橋YEARとも呼ぶべき刊行ラッシュだったのではないでしょうか。

我が子の自殺のサインを読みとる―孤独な魂の叫び

ヘルガ ケスラー・ハイデ, 加納 教孝, 高橋 祥友

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自殺予防カウンセリング

藤原 俊通 (著), 高橋 祥友 (著)

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シュナイドマンの自殺学―自己破壊行動に対する臨床的アプローチ

エドウィン・S. シュナイドマン, 高橋 祥友

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アーサーはなぜ自殺したのか

エドウィン・S. シュナイドマン, Edwin S. Shneidman, 高橋 祥友

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自殺予防の認知療法―もう一度生きる力を取り戻してみよう

トーマス・E. エリス, コリー・F. ニューマン, 高橋 祥友

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 2005年9月までに計5冊,うちシュナイドマンの翻訳が2冊。なんかエンジンがかかってきたなって感じですね。時代が来たというべきか。んで,年末にこの名著が増補改訂され,2005年が締め括られたわけですな。

自殺の危険―臨床的評価と危機介入

高橋 祥友

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 これはまっことマストアイテムです。「自殺」で1冊持つなら,これしかないでしょう。増補改訂の機会に買っとくが吉と思いまする。初学者も実務家も研究者も誰が読んでも得るものが多い,稀有の「専門書」であります。


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2 コメント

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Unknown (hitori)
2006-01-11 13:43:53
初めまして。心理学を専攻している大学3年生hitoriといいます。

いつも楽しみに拝見させて頂いています。

『ロスト・イン・トランスレーション』はドキュメンタリではなかったと思います。ソフィア・コッポラ自身の体験を基にして作られたみたいですが。
ツッコミありがとうございます (psy-pub)
2006-01-11 15:02:49


>hitoriさま



 ツッコミありがとうございます。まったくもっておっしゃるとおり,ドキュメンタリーではございません。ハズカシー。チラ見した映像がドキュメンタリーぽかったので,そう思い込んでました……。早速「赤字」部分を追加しました。

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